第4話 おっさん王都のギルドに着く ※改訂済
前話のあらすじ:王都に約8年ぶりにたどりついた。
※2018/8/26 改訂
※2018/8/27 再改訂
約8年前、この世界は大きな戦争があり、一般的には様々な国を巻き込んだことから大戦と呼ばれているものがあった。
もちろん、このハイラス王国も例外ではなく戦火に飲まれていった。
今でこそ、当時の傷跡は残っている場所は少ないが、ハイラス王国だけではなく、この大陸の殆どの国が被害を被った。
当時、ギルドの役職に就いていたこともあり、親友と僧侶の3人でパーティを組んで戦争に参加していた。
まだ、その時の俺は最強ではなかったため、パーティーで行動をしていたのだ。
後にわかったことだが、大戦が起きた原因は、他の大陸にあり神様が発端という事が判明したため、各地で挑戦する人を集い、大人数で乗り込みそこで神様をぶっ飛ばした。
もちろん、お世話になっている一番偉い神様ではなく、悪神という堕天した神様で、悪いことを企む神様だったのだ。
それが、俺が呪いにかかってしまった原因の戦いだ。
みんなは途中で力尽きてしまったので、引き返してもらい俺だけが悪神の手下を倒しながら突き進み、三日三晩悪神と戦って倒すことが出来たのだ。
そして、倒した際に神殺しの称号と同時に呪いをかけられたのだ。
本当はもっと強い呪いをかけたかったようだが、弱めの呪いだけで済んだ。
その戦いの前に師匠が悪神に殺されてしまったため、俺が先頭を切って大陸に乗り込んでいった。
だから、当時の冒険者達には俺の存在が強く印象に残っている可能性が高い。
なるべく目立たず、ただのおっさんとして接していかないとバレてしまう恐れがある。
王都のギルドは昔と変わらずの3階建てのギルドである。
地下が訓練所、1階が受付と食堂、2階がギルド職員室と図書館、会議室があり、3階にギルドマスター室など重要な部屋がある。
この構造は結構、他の都市のギルドでも同じ作りをしている。
王都のギルドは、ギルド本部として各地のギルドの取りまとめをしている。
ついでに、各国にもギルドはあり、ギルド統一化が10年前にあったみたいで、今はギルドは全部で一つとなっている。
だから、どこかの国で冒険者登録すればどの国でもギルドで依頼を受けることが出来るのだ。
ひとまず、ギルドに入って受付嬢のところに行く。
ギルドは大きいため、受付をまとめてしまうと業務が滞ってしまうため、用事事に受付を分けている。
1、任務関係の受付 任務などを受ける際、報告する際の受付だ。
2、各種手続きの受付 ギルドに登録する際、なにか他の用事がある際の受付だ。
3、資料貸し出しの受付 魔物や植物など様々な資料を一時的に貸し出したり、教えてくれる受付だ。
4、金銭受け渡しの受付 魔物など任務内外で手に入れたものを売り払うことが出来る受付だ。
俺の場合は、セインの手紙に王都のギルドマスターに会って来れと記載されていたので、ギルドマスターに会うには各種手続きの受付かな。
各種手続の受付には列が出来ていたので、列に並び10分程度待つと、俺の順番になった。
「すみません、本日ここで待ち合わせをしていた、セバッターという者ですが。
ギルドマスターに取次をしてもらえませんか?」
「はい。少々お待ちください。セバッターさんですね。
はい、ギルドマスターから用事があるということですので、ギルドマスター室に直接お向かいください。
メモによりますと、時間はいつでも構わないとのことですので、準備が済み次第お向かいください」
「わかりました。ありがとうございます」
やはり、ここのギルドマスターが俺に用事があるみたいだ。
ギルドマスターとは本当になるのが難しく、ハイラス王国には、大きな都市の合計10箇所にギルドが設置されており、各場所にギルドマスターがいる。
また、他の国にも支店がおいてあるが、本部はここハイラス王国のギルド本部だ。ギルドマスターが各ギルドを束ねており、定例会議などで状況を報告している。
そして、すべてのギルドを束ねているのが親友の父親のグランドギルドマスターである。
今回、俺に用事があるというのは、ここのギルド本部のギルドマスターらしい。
グランドギルドマスターなら親友の父親だから気が楽だったのにと思う。
当時のここのギルドマスターは、怖いおばさんでよく怒られたものだ…。
まだギルドマスターが変わっていないなら、あのおばさんがギルドマスターなのだろうけど、俺のことは死んだと思っているはずだ。
どんな偉いやつが俺になんの用事があって呼びつけたのだろうか、結構疑問になるな。
親友はなぜ直接来いと連絡をしてきたのだろうか、もしかして、ここのギルドマスターに俺の正体がバレたのだろうか。
コンコン
「どうぞ」
ノックをして声をかけようとしたところ、ノックしたら先に返事が返ってきた。
俺が来るのを待っていたのか、相当暇だったのか。
後者であることを願いながら、室内に入ることにする。
「失礼します」
ガチャと音を立てて扉を開いて室内に入る。
ルルド村の俺の家と比べるのもおかしな話だが、月とすっぽんのレベルで部屋の豪華さが違う部屋だ。
一つ一つの内装が、すごい金額がしそうな物が並んでおり、今の俺ではとても触ろうとさえしないレベルである。
そして、偉そうな机と椅子があり、その椅子に親友が座っていた。
結果的に、ここで聞きたくない勤務宣言を食らってしまうのだった。
読んで下さりありがとうございます。
誤字脱字等がありましたら、ご指摘の程よろしくお願いいたします。
物語の進捗のペースはゆっくりかもしれません。
第2章からは速度が少しは上がるかと思います。