第30話 おっさん音読をする
前話のあらすじ:お礼を言われて焦る
すごく焦ったが、一旦落ち着いて野菜炒めを食べることにする。
なんだかもっと栄養があるものを渡せたら良かったのだけれども、他に何も持っていないためしょうがない。
見栄を張ることすら出来ないのだ。
「これ美味しいね〜!
セバッターさんごはん作るの上手いんだね〜!」
「野菜炒めだけ得意なんだ」
1ヶ月も野菜炒めだけを食べていれば、基本的に誰でも上手くなるものだ。
恥ずかしくて、ネタとして提供する時以外は話せない内容だ……。
もし、娘達が聞いたら心配して怒られてしまいそうだ。
ご飯という名の野菜炒めを食べながらエリクサーについて確認をする。
もし、無理をして取りに行っても作れませんでした、じゃ笑えないからな。
「タナさんはエリクサー作れるの?
俺エリクサーって全然知らないんだよね。
大戦時によく使われたってことは知っているけど、良く効いたって人もいたし、全然効かなかったという人もいたんだよね」
「一応は調合は出来ると思うし、そのための訓練は詰んできたから平気なの。
実は調合士の中では有名な話だけど、エリクサーって現代に調合方法が伝わっていないの。
色々な資料があるけど、完璧なエリクサーを完成させた者が今までいないの。
今は最近作成された中で効果が一番強いと言われている作成方法で調合をしようと思っているの」
そういうことか。
現代に作成方法が伝わっていないのか。
現代の前の時代の方が実は魔法が栄えていたみたいだ。
その時も大きな戦争が起きて、文明が落ちてしまったらしい。
ついでにこの戦争も悪神が原因だったみたいで、ぶっ飛ばした時に確認した。
今よりも、もっと優れた知識があったらしく、今の人類はその生き残りと言われている。
ん?
現代に伝わっていない?
師匠に貰った物が使えるのではないだろうか……。
俺は亜空間から、師匠から引き継いだ、六法全書のような大きなの分厚い辞書を取り出す。
師匠が亡くなった時に貰った物だから遺品の一つということで今まで触ってこなかった。
多分、これならエリクサーについて載っていると思う。
師匠曰く、これは探し物に向いていないほど、細かすぎるらしい。
「これって、やけに大きくて、古そうな物ですけど、なんですか?
それに、考えてみたら魔法の鞄以外のどこから取り出したんですか?」
「ああ、これはミクヴァ時代の遺物と言われている辞書だよ。
言語もミクヴァ言語で、過去の辞書だと思ってくれれば良いよ」
「ミクヴァの時代の物……。
本当に存在をしたのですね……。
噂だけしか知らなかったので、当時の物なんてどこにも残っていないですよ……。
国や他の人にバレたらとんでもないことになってしまいますよ……。
私に見せて良かったのですか?」
すごいタナさんが恐縮してしまっている。
確かにミクヴァの事は今の時代に残っていなさすぎて、噂になって都市伝説みたいになっている。
なんで、師匠がミクヴァについて詳しいのかは謎だが、役に立つタイミングがやってきた。
ミクヴァの辞書を開いてみる。
索引が長い。
細かすぎる。
エリクサー……、エリクサー……。
お、あった!!
エリクサーのページを開いてタナさんに見せる。
「はい。
これがエリクサーについてだよ。
軽く見た感じ細かく書いてあるし、これなら材料さえあれば作成出来そう?
にしても、索引も長かったね」
「……、ごめんなさい。
私ミクヴァ言語は読めません。
というか現代で生きているの殆どの人が読めないと思いますけど、もしかしてセバッターさん読めるの?」
「うん。
俺の師匠に教えて貰ったから、読む事は出来るよ。
じゃあ、俺が俺なりの理解で読み上げていくから、わからないところがあったら聞いて。
結構細かく書いてあって、わからない単語とかもあるから、俺なりの解釈だから調合士として何かあったら聞いてね。
エリクサーとは、魔力枯渇病、体力枯渇病、黒点病などの世界的に発生する可能性がある難病を治すための治癒薬のことである。
使用方法は、25ミリリットルを一度に飲み干すことでいい。
消費期限などは存在しないが、作成時には期限があるため良く注意する事。
2度目を服用する必要はなく、現在かかっている上記の病気などに効果がある。
しかし、服用後にかかった病気については効果がないことが立証されている。
使用後、1時間は安静にすること。
当日はお風呂なども控えさせること。
使用上の注意。
エリクサ草をつかっていることから、エリクサーと名付けられた。
しかし、ちゃんとしたエリクサーは副作用として、1時間程度媚薬に似た効果を持っている。
そのため、安静にさせる目的から気絶させることをオススメしている。
なぜ、媚薬の効果があるかというと、生存本能を高めることが重要である。
魔力枯渇や体力枯渇といった病気を治すには人間が持っている自己生命力が必要となる。
本来なら自己生命力で回復するが、この枯渇病は栓が閉まってしまったかのように、自己生命力が閉じ込められている。
これをエリクサ草の効力と、生存本能を高めることによって治すという訳だ。
しかし、エリクサ草には生存本能を高める効力はない。
そのため、以下手順に記載する。
ふう。
ここまで、大丈夫?
内容については理解できる?
あくまで俺の解釈を伝えているだけだから、もしわからないところとかあれば言ってくれれば再度確認をするよ」
「いえ、わかりやすいです。
調合した事ないってセバッターさん言うけど、本当に調合経験ないの?
調合について知識持っていそう。
問題ないから、その先を教えて。
ここからが特に重要で、作るために聞かないといけないの」
どうやら、しっかりと伝わっているみたいだ。
良かった。
調合は難しいから俺は苦手だ。
さて、一呼吸を置いてから、次の内容を説明するかな。
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