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青春ってなに?  作者: 細谷 タツヤ
一学期!
7/17

夢はいろいろ

 いつもどうり、朝のアラームが鳴る。

 俺はあくびをして、朝の仕度を済ませると、いつもどうり登校する。

 そんな、日々が続いているが、俺はふと思った。

 よく考えると、俺は夢が無いな。

 小学校の卒業アルバムに書いた、将来の夢は漫画家。

 しかし、俺には漫画を読む才能はあったかもしれないが、漫画を描く才能が無かった。

 そして、中学校の卒業アルバムに書いた、将来の夢は小説家。

 しかし、とある日に自分で小説を書き、友達に読んでもらったが、「あまり面白くない」と言われ、諦めた。

 

 俺は昔から、希望がある限り、他の事をしない主義がある。

 しかし、その希望がなくなるとすぐにやめてしまう。

 そんな難しい性格に気付いた俺は、高校では夢を追わないことにしている。

 過去に有紀に夢を聞いてみたことがあるが、「俺は将来、結婚することだ!」と言われた時は、まじで殴ろうとしたこともあって、人に夢を聞くこともできなくなった。

 「夢..か...」

 俺がそう小さな声で言うと、後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。

 「勝生君」

 この声は、薪名か。

 俺は振り返る。

 「どうしたの?年収がもらえない老人みたいな目してるけど...」

 「俺そんな目してたの?」

 そんなこと、言われたの薪名が始めてだわ。

 

 俺はさっきまで考えてたことを、薪名に話した。

 「将来の夢..か」

 「ちなみに、薪名はなんか夢とかあった?」

 「ん~私は一時期、パンを作る人になってみたかったかな」

 地味だな。まあ、俺も昔、サンドイッチを理由にパン屋目指したこともあったからなにも言えない。

 「俺もパン屋に憧れた時期もあったな」

 「それからあと...そう!コンビニの店員!」

 地味にもほどがあるだろ!

 ていうか、俺普通に夢聞けてるじゃん。


 校門が見えたと同時に、俺には挨拶運動をしている先生を見つけた。

 しかも熱血教師じゃねーか!

 そう、今は三年B組担当の、北山先生。

 女性教師のくせに、熱血って...。

 まあ、体育の先生だから仕方が無いか。

 しかし、この先生。挨拶にくそうるさい。

 小さい挨拶だと、説教なんて鬼畜だわ。

 さすがに薪名も北山先生に警戒している。

 

 すると、有紀が俺に話しかけてきた。

 「よ、勝生」

 ナイスタイミング!悪いが有紀、犠牲になってもらう。

 「有紀、教室に女子がお前のこと待ってたぞ」

 「まじ!」

 そう言いつつ、走って校門に走って行くが、北山先生に襟を掴まれる。

 「今だ!」

 そう思い、薪名と俺は全力で走った。

 しかし、俺は足でこかされ、薪名はもう一つの腕で襟を掴まれた。

 「お前ら、逃がしはしないぞ」

 3人は死を覚悟した。

 

 相談室で3人は、なぞの説教をされ、朝っぱらから疲れていた。

 有紀も俺にキレてたようだが、疲れて俺に飛んでくる気力もないようだ。

 3人とも、1時間目の国語は寝て過ごした。


 昼休み。

 大塚先生に頼まれて俺は、職員室まで生徒のノートやワークを運んでいた。

 そして、職員室の扉を3回ノックし、「失礼します」という声とともに扉を開けた。

 こう見えても俺は礼儀は良い。どうでもいいか。

 すると目の前には北山先生の姿がある。

 やべぇ、朝なぞの説教されたから、気まずい。

 「なんだ、住村。私へのリベンジか?」

 なんのリベンジだよ。つーか、今ここで戦闘行ったら確実に俺は負けるから。

 「いえ、大塚先生に頼まれてここに」

 「お前大塚先生の頼み聞いたのか!?」

 「ええ、まあ生徒として多少は...」

 すかさず先生は俺に言ってきた。 

 「アホか!あの先生のなまけた言うこと聞くと、ろくなことないぞ!」

 そうか。いつも適当な大塚先生と、熱血の北山先生はライバル関係なのか。

 

 「いいか。今度からあの先生の言うことは聞くなよ。絶対だ!」

 「は、はい!」

 俺は背中をビシッとして答えた。

 その後、ノート類は北山先生が、預かってくれた。

 その辺、北山先生は良い先生だ。

 挨拶については嫌な先生だけど...。


 なんだかんだあり、教室にもどり、この前買った本を読み始めると、やけに廊下が騒がしい。

 本を読み始めると、周りが騒がしくなるのは分かるが、酷すぎる。

 チラッと目を向けてみると、稲崎ともう一人の女子が追いかけっこをしている。

 そしてその二人は教室に入ってきて稲崎が、俺の背中に隠れる。

 「勝生君!そこをどいて!」

 そう言ってきたのは、隣のクラスの、渡辺 油井だった。

 俺は無言でその場をどこうとすると、稲崎は俺を引っ張って来た。

 「だめ!動かないで!」

 俺、どうすればいいんだよ。

 周りから変な視線が飛んでくる。

 もういやだー!


 今日は特別疲れる一日だったが、疲れるだけではなかった。

 まあ、なんだ、あれだ、疲れるけど楽しいみたいな。

 まあ、あくまでも(楽しい)だけどな。めちゃくちゃ楽しいじゃないからな。

 けど、学校はなんだかんだ楽しい。

 夢を持てば、もっと楽しいのかな...。

 珍しく俺は、真剣に考えた。

 しかし俺は思った。

 考えても無駄だ。

 だから俺は考えない。

 かっこいいこと言ったつもりだけど、正確に言うと、考える暇がないんだがな...。

 悲しいよ。


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