第11話 おっさん恐れられる(ユイSide) ※改訂済
前話のあらすじ:貯金について問い詰められる
※2018/9/1 改訂
ユイside
私は家族のお金を使い込んでしまった。
本来私だけがお金が失くなるはずだったのだが、家族のお金まで失くなってしまった。
こんなはずではなかった……。
でも、どこかでこうなった事で自分を止めることが出来たので、安心をしている自分もいる。
そして、お金を使ってしまってから数日後に、ルルド村で生活をしていたお父さんが王都にまでやってくると連絡があり、今は3姉妹でギルドに言われた宿屋にいる。
勿論、2人からは凄く怒られた。
なんで、そんなことしたんだって、お父さんが大変だって、何回も言われた。
私だって、ダメなことをしてしまったことくらいはわかる。
わかっているから、何も反論は出来ない。
この学園に来た時は、お父さんと離れて寂しかったが、ルナお姉ちゃんのように、ユリと強くなってお父さんに褒められたかった。
それに今まで田舎で暮らしていたから、王都の都会で過ごしてみたい気持ちが強かった。
当時の私は、無邪気にワイワイ遊んでいた活発な方だったが、今の私は無口な方だと思う。
当時とは変わってしまった私のことを見たらお父さんはなんて思うのだろうか。
怒られるだろうか。
違う学園に行きなさいと言われるだろうか。
それとも、もううちの子供じゃないと言われるだろうか。
もう、何年もお父さんに会っていないため、ドキドキする。
このドキドキはなんだろう。
久しぶりに会えることへの喜びなのか、お金を使ってしまったことに対する申し訳なさなのか。
私にはよく分からない。
その後、少ししてドアがノックされた。
……!?
宿屋の人かな?
それとも、ついにお父さんがやって来たのかな?
扉が開いてお父さんの姿が見えた。
ああ、本当にお父さんだ。
前に会った時と全くもって変わっていないお父さんだ。
当時なら疑問に思わなかったが、実は私達を拾ってから姿がずっと変わっていない。
ルナお姉ちゃんやユリは気がついていないみたいだが、私は気がついていた。
そして、そのことを調べていたら、お父さんの秘密に辿り着いたのだ。
当時、大戦時に槍と魔法を使って、周りの人を鼓舞しているお父さんの情報が載っていた。
ところどころ文字や写真が掠れていて、読めなかったが、事実なのだろう。
その時に呪いを受けて姿が変わらなくなってしまったみたいだ。
久しぶりにお父さんに会えて嬉しいが、それ以上に逃げ出したい気分だ。
でも、なぜだろう。
すごく安心したのか涙が出て来る。
顔を逸らして泣いていることをバレないようにする。
お父さん怒るだろうな。
多分学園は辞めることになるだろう。
1番最悪なのは、家族の縁を切られてしまうことだ。
それだけは絶対に嫌だけれど、私のしたことを考えればそうなってもおかしくない。
お父さんが部屋に入ってくる。
あぁ、本当に懐かしい。
もっと早く会いたかった。
ルナお姉ちゃんとユリがお父さんに抱きつく……。
本来なら私だってそうしたかった。
その後、家族で話が進んで行くが、一向に私のことを聞かれない。
なんで?
私のことが嫌いになったの?
「なんで!
なんで聞かないの!?」
不安に思った瞬間、思わず大きな声を出してしまった。
自分でも認識をしていたけど、やはりお父さんには結構依存をしていたみたいだ。
その後、なぜお金を使ってしまったのか詳細を説明した。
お父さんに鍛えられていたおかげで、学園に入った頃は、周りの子とは実力の差が歴然と空いていた。
しかし、時が経つに連れ、槍の実力も魔法の技術も伸び悩み、周りとの差が埋まっていることに気がついていた。
今はまだ上位に入られているが、近いうちに追いつかれ抜かされてしまうと思っていること。
そして、なによりキツかったのがルナお姉ちゃんと双子の妹のユリが凄く成長していることだった。
ルナお姉ちゃんは槍も魔法もどちらも凄くて、上級生を入れても学園の中では、トップレベルで強い。
ユリは、槍はルナお姉ちゃん程ではないが、魔法の技術がトップレベルだ。
それに比べて私は強くなりたい槍が伸びない。
お父さんが凄かったと言われている魔法も伸びない。
お父さんのようになりたかった私としては、とても我慢の出来ることではなかった。
むしろ、槍よりたまたま授業で使った剣の方が使いやすかった。
私はとてもじゃないが、その事実を受け入れられなかった。
そして、陰口で姉妹の中で1番出来が悪いとか親の教育が悪いと言われるようになってしまった。
次第に私は喋らなくなり、ルナお姉ちゃんとユリを、そしてお父さんを避けるようになった。
丁度、その折によくわからないけれど、フードを被った人からお父さんのことを聞いた。
なんでもお父さんは武器で敵をなぎ払いながら、片手で魔法を提唱して、凄く強かったとのこと。
そして、冒頭で言った大戦時の資料を見せてもらったのだ。
私はそれを聞いてからは、より一層槍と魔法の練習をした。
そして、槍の技術を聞くために、自分の口座なら空になってもいいと思って、ギルドカードで支払うとお父さんの口座からすごい金額が引かれてしまっていた。
我慢出来ずに泣きながら話していて、お父さんが静かだから見てみると、凄く怒っている表情をしていた。
やっぱり怒られるよね。
だって私が悪いのだから。
私もお父さんのように槍と魔法が使えるようになりたかった。
私にとってお父さんはヒーローでカッコいい存在だったから。
だから、ルナお姉ちゃんやユリが凄く羨ましかった。
読んで下さりありがとうございます。
ユイは基本的にいい子です。




