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トップを目指して

「えっ!ユメカ。急に何言ってんの?!」


正直、自分でも驚いている…何でこんなこと言ってしまったのかわからない。確かに相手は、目標とすべき、トッププレイヤー。仮にバトルできたら、これほど糧になるものはないだろう。しかし、初めてアクセスしてから、三十分もたたない私ではバトルにもならないはずだ…それでも、私は自分の言ったことの訂正をしなかった。今度は意図的に。


「ほぉう。かわいいだけやなくて、れらく大胆な子やな〜。」

「もし本気で言ってるなら、身の程知らずもいいところね。」

「そうだよ。ユメカ、冗談なんだよね?」

3人の言うことも、十分理解できた。それでも私は問に対する答えを待って、何も言わないようにした。


見かねたジョーカーがニヤリと笑い、再び口を開く

「どうやら、本気みたいやな…。太刀打ちできる自信か根拠があるのか、はたまたただの能無しか。やり合えばわかることや。うちは受けてたつよ。」

私が内心、待ち望んでいた答えだった。

「ありがと…」

「ただし!」


お礼を言おうとした私の言葉を、ジョーカーが強めの口調で遮った。

「今すぐってわけにもいかん。うちかて暇やない。ある程度骨のあるやつでないと、時間の無駄やし、何よりうちが満足できへん」

ジョーカーが私の目をじっと見つめながら、続けた…


「そこであんたに、条件をあたえるわ。期限は1週間。今のあんたのランクはDのはずやけど、それをBまであげてこい。そしたら考えてやるわ。」

1週間でランクを2つあげる…過去1年、最速昇級の実例でさえ、1ランクあげるのに2週間を要したされている。それを一週間で2ランク…


「まぁこっちは無謀と承知で言ってるんや。断ってもええよ。あんたが何を目指すかは知らんけど、ビギナーのご身分でうちに挑みたいと言うんなら、そんくらいやってもらわんとなぁ」


ジョーカーの口元は冷たく笑みを浮かべている。彼女は私を試してるんだ…Sランク2位。事実上、この世界で2番目に強いプレイヤーが私を見定めている。


「わかりました!やってみせます…」

私はジョーカーを見つめた返した。待ってましたと言わんばかりにジョーカーもこれにて応じて、さらに、はっきりとした笑みを浮かべた。


「ちょっと、ユメカ。いくらなんでも無理だって!」

「イケボちゃんの言う通りね。不可能ね。」

2人が言うように、普通ではない状況だ。

私1人ではこの条件を達成することはできないだろ…誰かの協力が必要になってくる。


まずは、レイ。2人で練習すれば、お互いに強くなれるだろう。後で頼み込むしかない。他にも、訓練所という施設があり、倒したモンスターの数だけ経験値が貰えるらしい。


この世界において、ジョブと同等に重要なのことが2つある。


一つはレベル。レベルの向上が、体力や攻撃力、守備力といった6つの基本ステータスの向上に直結する。上限は、50レベルと定められているが、ジョーカーはそこに到達していると考えていいだろう。


そして、もう一つが身体能力だ。この世界の私が蹴りを繰り出せば、元の体も同じ動作を行っている。逆にいえば、元の体の身体能力の影響でこの世界での行動が制限されることもあるのだ。残念ながら、私は運動が得意な方ではない…


頼みの綱だったのだが、正直、私のジョブも当てにならない。名前もわからなければ、ジョブスキルの効果、発動法までが、不明であるからだ。今更ながら、ジョブ選択まで戻りたくなった。


私が思い悩んでいると、意外なところから助け舟が来た。


「ククッ。ほんま面白い子やな。よし!その活きの良さに免じて、私があんたを1週間、指導したるわ」

ジョーカーが肩を震わせながら、放った言葉に私以外の2人がひっくり返った…私は驚かなかったというより、むしろ呆然と固まってしまっていた。急いで我に帰り、


「ありがとうございます。」

今度はしっかりとお礼を言わせてもらえた。

「まぁこっちは遊び半分のつもりやけど、あんたはついて来れるやろうか…ユメカって言うたな。リタイヤは許されんぞ。」

「望むところです…!」

私は、右手でグッと握りこぶしを作って、気合い入れ直した。


「あぁはっはっはっ!気にいったよ。あんた」

ついに堪えられなくなったジョーカーは大声で笑い出した。

「それじゃ明日の午後4時から、特訓を開始する。もちろん、遅刻は許されん。」

「はい!よろしくお願いします!」


初めて仮想世界に来てから約1時間、私の運命はどうやら決まったらしい。1週間でB級ランカー。半年後にはS級ランカーが目標。ここから、私の物語が始まるんだ!






次の回でようやく、戦闘シーンを描けそうです。

うまく表現できるか不安ですが、善処したいと思っています。



小説を書くことは、初めての挑戦ですが、1人でも多くの方に読んで、楽しんでいただけたら、幸いです。



美恵 匠

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