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青春ってなに?  作者: 細谷 タツヤ
一学期!
3/17

地獄の中間テスト!

「んーまあ、自分がいいなと思う人と付き合えば良いんじゃない?」

 俺は困りながらも、なんとか答えた。

 「そう...なのかな..?」

 薪名は、目を背けて答えた。

 そして、別れ道が近づいてきた。

 「じゃ、またあしたな」

 俺は手を上げて言った。

 「うん、またね」

 と言って、薪名は振り向き、帰って行った。

 

 家に帰るとカレンダーの紙を4月から5月に変えようとした時、俺は気づいてしまった。

 そう、地獄の中間テストだ。

 テストの点数が常人より低い俺にとっては宿敵だった。

 「テ...テスト..だと..?」

 俺はカレンダーを見つめながら怯えていた。

 「まあ..あと一週間もあ...一週間?!」

 俺は口をあけながら呆然とした。

 「一週間でなにができる?」

 しかし、もう時間がないことは確か...。

 こんな事を言っている時間があればなにかできるだろうに...。


 ひとまず俺は、自分の部屋に向かい、教科書とノートを出し、勉強を始めた。

 10分後...

 俺は机の上に頭をおいて集中力を完全消費していた。

 

 「もう...詰んだ」

 その時、俺は思いついた。

 「そうだ!メールで誰かに教えてもらえばいいんだ!」

 俺は希望が見えた瞬間、スマホを開き、まず有紀にメールを送ってみた。

 (有紀 頼む!勉強を教えてくれ!)と送ってみた。

 15秒くらいしてから、返信が返ってきた。

 

 (すまん、テスト期間だからこれからスマホを触れない)

 「そうだった...そうだよな」

 俺は渇いた声で言った。

 もう俺は泣きそうになった。

 ひとまず気分転換にコンビニ行くことにした。


 俺はため息をしながらコンビニに入ると、いつもどうりの「いらっしゃいませー」という声...のはずだが、なにか聞き覚えのある声だった。

 と、思い顔を上げ、店員の顔を見てみると、そこには委員長の哀歌の姿があった。

 「あれ?勝生君?」

 俺は咄嗟に「い、委員長?」と返してしまった。

 「なぜ委員長がこんなとこに?」

 「それはこっちのセリフ!テスト週間によくコンビニまで来たわね、そんなにテストは余裕なのかしら?」

 そう、通常ならテスト週間は外出禁止なのだ。(バイト 塾等は除く)

 しかもテスト週間に外出していることがバレた相手が、委員長。

 (やべぇ...これ先生に報告されて呼び出しじゃね?)

 俺は察してしまった。

 しかし次の哀歌が発言した言葉で、俺はハッとした。

 「まあ、見逃してあげるわ」

 「えっ?」

 俺は思わず声に出してしまった。

 「なんで?」

 「うちの店の利益になるし」

 「それに...」

 「それに?」

 一時的、沈黙した。


 「なんでもないわよ。そのかわり、なんか買っていきなさいよ」

 俺は、かごを取りながら、「お、おう」と答えた。

 

 ひとまず、晩飯を買いに来たのでいつもどうりコンビニ弁当をかごに入れた。

 そして、レジに行き、代金払いコンビニを出た。

 家に帰って飯を食ってから、再び机に向かい勉強を再開した。

 


 次の日。

 俺の目は、完璧に疲れ果てた目だった。

 そして、教室に着くころにはもう歩きながら寝ていた。

 しかし、勉強をやらなくてはと思い、必死で授業についていったが、3時間目の休み時間に保健室に行くことになった。

 

 そして、昼食を終えた俺は教室に帰ってきた。

 (4時間目の分のノートを誰かに見してもらわないと...)と思い、隣の席の薪名に聞こうとしたが、今日は薪名が休みだった。

 仕方がないと思い、小さなため息をしながら立った。

 魁人に見してもらいに、魁人の机にノートを置いた。

 その時、魁人は俺に聞いてきた。

 「なあ、勝生。今回のテストどう?」

 俺に対しての嫌味にしか聞こえないんだが?

 「どうって、もう答えは察しているだろ?」

 俺は飽きれた表情で答えた。


 ああもう!テストなんて消えろ!いじめの原因になるぞ!

 まったく正論ではないことを言い、開き直っていた。

 

 そして、学校から帰ってきて、家のソファーに座った。

 俺はボソッと口に出した。

 「うう...」

 そして開き直った俺は、叫んだ。

 「もうなんなんだよ!まじ職員室に突撃してやろうか!?テストなんていやだー!!」

 意味のない言葉が次々に出た。

 

 もうやるしかないのか...。

 諦めかけていたその時。一通のメールが来た。

 「なんだよもー、こちとらガン萎え中なんだよ」と言いながら、俺はスマホを手に取った。

 すると、それは薪名からのメールだった。

 

 (いきなりごめん。今日の授業の内容のノートを送ってくれる?)

 ふざけてんのか。

 もう俺はいろんな意味で覚醒していた。

 俺は仕方なくノートを写真で送り、再び寝た。


 そしてテスト当日。

 俺は絶望したような顔で登校した。

 

 結果。

 まったく分からないテストをやるほうが馬鹿なんだとか思いながら、テストを受け、家に帰宅した。

 絶対に先生に呼び出し食らうだろ。

 俺は頭を抑えながら喚いた。

 もう、いいや。

 俺は完全に開き直っていた。

 

 そして、テストは返されてきた。

 しかし俺は気づいた。

 まだ先生に呼び出しを食らっていないと言うことは、まだマシな点数じゃないのか?

 俺は少し希望が見えた。

 経験上、そんな経験はあった。

 案外点数がよかったっていうケースが。

 

 「テストを返すぞー」という先生の言葉と同時に、喉を鳴らした。

 国語 33点 数学 36点 地理 歴史 16点 理科 15点 英語 16点。

 そのテストの回答用紙のすべてに、補修という文字が書かれていた。

 俺はもう苦笑いしていた。


 すると急に薪名の手が震えだす。

 まさか俺のテストがチラッと見えて怯えているのか?それか自分の点数がそんなに低かったのか?

 まだ転校して来て、一ヶ月ほどしか来てないから学力は分からなかった。

 俺は聞いてみた。

 「今回のテスト、どうだった?」

 すると薪名は肩がビクッと上がり、涙目で答えてきた。


 「全部70点代...」

 それで涙目で答えてくるとか、喧嘩売ってんのかな?と思ってしまった。

 

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