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第2話 おっさん子育てに悩む  ※改訂済

前話のあらすじ:偉い人に働きなさい宣言をいただく。

        その後、現実逃避で自分ことを思い出す。(自己紹介)


※まだ説明が数話続きます。

 王都に居る間は説明がメインです。

 他の街に移動したら話が進んでいきます。


※2018/8/25 改訂

※2018/8/27 再改訂

 そんな地球とは違う成長と遂げた快適に暮らせるはずのこの世界で、俺は文無しの無銭状態で娘3人の学費を稼がないといけなくなってしまった……。


 なんで、転生してまで生きるか死ぬかの瀬戸際で労働に従事しないといけないのだろう、とは思うものだが父親として踏ん張りどころだ。

 もし、俺が投げ出してしまったら娘達まで露頭に迷うことになってしまう。

 あんな可愛い子達を路頭に迷わせる訳にはいかない。


 さて、俺は文無しで娘3人の学費を稼がなくなっていけなくなったわけだが、思い直しても、すべては身から出た錆だと思っている。

 大切に育てたつもりだけれども、娘達のことを理解しきれていなかったと悟る。


 もちろん、すべてを理解することなんてできないと思っているけれど、ある程度は性格とかも把握していたつもりであった。

 だから、このような事にはならないと高を括っていた部分はあった。


 うーん……、子育てって難しいな。

 多分、世の中のお父さん、お母さんも子育てって思った通りに進まないことが多いのだろうな。

 俺も新米のお父さんとして、同じ気持ちを味わった。


 世の中のお父さん、お母さんが凄いなって本当に思う。

 俺なんて、このままだと娘達に不便な生活を送らせてしまう可能性があるから、父親失格なのかもしれない。

 やはり、片親というのは子供たちにとってハンデを負わせてしまっているのだろうか。


 いや、これも良い訳だな。

 お父さんとして娘達に誇られるような生活をしなくてはいけない、と決意しよう。


 俺は、ハイラス王国の有名な貴族として生まれて、前世の知識、生まれた瞬間から意識を持っていることが功を成して、一度は世界最強の座に就くことができた。

 もちろん、大戦中だったから遊び呆けることもなく、常に戦場に出ていた。

 しかし、いくら強くても自分がいないところでは誰かを守ることなど出来なかったのだ。


 そして、ちょっと無謀な敵相手に戦いを挑み、無茶をしてしまったせいで、呪いと同時に魔力放出機関を壊してしまい、殆ど魔法が使えない状態になってしまった。

 魔力放出機関とは、体内の魔力を使うために放出するための内蔵だと思ってくれれば良い。


 また、近接戦闘も得意だったのだが、利き腕と足を怪我してしまったせいで早く動くことが出来なくなってしまった。

 ある程度の時間なら走ったりすることは出来るが、15分くらいが限界だ。歩くのであれば、1時間は持つと思う。


 身体強化の魔法をかけた状態でも同様の15分といった時間が活動限界になってしまうと思う。一応、まだ上半身は逆手がまともに動くため、少しは武器を振るうことくらいはできる。だから、田舎で隠居をしていても魔物は倒せたから安心して暮らすことが出来た。


 結局のところは自業自得なのだが、俺は冒険者生活をやめて隠居生活をすることにした。


 だって、戦闘役としての職務はこなせなくなってしまったし、見た目も当時7歳だったのに、30代くらいに見えるし……。

 これは結構辛い。

 だって、同い年はまだ子供なのに俺だけおっさんになっているのだ。

 当時の俺を見る目が痛かったことだけは鮮明に覚えている。


 というか、よくよく考えれば、当時3歳くらいから冒険者になって、身分や周りをうまく使って、よく任務を受けたものだ。

 普通なら3歳児が冒険者になろうとしても止めれらるだろう。

 俺も当時は止められたが、実力で黙らせることに成功したのだ。


 5歳からは、役職をもらうことになったので、激務になったが、運よく師匠に出会うことができたので、より一層強くなることができた。

 7歳で引退して、現在の俺は15歳だ。

 隠居してから8年経った。

 時が経つのは雄大だなと年寄り染みたことを時たま考える。


 隠居するのも大変で、生きていることがバレたら根掘り葉掘り聞かれそうだったため、死んでいることにしてもらって隠居した。

 実際に生きているのが不思議なくらいの大怪我をしていたわけだが、運が良かったのか、師匠がまだ死ぬなといっていたのか、俺は生きながらえることが出来た。


 当時、面倒を見てくれた僧侶の人曰く、なんでも、1か月くらい意識不明の状態で生と死の境を彷徨っていたそうだ。


 俺が生きていることを知っている人は、このハイラス王国の王様とすべてのギルドを束ねているグランドギルドマスターと親友、あと面倒を見てくれた僧侶の4人だった。


 この僧侶というのは、日本でいう医者のような仕事で、人を治すことが仕事である。

 治癒だけを行う治癒士、他にも魔法などを使いながら戦闘をする僧侶といった具合になっている。


 この俺が意識不明の状態の面倒を見てくれた僧侶もギルドに所属しており、役職を持っている一人で結構偉い人である。

 怒るとすごく怖いから、出来れば会いたくない。


 7歳が隠居ということに、日本人の頃の感覚では違和感があったが、もう戦闘はしたくなかったし、働くことを体が嫌がった。

 何より、大切な人を守ることができなかった俺自身を俺が許すことが出来ず、メンタルがボロボロだったから、俺は死んだということにしてもらい隠居することにした。


 幸い、冒険者の頃は役職についていたため、お給金は良かったし、国からの褒賞があったため、結構な金額が貯蓄できていた。

 具体的な金額で言うと、娘達を養っても孫の代くらいまでは遊んで暮らせる程だ。


 僻地に隠居してから、親を亡くしてしまった娘を3人育てることになり、5年、6年育てて、娘達は日本でいう首都である王都にある学園に巣立っていった。

 この世界では12歳になった時点で学園に通うことになっている。

 もちろん、その前に通う学園もあるが、そちらは強制ではない。

 12歳からは義務教育として通わなければ、この国の法律に違反してします。


 ついでに俺は死んでいることになっているから、通う必要はない、というか通ったら死人が通っていることになってしまう。


 このハイラス王国は大きな都市が10個あり、各都市に学園がある。

 名前としては、王都にある学園は王都学園、キールという街にある学園はキール学園といった具合に街の名前が学園になっている。

 学園の大きさによって学費が変わってくるのだが、娘達は一番大きい王都にある王都学園に通っている。

 これも後々に問題になってくる部分でもあるのだ。


読んでいただきありがとうございます。


誤字脱字、見えづらいなどありましたらご指摘の程、よろしくお願いいたします。

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