第27話 おっさん落ちる ※改訂済
前話のあらすじ:空をすごい速度で飛んだ。
※2018/9/2 改訂
空を飛んでから、3分も経たないうちにタナさんが見えてきた。
リンさんは何とか気持ちを立て直してはいるが、体がガッチガッチに固まっている。
それでも、ギルドマスターか?ロッグウッドのおばさんはもっと凄かったぞと叱りたいところではあるが、ここで叱っている時間はないため、放置する。
残りが3キロ程の距離にまで近づいてきたが、どうも偽造冒険者だか騎士団の奴らにタナさんが襲われかけている。
多分、俺が索敵魔法をかけた時から襲われ始めて、何とか抵抗をしていたみたいだ。
男たちもタナさんもボロボロの姿だが、タナさんは剣も杖も壊れており、剣を突きつけられているから脅されているのがわかる。
そして、格好もボロボロで、ほぼ下着姿だ……。
白か…なんて言っている場合ではなく、下着にも手をかけられた。
やばい、この下衆め!
時速500キロで飛んでいるとしたら、秒速に直すと約140メートルだ。
そのため、常に座標が変わり続けているため、狙いを定めのに時間がかかる。
慣性の法則を意識して、投げるっ!!!
槍は500キロの速度に、投げた速度が加えて相当な速度で下衆を撃ち抜いた。
見事にヒットしたみたいで、内臓も飛び散らかして吹っ飛んで行った。
グロっと思いながら、よく見ると2人撃ち抜いていることがわかった。よし、ダブルヒット!!
あと8人だ!!
残りの奴らが逃げてくれれば救出が楽になり良いけど、もし逃げなかった場合は、命がけで襲おうとするか殺そうとするだろうから、早くしないと逆にタナさんが危険だ。
このまま、着地地点からすぐに飛び出せるよう、亜空間から大剣を出す。
槍以外を使うのは久しぶりだから鈍っていないか不安なところではある。
あと、1キロといったところで、5キロくらい離れた方向から巨大な魔力反応を感知した。
この魔力の大きさからして、相当大きい魔法だ。
もしかして、神級の魔法かもしれない。
その場合、リンさんが耐えきれるかギリギリといったところか……。
魔力が集まった時点で反応できなかったのは、やはり感覚が鈍っている証拠なのかもしれない。
魔法障壁を何重にも球体型で貼っていく。
せめて、ボールみたいに弾かれれば、リンさんも守ることが出来ると思う。
魔力から魔法陣に変換されて、魔法が発動された。
ベルフレアか!!
ベヒーモスが放つ神級魔法で神をも殺すことが出来るということで、ベルフレアと名付けれた炎弾である。
ついでにクールタイムは相当長いが、ベルフレア一つで街一つが消し飛ぶ。魔法を放つ奴を少し見てみると、ベヒーモスがいた。
かつて、ベヒーモスは倒したことがあるが、まさかスタンビードでベヒーモスが発生するなんて思わなかった。
落ちている財布を届けたら総理大臣の財布でした、というくらいのありえないことである。
なぜなら、ベヒーモスは神がいる神域を守っている魔物だから、数も少ないし自然には発生しないからだ。
次の瞬間、ベルフレアに直撃する。
吹っ飛ばされて、木にぶつかってはへし折ってを繰り返しながら、地面に墜落した。
魔法障壁のおかげでスーパーボールのように弾かれたようだ。
多分、速度が出ていたことで完璧な直撃ではなかったみたいだ。
しかし、リンさんは伸びてしまっている。
左手でリンさんを抱え、大剣を右手で持ち直す。
タナさんまで1キロという距離は変わらない。
ベヒーモスからの距離は5キロ。
ベヒーモスが来るまでに片をつけて、隠れるか逃げるかをしなければ、今の俺では蹂躙されてしまうだろう。
その場合、リンさんもタナさんも助けることができない。
想像できる最悪のパターンである。
「……いや、やめて!」
やばい!!
タナさんの叫び声が聞こえてきた。
同時にすごい勢いでベヒーモスがこっちにやってきた。
タナさん達はどうせ逃げないと分かっていたから、あとで追い詰めるつもりだったのだろう。
でも、新しくやって来た俺たちは先に対応するつもりなのだろう。
それほど、ベヒーモスは頭が良く、ずる賢い。
タナさんを見ると、俺たちがベヒーモスに攻撃を食らっているこの一瞬の隙に下着も破かれてしまったみたいだ。
もう、時間がなさすぎて、助け出す方法を戸惑っている暇はない。
正体がバレる恐れはあるが、緊急事態だからしょうがないだろう。
襲ってる奴を処理してから直ぐに周りも処理しよう。
大剣を右手で構えて、襲っている奴に投げつける!!
そこそこの速度は出ているだろうが、多分意識しているだろうから、防がれるかもしれない。
大剣がたどり着くまでの僅かな時間にリンさんを抱え直す。
ガン!!
やはり、つい先程に2人殺されていることから、攻撃が来ることは意識していたみたいだ。
背中に背負ってあったと思われる、大きな盾を使って守っていた。
しかし、タナさんから一歩離れざるを得なかったみたいで、僅かな隙間ができた。
いい盾を使っているみたいだが、盾は半壊状態だ。
無詠唱で近距離転移魔法を発動する。
転移の目的地は大剣だ。
大剣を投げて、そこに一瞬で転移して連撃を仕掛けるのを子供の頃から得意技としていた。
そのため、久しぶりでも問題なく使うことが出来た。
次の瞬間には、右手に弾かれた大剣を持っている状態でタナさんの前に移動した。
そして、そのまま踏み抜き横に一閃する。目の前の敵は上半身と下半身がサヨナラをしたようだ。
タナさんの貞操はギリギリで守れたみたいだ。
リンさんをタナさんの横に降ろして、第4師団のマントを取り出す。
他には一瞬で姿を隠す服がないから、マントを身につけてもらうしかない。
あとで他の服を渡そう。
一瞬でタナさんを抱えて、マントで瞬時に包む。
そして、リンさんの横に降ろす。
大剣を弾かれてから、わずか5秒程度の早業だ。
「え、え、なんで?」
「ギルドマスターと待ってて。処理してくる」
状態が把握出来ていないようだが、ベヒーモスが着実に近付いて来ている。
時間をかけてしまうと危険なので、騎士団と偽造冒険者に構っている時間はない。
というか、こいつらは生きることを諦めているのだろうか。
よくわからないな。
とにかく、ベヒーモスは第2師団と聖騎士隊が集まれば倒せると思うが、今の俺では無理だ。
「おいおい、なんだよお前。これから、お楽しみタイムを……」
話を聞くだけ無駄なので、距離を詰めて切り伏せる。
大剣は手入れはしていたが、相変わらずいい切れ味をしている。
骨まで綺麗に断つことが出来ているだろう。
残りの奴らも早いところ片付けよう。
「おい。やばいぞ、こいつ。なら、魔法で……」
魔法を使われても面倒だから、近距離転移で目の前に飛び、切り伏せる。
血糊がついても振り払うだけで綺麗になるし、血糊がついていても切れ味が大差ないほど、スパッと切れる。
そのまま、直ぐに次の人に距離を詰めて切り伏せていく。
もう、ベヒーモスが来るまで時間がないし、俺の活動限界も近い。
さあ、次々行くぞ!!
読んで下さりありがとうございます。
修正と新しい話の執筆の同時作業に予想以上に時間がかかってしまっており、今週末までに全ての話を修正することが難しそうです。
今後、時間を見つけて修正を続けて行きます。




