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第50話 おっさん戦慄する

前話のあらすじ:学園に向かうことになった

 さて、エリクサーを使う必要性がよりわかったが、不思議なことがある。


「セシルさん。

詳しく知らないのですが、あまりにもエリクサーが必要な症状が多過ぎませんか?

確かに今回作成出来ましたが、あれは特別だと思って貰った方が良いレベルです。

なぜ、ここまでエリクサーが必要になっているのでしょうか」


「え? セバッターさん知らないの?」


「そうか。お前は知らないのか。

前回の大戦で最後の戦いをしている時、この国にある雨雲が迫ったらしい。

その雨にかかり続けると魔力障害が発生して、上手く魔力が作り出せなくなり魔力枯渇に陥っているのだ。

しかし、魔力枯渇に陥っても別に死ぬわけではないから対策を考えていたが、最近になって症状が進行し始めてな……」


「雨雲……? 魔力枯渇……? 大戦……?」


 どこかで聞いたことがある……。


 どこだ。


 思い出せ……。



「ふはは!

お前が我を倒しても我の呪いはお前を蝕む!

それに我の配下によってお前の故郷には呪いをかけた!

雨雲と魔力枯渇にせいぜい恐怖して過ごすのだな」



 そうだ!

 悪神だ!!

 あいつが最後に言い残して言った。

 雨雲と魔力枯渇と言っていたからほぼ正解だろう。


「雨雲はどこからやって来たんだ?」


「俺も戦場にいたからわからないぞ。

多分当時に王都を指揮していたロックウッドのばあさんなら知っているだろう。

それに、ダスのこともロックウッドのおばさんの方が詳しいかもしれない」


 セシルさんやうちの親は今40歳くらいだ。

 ロックウッドのおばさんは70歳くらいのため、セシルさん達から見てもおばさんなのだ。


「……俺も……?」


タナさんは頭にハテナマークが付いていたが、この際放置させて貰う。


「わかった。

俺はロックウッドのおばさんに会いに行くけど、セシルさんとタナさんはどうする?」


「行くの〜」


「ああ、一緒に行くぞ」


 時間が惜しい。

 最近になって症状が進行を始めたということは、悪神の配下の奴が近くにいる可能性は高い。

 当時、全て狩ったと思ったが足りていなかったみたいだ。


 とにかく、王城に行くことに決めて急いで向かうことにした。

 報告書の確認と聞き取り調査で結構時間をかけてしまったから、そろそろお昼の時間だ。


 セシルさんは顔パスで城門をくぐる。


 俺たちはセシルさんが身分を証明してくれて、ギルドカードを見せて中に入る事が出来た。

 この世界のお城は日本のお城のような形をしている場所もあれば、ヨーロッパのお城のような形をしている事もある。

東洋も西洋もどちらもあるのだ。

 もちろん、これはお城だけではなく武器などでも同様の事が言える。


 ハイラス王国の王都の城は西洋の形に似ている。

 そのため、横にも結構広く、見張り塔などもある。

 これは、結構賊の侵入を防ぐために重要である。

 また、賊対策のために城壁は結構高くて約10メートルはあるだろう。

 尚且つ、鼠返しも付いているし、防犯センサーも付いているため、賊が侵入する事は難しい。

 それに、入れたところで兵が沢山いるから厳しいけどね。


 騎士団の詰所は城壁の内側にあるため、城門を超えたがここからは俺もあまり来たことがない。

 当時は登城する暇があったら、少しでも戦場にいたからね。


 戦闘狂ではないと思うが、当時はワーカホリックになっていたかもしれない。


 ロックウッドのおばさんがどこにいるかはわからないが、ひとまず騎士団の詰所に行く。


「おらー! あんた達それでも騎士団か!

立ち上がりなっ!」


 ……。

 騎士団の詰所に入ると鮮烈な光景が広がっていた。


 騎士団の人達がボロボロになって、ロックウッドのおばさんに立ち向かっていた。

 聖騎士団や近衛隊は問題を起こしていないが、騎士団だけこの前不祥事が起きたからな。


 多分指導をしているのだろうけど、あまりに騎士団の連中がボロボロになっている。

 

 やっぱりあの人怖いわ。

 もう70歳だというのに、若い人を相手に一方的にボコボコにしているのだから、やはりおかしい。


 この世界は物理法則を魔法で捻じ曲げるだけではなく、バケモノも生まれるよう捻じ曲げているのだろうか。


「客かい。あんたら休憩してなっ!」


 騎士団の奴らはみんな糸が切れた、糸人形のように地面に崩れ落ちた。

 だいたいここに騎士団のメンバーが100名はいると思うが、全員に指導しているのか。


 この人は教えるのが天職なのだろうか。


「セシルの坊やかい。もう1人は可愛い嬢ちゃんだね。

確か、シードのところの嬢ちゃんだったかね?

あんたは……」


 途中まで言いかけて、いきなり剣を振って来た。

 

 おわっ!

 危ないよこのばあさん!!


 サリーも暴走機関車だけど、この人は暴走新幹線だよ!!


 記憶能力いいから、まだボケでないんだなーなんて思ってたから反応が遅れた。


「なにすんだ! このババア!」


「ふんっ。

知り合いに似ていたから、思わず斬りかかってしまったよ。

で、一応聞くけど、あんたは誰だい?」


「そうなんですか。いきなり斬りかからないでください。命に関わるので。

セバッターと言います。ギルド職員なのですが、王都のギルド本部で働いている知り合いに助けを求められて、ダスさんになにがあったか調べています」


「そうゆうことかい。なら王都の学園に行きな。

そこの隠し部屋が答えさ」


 ん?

 なにが欲しいのかわかったのか?

 もうそっぽ向いているし。


 相変わらず、よくわからんばあさんだ。


「ありがとうございます。

さて、2人とも急ごう」


「お礼は今度ゆっくり受け取ることにするさ。

ああ、折角だから1つ忠告だよ。

滲み出てる魔力の波長も変えないと、すぐにバレるよ」


「……相変わらず、よくお見通しなばあさんだよ。

千里眼は伊達じゃないね」


「さっさと行きな!」


 追い出されてしまった。

 一目で正体に気がつくとは、ロックウッドのおばさんは相変わらず凄いと思う。


 若い頃からなんでもお見通しだったため、千里眼という二つ名を持っているのだ。


 だいたいAランク以上の人が二つ名で呼ばれている。

 というか、公式にギルドから認定がされるのだ。

 俺も二つ名自体はあるのだが……。

読んで下さりありがとうございます。


今週は2話アップの代わりに他の物を準備中です。


最近涼しくなって来ました。

みなさまのところはどうでしょうか。

涼しくなると疲れも出てくるかと思いますので、体調にはお気をつけてお過ごしください。


今後ともよろしくお願いいたします。

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