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第39話 おっさん約束をする

前話のあらすじ:残りの金額の低さに絶望した

 タナさんの父親か……。

 なぜだかわからないけれど、直感が貴族なのではないかと告げている。


 念のため、確認をしておかないとかな?


 「タナさん、もし良ければ教えて欲しいんだけど、お父さんって結構偉い人なの?」


 藪蛇じゃなければ、良いのだが……。


 「あぁ〜、セバッターさんは知らなかったね〜。

 お父さんは、シード・ライゼンって言って、現在の雷帝なんだ〜」


 「……ライゼン。

 シードさんの娘さんだったのか……。

 じゃあ、タナさん祖父ってジルさんかい?」


 「あれ?

 ジルおじいちゃんのこと知ってるの〜?

 そうだよ、セバッターさんの言う通りだよ〜。

 お父さんとジルおじいちゃんのこと知ってるの〜?」


 「遠い昔の知り合いだよ。

 そうか。ギルドマスターの名前がリンさんというのは、タナさんの姉妹か……」


 「うん。そうだよ〜。

 お父さんは大戦時の怪我が酷くて、雷帝を継いだけど業務が出来ていなかったの……。

 それにギルドマスターの職もほとんどリンお姉ちゃんに任せてて……。

 

 お母さんも大戦時に魔力障害になっちゃって、今年の診断では、このままだとあと1年も保たないって……。

 だから、今回が最後のチャンスだったの……。

 助けてくれて、本当にありがとうございます」


 そう言って、タナさんが頭を下げてきた。

 ライゼン一家とは俺も関わりがあった。


 俺の実家は風魔法がメインだが、雷魔法も得意としていることがわかると、当時雷帝だったジルさんに鍛えて貰ったのだ。

 その後、ジルさんが大戦で亡くなってしまい、次期雷帝として決まっていたシードさんが怪我をしてしまったため、大戦時は戦える者が引き継ぐべきとジルさんの言伝で、俺が雷帝となったのだ。


 今は、平和な時代ということで戦えなくても問題ないという事で、シードさんが引き継いでくれたみたいだ。

 そのため、タナさんの父親のシードさんとは、兄弟弟子のような形式となる。


 当時、シードさんが引き連れていた子供達がリンさんとタナさんという事か。

 世間とは狭いものだ。


 ……ジルさん、あなたのお孫さんに会いましたよ。

 凄く立派に育っています。

 出来れば近いうちにお墓参りに行きますね。

 当時いただいたご恩は、お孫さん達に返して行きます。


 「いえ、ライゼンの名を引き継ぐ者に出会えて本当に良かったです。

 俺が出来たことは何もないと思っているので、お父さん達には会えません。

 でも、厚かましいお願いかもしれませんが、ジルさんのお墓参りに行かせてもらえないでしょうか」


 「そんなにかしこまらないでよ〜。

 普段通りに元に戻ってくれれば、連れて言ってあげるよ〜。

 いつがいい〜?」


 「わかった。

 これから、お互いにかしこまるのは無しにしよう。

 今日と明日は空いてるよ。

 そのどちらかであれば、タナさんの時間に合わせて行けるかな。

 それとも、他の日の方がいい?」


 「今日で大丈夫だよ〜。

 お昼の12時に、ご飯食べないで集合で大丈夫かな?』


 「へ……平気だよ……。

 じゃあ、12時にギルドの前に待ち合わせにしよう」


 ということで、ジルさんのお墓参りに行く事になった。

 お金は少ないが、せめてお花くらいは買って行きたい。


 もし、この街に安くて住める場所が無くて他の場所に行ってしまったら、行く機会が当分先になってしまうかもしれないから……。


 

 「でも今回は本当に、ありがとう〜。

 それに服もマントも貸してくれたのに、どちらもボロボロにしてごめんなさい……。

 今、実家の腕の良い修復屋にお願いしてるけど、難しいかもしれないって……」


 「いやいや、大丈夫だよ!

 おかげでタナさんが守れたんだから、安いもんだよ!」


 「本当に助かったよ~。

 無かったら恥ずかし過ぎて……」


 思い出してしまったのか、顔が真っ赤になっている。

 忘れようとしてるのに、こっちまで恥ずかしくなってくる。


 だって、助けた時はほぼ全裸に近かったから見えてはいけないところまで見てしまっている。

 

 その後は、取り留めもない話をして過ごす。

 冒険者達もスタンピードで疲れていたのか、やって来る人がいない。


 おい!ギルドマスター!!

 臨時とはいえ権限あるだろ?


 俺だから良いけど、若い子を夜シフトに入れるのは危ないし、2人きりとか危な過ぎるぞ!!


 「そういえば、私を助ける時に他の人達の事を……」


 ふう。

 まだその事を掘り出すのか。

 でも、人が死んでしまったから気にしているのだろう。


 「偽造冒険者や騎士団については問題ないよ。

 偽造冒険者は言わずもがな犯罪者だし、騎士団についても聖騎士団がいた事から、お咎めはないって」


 「偽造冒険者だったんだ……。

 でも、助けてくれて本当に助かった~。

 セバッターさん~、実際はどのくらい強いの~?

 同じBランクって言われてもBランクに見えないくらい強いよ~」


 「俺の戦闘スタイルって、槍を持って近距離に行く戦法なんだ。

 でも、足も利き腕も怪我しちゃってね……。

 娘達に教えるのも苦労したくらいだよ……」


 「娘っ!!!

 セバッターさん、結婚してたの~?

 まぁ、あんだけ……だもんね……、そりゃ~結婚くらいするよね~……」


 俺が結婚してる可能性に気付いたら、その落ち込み方……。


 そんなに俺がモテないと思っていて、付き合っていると知って落ち込むのか?

 そんなに馬鹿にしなくてもいいじゃないか……。


 「いや、結婚はしてないよ……。

 娘達は孤児を引き取って育てたんだ。

 血は繋がってないけど、大切な家族なんだ」


 その後は、娘達のことをタナさんが聞いてきたから、つい嬉しくなり沢山話してしまった。

 

 ふっ。

 ただの親バカが出てしまったな。


 交代時間まで、お互いに色々なことを話して、第4シフトの人が来たから交代した。

 

 なんか、軽く俺の事を睨んでいたけど、なにかしたかな?

 もしかして、足を踏んだとか?


 「じゃあ、また後でねっ!!」


 そう、楽しそうに言ってタナさんは帰って行った。

 家まで送ろうかと言ったところ、迎えの馬車がギルド前まで来ているから大丈夫らしい。 

 さすが、ライゼンの一家だ。

 大貴族の1つであるライゼンは、資金も豊富である。


 俺も仮眠室に帰って、寝ることにしよう。


 あっ……。

 そうだ。

 給料……。


 楽しい時間を過ごしたからこそ、給料の事を忘れていた……。

読んでくださりありがとうございます。

今週末の金曜日も2話更新を予定しております。

また、人物紹介なども作成できたらなと思っております。

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