第36話 おっさんまた石を投げる
前話のあらすじ:気絶した
……うーん。
タナさんが起きるまで暇で撫でていたら、いつの間にか寝ていたみたいだ。
なんか、よく寝てしまった気がする。
起きたら、既にタナさんが起きていた。
今の服がボロボロになってしまっていたので、暇だった時に第4師団の防具を出しておいたのを見つけたようだ。
しっかりと着替えている。
着替えた後の服は自分の魔法の鞄にしまっているのかな?
というか、服の変えとかって持っていないのだろうか?
ん?
体が非常に軽くなっているな。
エリクサーを飲ませてもらったからだろうか?
こんなに体調がいいのは久しぶりな気がする。
腫れていた肩も元に戻っている。
今なら、魔法も少しなら使えそうだ。
「あ! 起きた?」
「うん。エリクサーありがとうね。
痛みが引いているから、楽になってよくねれたよ」
「今回はごめんなさい。
たくさん迷惑をかけてしまいました……。
それに辛そうだったからエリクサーを飲ませないといけないと思っていたの……。
だから、気がついたら体が勝手に動いていて……」
「記憶がちゃんと残っているのか……。
でも、考えてみれば俺も記憶残っているわ。
俺こそ無理やり気絶させてごめんね。
本人の意思とは違うことはよくないから止めないとって思って……。
でも、エリクサーは飲ませてもらったおかげで凄く調子がいい。
痛みも引いたし、むしろ感謝しているくらいだよ」
「いや、本人の意思じゃないというか、なんというか……」
「とにかく、エリクサーを街に持って帰ろう!!
作るまでが目的じゃなくて、持って帰るところまでが目的なのだから」
ベヒーモスはまだ近くにいるのだろうか。
エリクサーを飲んだおかげで、強い魔法を放たない限り魔力機関が暴走することはなさそうだ。
初級魔法なら安定して使うことができそうだ。
完璧に成功したエリクサーって凄い効果なんだな。
これは国とかが欲しがりそうな逸品だ。
でも、グランスタンピード中でしか、作成することが出来ないため、数に限りは出てしまう。
いや、ほんとに初級魔法くらいなら制約がなく使えそうである。
これなら地上に出るのが結構楽そうだ。
今後、生活費を稼ぐために初級魔法を使えるなら凄く便利だ。
ありがたい。
「じゃあ。行こうか!!」
タナさんにまた捕まってもらって地上に出る。
今回は、詠唱を使わずとも初級魔法なので安定している。
ベルフレアから逃げるために、結構深く潜っていたから、地上に出るまでになかなか時間がかかる。
地上に出るまで約10分程度かかった。
1秒あたりに3メートルは登っていそうだから、2キロくらいは地下に潜っていたみたいだ。
ベヒーモスから逃げるために必死だったからな……。
2キロも潜ると気圧で耳鳴りとかすると思うのだが、気圧とかは平気だったな。
多分、魔法の恩恵だろう。
地上が近くなったので、一旦ストップして地下で索敵魔法を発源地をずらして使う。
同時に魔法を使うことも出来るようになったから、魔法のレパートリーも少しずつ前に戻ってきている。
索敵魔法の結果、ベヒーモスはスタンポピード発生地点付近で戦闘をしているみたいだ。
この気配は第2師団と聖騎士団かな?
しっかりと協力をしているみたいだ。
ベヒーモスともなれば当然だろう。
ベヒーモスは本当に強い魔物のため、師団メンバー、聖騎士団メンバーでも危険かもしれない。
タナさんにベヒーモスが戦っていることを伝えて、街に早く帰るべきだと一緒に街に逃げる。
っ!?!?
この気配は、特大ベルフレアの魔力か!!
ベヒーモスが身の危険を感じたのか、特大ベルフレアを放とうとしている。
魔力の集まりかたがすごい。
ああ、俺はさっきあれから逃げたんだな。
これは戦っている人たちが危険だ。
ルビーでも危ない。
何か助ける方法はないだろうか?
エリクサーで初級魔法は使えるようになったが、強い魔法は使えない……。
でも、弱い魔法でも工夫さえ出来れば……。
工夫……?
工夫……。
弱い魔法を工夫する?
さっき、魔法障壁を何枚も貼った時のことを思い出す。
初級魔法でも多重魔法として、何回もかけたら強いのではないだろうか。
落ちていた拳大サイズの石に雷魔法を何重にもかけていく。
「セバッターさん? 時間もないよ~。
それはなにしているの~?」
「直ぐに行くからちょっとだけ待って!」
時間がない。
初級魔法だが、雷魔法の魔法陣が球体型になるよう幾重にも魔法をかけた。
普通に身体強化しても間に合わないだろう。
雷魔法を右手に纏って、ベヒーモスの顔に向かって石を投げつける。
ヒュン!!!
属性強化をしたから、結構な速度出たな!!
よし、コントロールはいいみたいでベヒーモスの顔にちゃんと当たりそうだ。
そして、ベヒーモスがベルフレアを放とうとしている瞬間に顔に直撃して、ベヒーモスが軽くよろめいた。
石が下から当たってベヒーモスの顔をむりやり上に上がったみたいで、ベルフレアはその影響で空に撃たれた。
予想した結果だったが、上手くいくとは思っていなかった。
ふう。
後はルビー達で、何とか出来るだろう。
特大ベルフレアは撃つのに、クールタイムという少し放てない時間があるから、次のベルフレアまでに倒してくれれば平気だ。
その後は、時たま索敵魔法を使いながら、タナさんを連れて街に帰る。
気配的にどうやら、無事にベヒーモスは倒す事が出来たようだ。
魔力的に怪我人はいそうだけど、死人はいなそうだな。
さすが、師団メンバーと聖騎士団のメンバーだ。
そういえば、騎士団メンバーはどうなったのだろうか。
タナさんのことが聖騎士団にも騎士団にも伝わっているはずだ。
だから、何もお咎めがないということはないはずだが……。
死体は森に放置してきているままなので、連絡をして取りに行ってもらわないとな。
とりあえずは、急ぎエリクサーをタナさんが届ける必要がある。
キールの街について、門は顔パスだった。
まあ、緊急時くらいはそうゆう対応になるよね。
でも、緊急時に悪さをしようとする人も多いので、気をつけて欲しいところではある。
読んで下さりありがとうございます。
なんと、評価をたくさんいただきました。
日刊ランキングに入っておりました。
本当にありがとうございます!!
これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします。
※一旦、改訂が終了いたしました。
世界観を変えずに以下の点を修正いたしました。
・文法
・セイン ギルドマスタ → 周りに支えらがらギルドマスター
・リン ギルドマスター → 臨時ギルドマスター
・主人公 前世の年齢記載なし → 20歳の大学生




