表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/61

第5話 おっさんお金がない事実を聞く  ※改訂済

前話のあらすじ:おっさんが王都にあるギルドにたどりついて、受付に行った。


※2018/9/1 改訂

 「やあ、冷やしぶり。

 なんで、お前がそこに座っている。

 ここギルドマスターの部屋だろう?

 ふざけて、その席に座るとあのおばさん怒ってうるさくないか?」


 当時は子供だったこともあり、俺たちはギルドマスターの席に座って遊んでいたこともあって、当時ギルドマスターからこってり絞られた思い出がある。

 子供でも関係なくめっちゃ怒るおばさんだったから、俺は未だに苦手意識が強い。


 いや、確かに遊んだ俺たちがいけないよ。

 でも、まだそのような年齢の時から、お前たちは国を背負う人間なのだから教育をしっかりするからといって、常に面倒を見てもらっていた。

 あのおばさんも俺が死んだことになったときに、なんと涙を流していたと聞いたので悪いことをしたなと思う。

 多分家族とかも涙を流してくれたのかな?

 

 当時家族が涙を流している可能性ももちろんあるがその事実は苦しいだけだ。


 当時は自分のことで精一杯で周りの気持ちなんて考えられなかった。

 今考えると、情けなかったなとは思う。

 でも、そのおかげで娘達を助けることが出来たのなら結果は良かったと思っている。


 「おう、約8年ぶりだな。

 相変わらずの抜けたような顔つきをしていやがる」


 こいつ、8年ぶりに会った親友になにを言っているのだろうか。

 俺が抜けたような顔をしているだと??

 確かに、イケメンではないと思っているが、そこまで抜けたような顔つきはしていないと思っているのだが。

 

 それに、こいつこそ相変わらず、貴族のような高圧的な喋り方をしている。

 というか、こいつも有名な貴族である。


 「まあいい。

 お前が言っているロックウッドのおばさんなら引退して、今は騎士団全体のお目付け役をしている。

 だから、3年前からそのあとを継いで俺がギルドマスターに任命されて、今はギルドマスターってことだ。

 と言っても、将来の国を守るための練習ということを兼ねてだけどな。

 だから、母上や周りがサポートするいう事で俺が任命をされたのだ。

 本来は母上がなるはずだったが、事情があってな……」


 なんてこった。

 あのおばさん引退したのか。

 当時怒られて追いかけ回された苦い思い出ばっかりな、ハッスルなおばさんだったのに。

 おたまを振り回して追いかけてくるのではなく、剣を振り回して追いかけてくるおばさんだった。

 本当に恐怖だった。


 でも、引退したとはいえ国の軍隊である騎士団全体のお目付け役とか、以前より偉いじゃないか。

 騎士団とはこの国の兵士たちが所属している、国直営の軍隊である。

 種類はいつかあるがそれは今度騎士団に会った時にでいいだろう。

 俺もギルドについては知っているが騎士団については詳しくは知らないからね。

 ロックウッドのおばさんが、そのお目付け役ということは、相当国から信頼をされていた証拠だと思う。


 「さて、レンをここに呼んだことには意味がある。

 お前は当時の大戦での貯金があって、そのおかげで今までは隠居生活を行えていた。

 でも、今後はそのようにはいかないから働くしかない」


 「おいおい、なんて嘘だよ。

 あんな金額が数年で消えることのほうが難しいだろ?

 詳しい金額までは覚えていないけど、結構な金額なはずだろ?」


 「事実だ。

 詳細は本人から聞けばいいだろうから、俺は大まかな概要と今後のことを話してやろう。

 建設的な話をしないと先に進まないからな」


 そして、そこで親友から告げられた貯蓄が消え失せたこと。

 このままでは、娘達の学費が払えないから、娘達が他の都市の学園に行くしかなくなること。

 今後は俺の生活費、娘達の学費と生活費を稼がなくてはいけないこと。


 「え? 本当に言っているの?

 だって、俺って結構貯金あったよね?

 詳細な金額までは知らないけど、もう今後働く必要がないって、お前のお父さんや国王さんに聞いたよ?」


 「ああ。本来であればお前は稼ぐ必要がなかったため、隠居生活を死ぬまで行うことが出来ただろう。

 しかし、現在お前は貯金が綺麗になくなった。

 文字通り、言葉通りの無一文状態だ。

 このままだと、生きていくこともままならない状態だぞ」


 話を詳しく聞いたところ、どうやら娘達が貯金を使い切ってしまったみたいだった。

 そんなことある?

 え? 3年、4年間会わなかっただけで、お父さんのお金を使い切ってしまう程だったのだろうか。


 俺が知っている娘達から変わってしまったのか?

 とてつもなく心配になってきた。


 今、無事なのだろうか、ご飯はちゃんと食べているだろうか、友達は出来たのだろうか。

 当時は、3人とも頭のいい子供だったので、特に心配もしていなかったし、なにか危ない目に合うと、魔道具に仕込んだ魔術陣が身を守るようになっている。

 そのため、危険な目には合っていないとは、思っているが大丈夫だろうか。


 それに、お金が無くなってしまったから、今後の生活費も無いし…。

 この国では12歳から20歳まで義務教育のため、国の定めとして学園に通わなければならない。

 お金がない家庭は、日本でいう奨学金制度のような物でお金を子供達が借りて生活をしている。

 

 うちも奨学金を借りればいいと思うかもしれないが、基本的に奨学金は、入学前に受けることを決めないと受けることが出来ない。


 もし、途中から受けたいことになった場合は、学園に赴き、理由を詳細まで話さないといけない。

 その際に、俺の正体バレる可能性を考えたら、子供たちに悪影響を及ぼしてしまう可能性がある。


 俺が当時役職についていたことや、強かったことは教えたくないのだ。

 理由としては、父親がいくら強かったり、役職についているかといって、娘達が偉いわけでも強くなるわけではないからだ。

 むしろ、悪いことを考えている人が寄ってくる可能性も出てくるわけだ。

 だから、俺はまだ娘達に俺の正体を教えるわけにはいかない。


 他の人たちにも伝えたことによって、周り回って娘達に知られてしまったり、実家にバレてしまうことを考えると、知られないようにしなくてはいけない。


 そう、今までの流れでわかると思うが、俺は働いていない。

 つまり、無職である……。

 

 でも、俺は望んで働いていなかったから納得をしている。


 働くしかない……のか?

読んで下さりありがとうございます。

もし、よければブックマークや評価をお願いいたします。

筆者の頑張りに直結します。


誤字脱字などございましたら、ご指摘の程、よろしくお願いいたします。


※2018/8/27 改訂

※2018/9/1 改訂

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ