第21話 おっさん聞こえないふりをする ※改訂済
前話のあらすじ:暴れている人を捕縛した
※2018/9/1 改訂
取り調べをしている会議室に戻る事もなく、2階のギルド職員室で業務をこなす。
タイラーさんには後で謝っておいた。
本来なら捕縛した俺が対応をしないといけないところを、タイラーさんが全部対応をしてくれた。
謝ったところ、「いいよー!!」と爽やかに挨拶をしてくれたので、本当に良い人だと思う。
イケメンすぎて、確かに女性陣に人気があってモテモテだと言われても納得である。
タイラーさんやタナさん、食堂のおばちゃんとこの街は優しい人が多いなとしみじみ思う。
捕縛した場合、どのような罪なのか、日時場所はどこかなど詳細書を記載しないといけない。
タイラーさんは、誰が捕縛したか記載する欄には、セバッターと記載をしてくれたみたいだ。
非常にありがたい。
多分、意識しないでしてくれたことなのだろうが、俺としては本当に助かる。
その後、何頃もなく業務をこなしていく。
いや二日目だけど、そこそこは仕事ができるようになってきていると思いたい。
「ねぇ〜、セバッタさん?
ランクはBって言ったけど、実際はどのくらい強いの〜?」
昨日の事などまるでなかったように、タナさんが聞いてきた。
いや、別に俺に直接なにかあった訳ではないけど、ギルドマスター室から飛び出してきたのだ。
なにかあったのだろう。
藪蛇だと思うからなにも聞かないようにしたいものだ。
ここで、本当のことを言う訳にもいかないし、技能だってカンストしてるとバレたらとんでもなく面倒なことになりそうだ。
でも、嘘を言うとか隠して魔道具とかで嘘発見機みたいなの使われていたら、正体がバレる恐れがある。
答えるフォーカスを絞って答えるしかないな。
例えば、嘘は言わずに一部の本当のことを言って、当たり障りのないことを言ったりなど。
「んー、ステータスは大体レベルが70くらいの人と同じくらいですよ。
技能ももっと上げたいとは思っているんですが、私には難しくて……。
タナさんはギルド職員になれてる程だから、学生さんの中でも優秀なんですか?」
ステータスだけでいえば、70代である。
それに技能ももっと上げたいところではあるが、限界に達しているため、難しいというのも事実ではある。
このまま、質問されると危険だから、いかにも学生事情を知らない風に、話題を反らすために逆に聞いてみた。
というか、娘達から軽くは聞いているが深くは知らないし、学園によって平均も異なるだろう。
今後のことを考えると、第三者目線の知識を身につけるチャンスかもしれない。
「そうですね〜。学生の中では高い方かも知らないけど、もっと強くならないといけないの〜。
強い人大募集中。とにかく、強い人見つけたいの〜」
……やばい。
これは地雷だ。
2日目にして、踏んではいかない話に踏み込んでしまった。
気がつけば、タナさんの目がマジだった。
獲物を狙う動物のような目つきをしている。
本当に不味いことになってしまった。
「さっきのセバッターさんの動き見てたんだけど〜、まだBランク以上の動きが出来るんじゃないかな〜?」
「実はそうでもないんですよ。
当時は槍を使っていまして、利き腕の右腕と足をやってしまったため、まともに動けなくて……。
さっきのは、近距離だったから少し動けただけで、遠距離は行動が……」
「そう……ですか……。わかりました〜」
凄く名残惜しそうな顔をしながら、渋々分かって貰えたみたいだ。
実際、魔法もまともに使えないし、剣も槍もまともに使えない、行動も制限されている状況だ。
そんな人に頼るくらいなら、もっと強い人なんて沢山いるだろう。
実際に動けない人や足手まといの人を連れて行くと、むしろ自分たちが危険にさらされてしまう可能性が高い。
タナさんもBランクということで、上級者だからわかっていることであろう。
その後は少し気まずい雰囲気が流れつつも無事に業務が終わった。
挨拶をしてから、ギルドマスターのところへ給料を前借り出来ないか確認してみることにする。
ギルドマスター室に着くと、中から大きな声が聞こえた。
「……だから! それじゃ……合わない! 強い人を……よ……な……ダメ!!」
「……でも! ……だろ?……しか、方法がない」
「……それなら、……! そしたら、……!」
「ダメだ! ……を、大切に……! 危なすぎる!」
「だって、エリクサーが……!!」
うん。
とてもではないが、今日はやめておこう。
会話は全ては聞こえないが、巻き込まれたら面倒なことになることだけは事実だ。
昨日、今日と二日間続けてギルドマスター室で言い争いをするとなると、相当やばいものだ。
王都から師団でも派遣して貰えば良いのに、と考えながら自分の仮眠室に帰ることにした。
あいつらなら1人来るだけでも、大抵の物事を済ませられる程なのにな。
部屋について、亜空間から野菜を取り出す。
あと野菜は何日持つだろうか。
毎日、朝昼夜と食べていたら消費のペースが早そうである。
フライパンと大皿、野菜を洗って野菜炒めを作る。
料理は苦手だから、ルルド村に居た頃も娘達のご飯を作るのは四苦八苦していて、近所のおばあちゃんに手伝って貰ったものだ。
でも、よくよく考えると近所のおばあちゃん、俺の正体が分かっているかのように忠告してくれたりしてたな。
やはり、身近な人になり生活をしていると分かるのだろうか。
となると、やはり今後の生活はより一層気をつけなければならないと思う。
読んで下さりありがとうございます。
喉が痛くて体調不良です。。。
喋れない分、執筆頑張ります!!




