第31話 おっさんエリクサーについて理解する
前話のあらすじ:ベヒーモスから隠れることに成功した
一旦、エリクサーについての内容が問題ないか、タナさんに念のため確認を取る。
「はい、ありがとうございます。
でも、エリクサーとはそうゆう物だったのですね。
他の病気にもなんでも効くと言われていたので、ただの万能薬だと思っていました……。
それに加えて、媚薬のような効果があるということは、飲んだ後に押さえつけるか、気絶がさせる必要がありますね。
それにしても、セバッターさんよくミクヴァ言語が読めますね。
古代語のため覚えたくても教材もないですし、使う機会もないと思っていたので……。
それに最近ではミクヴァの事は都市伝説だと思っている子も多いので」
「でも確かに覚えていて、得あるという状況には殆ど陥らないとは思うから、確かに最近の子達の考えも理解はできるかな。
実際、周りにはミクヴァの時代の物など全然残っていないから、存在確認も難しいからね。
俺はたまたま師匠が押してくれたから、覚えているけど本来なら絶対に覚える気がなかった。
じゃ、続きを読むよ」
師匠は、なぜだか知らないけど、ミクヴァについて詳しかった。
「手順を以下に記載する前に、必要な物を以下に記載した。
・レッドドラゴンの髭
・ワイバーンの牙
・チョリッパーの鎌
・ブラックドラゴンの牙
・ブラックスライムの核
・すり鉢
・すりこぎ
・真水
・聖水
・25ミリリットル用の小瓶
・エリクサ草
・グラン草
・ダマスカス草
次のページからは作り方を書いてあるな。
これらの物がエリクサーを作るのに必要みたいだけど、持っている?」
「ダマスカス草は予想外ですが、他の調合にも使うこともあるので持っています。
他の材料も基本的に持っています。
エリクサ草はスタンピードの発生地点なら魔力が濃いから咲いていると思いますし、グラン草も魔力が濃いところに咲いているはずです。
でも、まさかグラン草とダマスカス草も同時に入れるとは思っていませんでした。
だから、今までのエリクサーは試行錯誤されていて、時たま質がいいのが作られていたのかもしれないです。
グラン草はよくわかりませんが、ダマスカス草はよく媚薬の調合に使われます……。
あっ、私が作った事はないから、詳しく知らないの。
今回、本当にどうしてもエリクサーが必要なの……」
「わかった。
エリクサーの完成方法は、読んでみれば分かるさ。
エリクサーはエリクサ草だけを入れがちになってしまうが、それだけでは効果が薄いのだ。
グラン草とダマスカス草、そしてエリクサ草を混ぜることによって、効果を高められるのだ。
ダマスカス草は、媚薬に使われることで有名だが、性的興奮を高めることが出来るのだ。
エリクサ草は生存本能を高める事が出来るのだ。
そして、何より重要なのがグラン草である。
なぜなら、グラン草は単純に効果を極限にまで高める事ができる希少な薬草だ。
そのため、ダマスカス草の媚薬の効果とエリクサ草の生存本能をグラン草が極限にまで高める事が出来るのだ。
それによって、エリクサーが完成する。
しかし、作成時には以下の注意事項がある。
エリクサ草は魔力が濃いところにしか生えていない事から、魔力が薄いところに行くと約1時間で枯れてしまう。
そのため、それまでに調合する必要がある。
また、調合時は魔法を使ってはいけないという珍しいタイプの薬草である。
ダマスカス草は調合中に煙が出るタイプの調合だった場合は、媚薬の効果が調合者にも出てしまう。
風魔法で空気を常に循環し続けないと、調合者が媚薬の効果で調合を続けるのが困難になってしまうのが、ダマスカス草の特徴である。
また、ダマスカス草の調合時は異性が一緒にいないと効果が出ないため注意が必要である。
グラン草はその名の通り、グランスタンピードの時にしか咲かない草である。
実はこのグラン草が一番珍しい草である。
このグラン草は普通のスタンピードでは咲かない。
そして、効果を極限にまで高めるという力を持っているだけあり、発現した地点から取ってから約1時間で枯れてしまう。
実はこのグラン草とは神様の奇跡とも呼べれており、咲くわけではなく発現をするのだ。
そして、上記注意事項をまとめると、
エリクサー調合時は極限にまで高まった媚薬の効果が出て来るので、それに耐えながら、
グラン草とエリクサ草の両方を取ってから1時間以内に作成する必要があるという事だ。
また、調合時は異性が必要である。
……って書いてある」
「……ありがとう」
気まずい。
非常に気まずい。
でも、本当のことを伝えないわけにはいかなかったので、ミクヴァに書かれていたことをほぼそのまま伝えた。
と言っても俺の解釈が間違っていた可能性はある。
「俺の解釈が間違っていたかもしれないからもう一度読むから待ってて……」
とタナさんに伝えて最初から読み返したが、内容は変わらなかった。
どうしよう。
何か他に方法ないかな?
ミクヴァの資料の他のページなどをペラペラめくったり、索引から調べてみるがいい方法が見つからない。
タナさんは考えてこんでしまっているのか、固まったままだ。
まあ、この内容を聞けばそれは固まるよね。
だって、調合時に媚薬を飲んでいるのと同じで、異性も必要って事は相当危険である。
男性側はどこまで離れていても平気なのかな?
近くにいないとダマスカス草の効果がなくなるとか、そのような危険はないのかな。
ダメだ、調合に詳しくない俺はわからないから提案することも難しい。
あくまで一意見として話す事はできるが、テストをする余裕がない状況では確実性を取るべきだろう。
「私、覚悟決める」
え?
そこまでなの?
むしろ、俺が覚悟を決められないのだけど……。
「お願い、セバッターさん。
私、どうしてもお母さんを助けたいの。
だから、力を貸して」
……。
どうでもいい理由なら、断ることもできると思う。
しかし、タナさんの親の命が関わっているとなれば、断ることが果たしてできるだろうか?
俺にはできない。
お世話になった人が困っているのだ。
それにここまで助けに来た。
なら、俺も腹を括るのが男だろう。
「タナさん、わかった。
事情はよくわからないけど、俺も手伝うよ。」
読んでくださりありがとうございます。
更新が滞ってしまって申し訳ございません。
またいただいたご指摘に対してまだ対応できておりません。
いただいたご指摘に関しては世界観が崩れないようでしたら、その点を修正していきたいと思っています。
ご指摘いただいた方ありがとうございます。
みなさまにより内容をわかりやすく楽しんでもらえるように精進いたします。
今後とも宜しくお願いいたします。




