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第41話 おっさんお墓参りする

前話のあらすじ:食べ歩きという名のデートをした


括弧の段落を字下げしていましたが、下げない方が読みやすそうです。

そのため、前の話まで修正をするかもしれません。

 タナさんから7大公爵は地方にもお墓がある事を聞いたが、全然教えてもらっていなかった。

 当時の俺は長男だったため、親は俺に教えてくれていても良いはずなのだが……。

 だから、シルフィード家の田舎を知らないという事は、実家について知らない事がまだまだあるという事だ……。


 まあ、今頃知っても次期当主になるわけではないため、関係ないのかもしれない。


「そうだったんだね。……全然知らなかったよ。

じゃあ、ここでお祈りをしてもちゃんとお墓参りしたことになるのか」


「そうだよ〜。というか、結構有名な話だと思うけど知らなかったんだね〜。

とりあえず、お祈りしよっか」


 そう言われて、桶に入っている水を柄杓ですくって、竿石と墓誌にかけていく。

 お墓参りも日本では地域によって方法が違うのだが、こちらの世界では統一されている。

 

 その後、線香をたいて、香炉に入れて、竿石の前に立って手を合わせる。


 ジルさん……。

 お墓参りが遅くなってしまい、すみませんでした……。

 当時、まだ幼かったから、みんなが亡くなって受け止める事が出来ませんでした……。


 ジルさんが亡くなってから、より大戦は激しくなりました。

 そして、俺が戦場に出ている間に師匠が亡くなりました。


 その後、大戦を鎮圧した結果、大戦の原因が悪神だと分かりまして、みんなでぶっ飛ばしに行きました……。


 ジルさんと師匠とで開発した、雷光の技のおかげで無事に悪神はぶっ飛ばしましたが、今じゃこの通り呪いでボロボロです……。


 みんな、亡くなるのが早過ぎですよ……。

 俺たちだけ残して先に逝くなんて……。


 でも、お孫さんは今回助ける事が出来ました。

 当時の借りを1つ返した事で良いですかね?

 まぁ、たくさん借りがあるので返し切れるか分かりませんけれど…。


 じゃあ、また来ます。


 

 ん?

 タナさんがこちらをジッと見つめている。

 

「ボーッとしているけど、どうしたの?」


「ううん。なんだか、雰囲気から本当にジルおじいちゃんのことが大切だったんだなって〜」


「ああ、そういうことね。

んーとね、当時すごくジルさんには恩があってね。

そのおかげで今俺が生きていると思っているんだ」


「そうだったんだね」



 その後、タナさんは少し静かに歩き出した。

 どうしたのだろうか。

 そんなにお礼になったことが変だったりしたのだろうか。


 よくわからないけれど、静かに横を歩いて後を追う。

 

「今回のことについて、セバッターさんにはお世話になったから話す必要があると思っているの……。

もし、よければ聞いて欲しいのだけど、聞いてくれる?」


「話しても平気なことなら話を聞くけど」


「ありがとう。

今回、エリクサーが必要だったのはお母さんとお父さんどちらも必要だったの。

ただ、お父さんは命に別条があるわけじゃないから、お母さんを第一に行動をしていたの。

どちらも理由があってね、お父さんが怪我をした原因が大戦なの」


 うん、シードさんが怪我をしてしまったのは知っている。

 だから、俺が雷帝の座を引き継ぐことになったのだから。


 当時、第4師団の師団長がジルさんで、副団長が師匠のサクラさんだった。

 シードさんは副団長をサクラさんに譲って自分は自由に行動すると言って、動き回っていた。

 

 そのシードさんが怪我をしてしまって、原因をジルさんが探しに行って亡くなった。

 そして、ジルさんの言伝で俺が引き継ぐことになったのだ。

 本来なら師匠が引き継ぐべきところを、ジルさんの雷属性を俺が学んだから俺が引き継ぐことになった。


「お父さんが怪我をして、ジルおじいちゃんが原因を探しに行ったの。

その時に、わしは多分亡くなるだろう、でも行かないわけには行かないのだ。残りのことは任せてきたからお前は安心して療養するのだぞ、ってお父さんに話していたの。

それで本当にジルおじいちゃんが亡くなっちゃって……。


雷帝はシルフィードの人が継いでくれたけど、終戦で亡くなったみたいでお父さんがすごく責任を感じていて……。

それに、うちは家系が弱くてお父さんが働けないと7大公爵として責務を果たしていないって周りに批判されて……。


だから、無理してでも雷帝とギルドマスターになったんだけど、やっぱり体が動かないみたいで……。

そんな時に終戦からお母さんの体調が悪くなって、魔力障害ですって治癒士の方に言われちゃって」


「そんなことになっていたのか……。

俺が知っているライゼン家って、すごく強固なイメージがあったんだよね」


「それはジルおじいちゃんが生きていた時の話なの。

今では7大公爵から外れるべきだって、話が上がってて……。

でも、今回お父さんが復活したから、なんとかなると思うの」



 俺が知らない間にライゼン家がそのような危機に陥っていたとは思わなかった。

 7大公爵家は、お金も権力も他の貴族とは段違いのため、問題ないと思っていた。

 

 ライゼン家には知り合いの人がいるから、無事にいるか心配なところではある。


 ん?

 お母さんが魔力障害?

 タナさんのお母さんって、シードさんの奥さんだよな。

 

 あれ?

 俺の知り合いが死にかけていたのか……。

 本当に間に合ってよかった。


「そうだったんだね。

教えてくれてありがとう。

ライゼン家にはお世話になったから、無事になったなら本当に良かったよ」


「それでお父さんたちがセバッターさんから借りていたマントや服を見て、絶対に家に連れて来なさいって言うの」


「お家にお邪魔するのは気まづいかな。

それに7大公爵家に家に行くのは恐れ多くて……」


とりあえず、断っておかないと連れて生きそうな雰囲気が出ている。

もし、見つかったら大変なことになってしまう。


「でも、お母さんがその人は知り合いよ、って言って止まらなくて……」


「知り合いだけど、会わない方がいいかな」


「わかった。伝えておくね〜。

じゃあ、お墓参りも出来たし、もう行こっか?」


「俺はしたけど、タナさんはしなくていいの?」


「私はこの前にしたばかりだから大丈夫だよ」


 と言って、帰りは乗合馬車に乗ることにした。


 なんだかんだ、夕暮れになってしまっており、食べ歩きで時間を使ったんだなと思う。

 まあ、ウインドショッピングもしていたため、時間が経つのは早くてもしょうがないだろう。


 仕事は終わるのが長く感じるのに、出かけていると一瞬で時間が過ぎてしまう。


 夕暮れに照れされた、タナさんの横顔はとても綺麗だった。

 

「どうかしたの〜?」


「ああ、綺麗だなって」


「っ!! なに言ってるの!」


 と言って肩を叩かれてしまった。

 でも、実際に綺麗だからそのまま伝えただけなのだが、何か悪いことをしたのだろうか。


 横から見るとタナさんは顔を真っ赤にしていた。

読んで下さりありがとうございます。


ついに10万文字を超えました。

ありがとうございます!!


今後とも宜しくお願いいたします!!

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