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第34話 おっさん押さえつける

前話のあらすじ:死に物狂いで逃げた

 ベヒーモスは特大級のベルフレアを放ったからか、さすがにもう追ってくることはなかった。

 でも、ここまで追いかけてくるような魔物じゃないはずなのにおかしいとは思う。


 そのまま、油断せずに移動してベヒーモスから10キロくらい離れた。


 そう。

 さっき、俺が索敵魔法の発源地として設定したポイントだ。

 ベヒーモスも自分が行った場所に俺たちがいるとは思わないだろう。


 「あー、死ぬかと思った……」


 「本当に死ぬと思ったよ~。

 セバッターさん凄いね。

 私これでもギルド職員だから、同じBランクなんだよ?


 セバッターさんも同じランクのはずなのに全然ピンピンしているし……。

 あの神級の魔物のベヒーモスから逃げ出してみせるし……」


 「まぁ、無駄に歳食ってるだけあるかな?

 さあ、エリクサーを作ろう。

 ここからが、大事だ。

 もう、取ってから10分が経過しているから、残り時間は50分だ」


 そう、ここまではあくまでエリクサーの足りない素材を取ってきただけだ。

 ここから、エリクサーを作る工程があり、ここからも難関だと思っている。


 確かエリクサーの作成難易度はSランクの筈だ。

 ギルドランクと同じだと思ってもらえればいい。

 ということは、相当難しいハズである。


 タナさんは、自分の鞄から材料を手際良く出していく。

 普通、Sランクの調合はおじいさん、おばあさんじゃないと出来ないほどだと言うのに、この子はこの若さで出来るようだ。


 それを、裏付けるかのようにタナさんの手際がすごく良い。


 俺は特に手伝うこともないので、見ているだけだ。

 空気でも循環していようかな?

 

 ん?

 あ、だんだん体が動かなくなってきた。


 左手で魔法をメインで使ったとはいえ、たくさん魔法を使ってしまったからな。

 あんなに魔法障壁をたくさん貼ったのは初めてである。

 昔は魔力に物を言わせて、1枚強い魔法障壁を貼っているだけだったからな。

 今回のあの使用回数からして、結構な魔力を使った筈だ。


 ついでだが、大剣を準備していたのは、もちろん直接戦う事が出来るのも理由の一つである。

 しかし、今回で言えば、魔力を武器に乗せることで、魔法は切れたりする。

 もちろん、魔法の強さによって難易度も必要な魔力も段違いになるけれども。

 だから、最悪は俺が大剣でベヒーモスを引き受けることも可能だったと思う。


 勝つことは出来なくても、時間稼ぎなら出来ると思っている。


 「もう少し待ってね〜。

 あと少しだから。

 あとは、ダマスカス草とグラン草、エリクサ草を入れるだけ。

 でも入れたら多分危ないから任せたよ〜」


 待って!!

 まだ何も抑える案を出していないと言おうと思ったら、もう既に時遅しだった。

 全ての素材をすり鉢の中に入れて調合していた。


 ドラゴンの牙とか、他にもたくさんあった素材はすり鉢の中に入れて調合されている。

 量的にエリクサーが20~30本程度だろうか。

 

 ミクヴァの資料にも書いてあったから、これからタナさんが危なくなるのだろう。

 

 最悪、俺が逃げてもありだと思う……。

 あれ?

 俺、対抗できるの?

 体動かないんだけど……。


 まぁ、タナさんが欲情したとしても、おっさんに欲情するとは限らないから大丈夫だと信じたい。


 「あれ〜?

 なんだか。頭がふわふわ~してきた~。

 セバッターさ~ん」


 ん?

 まさか……。


 やばい、タナさんが近寄ってきた。

 とりあえず、言葉で応対だ!!


 「待って!

 今、調合やめたらエリクサーが完成しないよ。

 どうしても、作りたい理由があるんでしょ?」


 「う~ん。

 そうなんだけど~。

 お父さんが怪我して、お母さんが寝込んでから、ずっとエリクサーだけを見てたから、のんな感覚始めて~」


 やばい、ダメなやつかもしれない。

 なんとか、左手を動かして痛み止めと麻酔薬を飲むことにする。


 副作用が大きくなるから、1日に何度も飲んだらダメなんだけどな。

 でも、つべこべ言っている状況じゃない。

 何より、ここでエリクサーを完成させなかったら、今までのタナさんの努力が無駄になる。

 

 それは、一生付き纏ってくるくる内容だと思う。

 家族を助けたいのに助けられないとか、辛すぎるだろう?


 「タナさん、ダメだ。

 大切な人を守るって決めたならやり遂げないとダメだ!

 今ここで諦めたら、絶対に後悔する。

 俺はそんな思いをした事があるから気持ちが分かる。

 タナさんがここで調合をやめたら、絶対にずっと後悔すると思う。

 だから、今は調合だけを頑張って」


 そう言って、俺に抱きついてきたタナさんをお姫様抱っこで調合場所に戻す。

 薬の効果が早くて助かった。


 そして、後ろから抱きしめながら調合するように促す。

 

 ここで、やめたら絶対後悔するんだ。

 当時師匠を助けられなかった俺がそうだったから分かる。

 本当に人生が狂ってしまうほど、ダメなやつだ。


 タナさんが理性とのせめぎ合いをしながら、なんとか調合が終わったみたいだ。


 エリクサーはピンク色が完成品である。

 覗き込んでみると、ちゃんとピンク色のエリクサーがすり鉢の中に溜まっていた。

 どうやら、完成したのだろう。

 もしかしたら、家族を助けたいというタナさんの純粋な気持ちが伝わったのかな。


 ふう、なんとかなったか。

 一時はどうなるかと思ったよ。

読んで下さりありがとうございます。


本日二度目の更新です。

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