第22話 おっさん街に馴染む ※改訂済
前話のあらすじ:まだギルドマスター室でやり取りがあったみたい
※2018/9/1 改訂
あれから、何事もなく3週間が経った。
無事に仕事もなれ、受付も教えて貰えたため一通りの仕事は1人で出来るようになった。
タナさんは先週から教育担当から外れて、別の仕事を担当している。
もう、一人前でしょと判断をしてもらった訳だ。
評価をしてもらっていると思って、期待を裏切らないように頑張りたい。
タナさんは一緒にいると目の保養になるとは思うが、周りからの視線が痛いため、ある意味気が楽になった。
そういえば、タナさんとギルドマスターは今日から学園に戻ると言っていたな。
だから、ギルドマスター室には誰もおらず、基本的には副ギルドマスターが対応をする事になるだろう。
そう!
実は期限が1週間だったところを、延長をしてもらえて1ヶ月仮眠室を使ってもいい事になり、あと1週間猶予があるのだ。
とても嬉しいことであるが、給料の前借りはさせて貰えず、本当に3週間野菜炒めしか食べてこなかった。
時々、食堂のおばちゃんに他の物を食べさせて貰えたり、タイラーさんにご飯を奢って貰ったため、無事に生きている。
調味料も飲み物も、そろそろ底を尽きるため、明後日の給料が楽しみだ。
実は明後日が給料日であるため、俺は今でさえウキウキしているのだ。
初任給とはこんなにウキウキする物なのだな。
楽しみすぎて、思わずステップを踏んでしまいそうだ。
「セバッターさん、楽しみそうだね」
「やっと初任給だからね。仮眠室暮らしも慣れてきたけど、初任給出たら部屋探しもするんだ!」
「あはは! そうだったね。馴染み過ぎてて忘れてたけど、家探しもしないとだもんね。
でも、例年だとスタンピードがそろそろ始まるから、今が1番混んでるんじゃない?」
「うげ……。そういえば、益々混んできたなーとは思ってたよ……」
いや、本当にタイラーさんは爽やかイケメンである。
なんと、タイラーさんは今年学園を卒業したばかりの新卒との事だ。
本当に若いし、なんだかんだ相当強いらしい。
この3週間でシフトが一緒の事も結構あり、軽口を言い合うくらいには、仲良くなる事が出来た。
そういえば、スタンピードは、そろそろ始まると言っていた気がする。
確か例年では、あと1週間くらいかな?
グランスタンピードでさえなければ、師団のメンバーが派遣される事もないらしいが、なぜ派遣されないようになったのだろう。
俺が第4師団に入っていた頃も、率いていた頃も常に各地に出向いていた…。
ああ、思い出すとあの頃は忙しかったな…。
「それなら、給料日はご飯でも行く?」
「行きたいんだけど、明日、明後日と第3シフトなんだよね。
でも、次の日から2連休だから、その日に家探しをしようと思ってる」
「それじゃあ、しょうがないね。
家が見つかったら遊びに行くよ。
そういえばセバッターさんの教育担当だったタナさんだけど、冒険者と何か契約してたらしいって噂なんだけど、何か知ってる?」
「いや、知らないな。
強い人を探しているとは前に聞いたけど……」
「そうだよね。
僕も前に聞かれたけど、今は武器もメンテナンス出してるから、まだ戦えないって言ったんだ」
今週の予定は以下の通りだ。
今日:25日、第1シフト
26日、第3シフト
27日、第3シフト
28日、休み
29日、休み
30日、第1シフト (スタンピード予想日)
スタンピークは月末に来るのが、例年らしい。
そのため、今回も月末に来るだろうとのこと。
家の期限についてだが、1日にこの街に来たため、30日が期限の1ヶ月になってしまう。
さすがに1回延長してもらったので、2回目は難しい。
なにがなんでも探さないと、この街から異動しなくては生きていけない……。
異動するのもしょうがない事なのかもしれないが、できれば移動はしたくない。
それに、タナさんが冒険者と契約か。
今の冒険者達は、基本的に契約をしっかりと守るから大丈夫だとは思うけど……。
その後は、他の人たちと雑談をしながら仕事をこなして無事に業務を終える。
あー、しっかり働いた〜。
でもセインが言っていた依頼とかも、まだ連絡がないため休日は、街をぶらついたりして休日を満喫している。
休日って素晴らしい!!
「お疲れさまです。お先に失礼します」
次のシフトの人たちに挨拶をしてから、仮眠室に行くことにする。
受付の人から、偽造ギルドカードが流行っているから、確認を怠らないようにとだけ連絡があった。
いやいや。
偽造ギルドカードは昔から言われていたけど、偽造はほぼ不可能である。
ギルドカードは、本部の特別な魔道具で作成をしており、それを各支店で情報を書き込むという形だ。
もちろん、情報は本部の魔道具に集まるため、偽造の場合はすぐに判明する。
それに、ギルドカード自体の偽造も見た目ですぐにわかる。
なんて事を思っていると、自分の仮眠室に着いた。
もう1ヶ月近くにもなれば、この部屋まで来るのも慣れた。
5階の1番遠くの部屋でも慣れれば、近く感じる物だ。
人間とは慣れる生物だと、前世で学んだが本当にその通りだな……。
仮眠室についてドアを開けると、来た頃と殆ど変わらない見慣れた部屋がそこにある。
だって、お金もないからなにも買えないし、特にする事もないため、借りた本を読んでいたくらいだ。
さて、いつも通りご飯(野菜炒め)を作るかな!
もう、プロにでもなった気持ちで野菜を取り出して炒めていく。
1ヶ月近くも作っていれば、野菜炒めくらいは上手くなったかもしれない。
ご飯を食べてから、暇過ぎて亜空間から当時の武器と防具を取り出す。
師匠に認めて貰って手に入れた槍。
師匠の忘れ形見である大剣。
シルフィード家に伝わる大剣。
黒地に赤と金がのラインが入った防具一式。
第50代と記載された雷帝のマント。
第4師団のマント。
シルフィード家の正装。
ついでに、師匠の忘れ形見の槍はセインに渡した。
当時は、俺よりセインの方が槍は上手かったため、セインが引き継いだ方が良いと思ったからだ。
武器も防具も魔道具の良いもののため、当時激しい戦闘をしたが、刃こぼれや傷などはついていない。
というか、ついてもある程度は直るようになっている。
魔法の力は偉大である。
しかし、綺麗だとしても愛着があるため、掃除用のタオルなどを出して磨いていく。
なんだか、落ち着くね。
当時は師匠には色々と世話になったからな。
天狗になっていた俺をコテンパンにしてくれて、弟子にしてくれた。
弟子は俺とセインの2人だけだけど、師匠の流派は俺は娘達に引き継いだ。
槍は間合いさえあれば強い武器だ。
逆に間合いが短くなれば、大剣が有利で、もっと短ければ普通の剣、もっと短ければ短剣が有利である。
逆に遠くなれば弓矢などが強い。
この世界では火器は流行らなかった。
銃などを作ったとしても、身体強化や魔法障壁の前では役に立たなかったからだろう。
その後は磨き終わった武器と防具をしまって、久しぶりに武器と防具の当時の出来事に想いを馳せながら眠りについた。
読んで下さりありがとうございます。
ブックマークしていただいている方、ありがとうございます。
読んで下さっている方ありがとうございます。
週末にあらすじと今まで上げている内容の修正をしたいと思います。
時間がどの程度とれるか怪しいところではありますが、可能な限り修正をしたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。




