第16話 おっさんキールの街に着く ※改訂済
前話のあらすじ:おっさん花火をあげた
※2018/9/1 改訂
7日間の乗り合い馬車の旅が終了して、キールの街についた。
乗り合い馬車の降車場は、王都同様に街の入り口近くにあるため、馬車を降りて、荷物検査を再度してもらってからキールの街に入ることができる。
ギルドカードと目的を説明して、荷物チェックが無事に終了したため、無事にキールに街に入れたため、そのまま大通りを歩く。
街並みを見ていると、王都とそこまで差はなく、綺麗な街並みで家の作りは中世の西洋に似ている。
以前にも出てきたが、このキールの街は学園もある。
王都からそこそこ遠い距離とは言え、ハイラス王国で3番目に大きい街というだけあり、結構大きな街だ。
ついでだが、この世界の馬は動くのが早いため、乗り合い馬車の速度は時速が60〜80キロ程度も出ている。
違いといえば、街の大きさが王都より小さく、城が無いくらいかな。
いや、この土地を領地としている貴族がいるだろうから、王城はなくても領主の館くらいはあるだろう。
ということは、多分貴族もたくさん住んでいると思う。
本来の俺は15歳だが、見た目が30歳になっていることから、さすがに一目見ただけで俺の正体は分からないとは思う。
でも、勘が鋭い人だったら接しているうちに気がつく可能性もあるため、極力貴族には関わらないようにしたいものだ。
大通りを15分ほど歩くと、この街の中心部に近づいてきた。
王都でも城が真ん中にあり、円形状に街が広がっていたが、このキールの街も同様の広がり方のようだ。
当時に役職についておりギルド内で偉かったとはいえ、戦争時代だったから、他の街に立ち寄ることなど殆ど無かった。
だから、世の中のことについて、正直全然知らないのだ。
キールの街は、街の真ん中に領主の館があり、その近辺に学園やギルドといった商業施設などがある。
勿論、領地の安全を守るための領兵の詰所もある。
この詰所は多分街の至る所にありそうだな。
王都でもそうだったし。
キールの街のギルドに着いたので、そのまま各種手続きの受付に着き、書状を見せる。
ここも王都と同じように各種受付が分かれている。
この時間で、15分程度待ったから、時間帯によってはもっと待つ人もいるだろう。
ギルドに繁忙期というものは、ないとは思っているが、実際のところは存在する。
新しい迷宮が見つかったり、森とかに魔物が溢れた時は、ギルドは繁忙期になる。
普段はゆっくりしていて、仕事を受けない人達でもギルドにやってくる。
そのため、ギルドに人が溢れて、繁忙期となるのだ。
「は〜い。
次の人どうぞ〜」
「王都から、こちらのギルドで働くように言われてやって来たのですが、受付はこちらで大丈夫ですか?」
「は〜い。
大丈夫ですよ〜」
書状を渡すと、受付の方が内容を確認してくれている。
それにしても、すごくおっとりとした人だな。
なんというか、小柄で可愛らしいから、小動物のような愛くるしさがある。
実際、ギルドの受付の人は綺麗な人が多い気がする。
というか、この世界はなぜか顔が整った人が多いのだ。
「……!
では、ギルドマスターの部屋にお連れしますね〜」
一瞬驚いたようだが、そのままギルドマスターの部屋に連れて来て貰った。
ついでに受付は、臨時で他の人が担当していた。
しかし、後ろからは軽いブーイングがあったので、多分その人達は、おっとり受付さんが良かったのだろう。
ごめんな……。
コンコン。
ドアをノックする音が廊下に響く。
ギルドマスター室に着くまでに、おっとり受付さんに聞いた話だと、このギルドは地上3階建てらしい。
訓練場は地下にあるらしい。
王都のギルドと似たような作りだ。
設備などは王都の方は最新型で魔法を使った魔道具などが多いらしいが、この街のギルドは昔からの設備をそのまま使用しているらしい。
「空いてるよ。
入りな!」
中からは女の人の声が聞こえた。
ここのギルドマスターは女の人なのか。
昔、王都のギルドマスターが女の人で、散々叱られたから苦手なイメージしかない。
挨拶をしてから中に入ると、20歳くらいだろうか。若い女の人が少し立派な椅子に座っていた。
多分、この人がこのギルドのギルドマスターなのだろう。
それにしても、若過ぎると思う。
セインは父親がグランドマスターということで、今後の国を担っていくということで周りにサポートしてもらいながら、ギルドマスターをしているが、普通は冒険者が引退後になったり、ベテラン冒険者が兼任でなったりすることが多い。
また、ギルドや国にとってもギルドマスターは重要な役職のため、権力が強い貴族が務めることも多い。
それに、ギルドマスターになるには、確かギルドランクが結構高くないと駄目で、確かAランクが最低条件だったはずだ。
そのため、そこまでランクが高ければ冒険者をしていた方が収入が段違いに良いはずである。
「セインから話は聞いてるよ。
昔の知り合いがギルド職員になって、この街に配属するってね。
あんた、見た感じ30歳くらいに見えるけど、歳下の私に使われて問題ない?
この街のギルドマスターは、現在療養中でね。
補佐官をしていた私が一時的に引き受けることになったんだよ。
それと、ギルド職員は有事の際に戦うこともあると思うけど、大丈夫よね?」
「セインから話は聞いてるんですね。
それに、歳下が上司でも問題ありませんよ。
でも、補佐官がそのまま臨時ギルドマスターになるなんて珍しいですね。
戦うことは、怪我しているので冒険者としては無理ですが、ある程度なら出来ますよ」
娘達の学費さえ稼げれば、誰が上司でも構わない。
あくまで、俺がレン・シルフィードだとバレなければ。
というか、娘達に正体がバレなければ構わない。
「そう。
じゃあ私としても問題ないわ。
他の人を呼ぶ気にもならないし、新人ということで、当分はその子に面倒見て貰って。
それと、臨時でギルドマスターになるのは今回が初めてじゃないからというのと、時々戻って来るから代役を立てて戻ってきてそれじゃあ、というのは難しいからよ。
それなら、補佐官が臨時でなっておくのがベストじゃない?という風になって私が担当をしている」
「わかりました。
そのような理由だったのですね。
ご迷惑おかけするかと思いますが、よろしくお願いします」
「は〜い。
基礎からゆっくり、教えますね〜」
……ゆったりとしている。
眠くなりそうなほど、ゆったりとしている。
この人に教えて貰っている間、寝てしまうのではないかと不安になるほど、ゆったりとしている。
「じゃ、そういうことで、後はよろしく!」
じゃ!っと声をかけられて、ギルドマスター室を出ることにする。
このギルドマスター男勝りというより、むしろ男だよ。
絶対そこらへんの男より、男っぽいよ!
読んで下さりありがとうございます。
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