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プロローグ
見上げるほどに高々とそびえ立つ高層ビル群。ここはどこなのだろう…
東京、大阪、名古屋、海外でいうなら、ニューヨークや上海かもしれない。
この大都会には圧巻される…
しかし、よくよく見てみると、この街は明らかにおかしい。
ひときは目を引く高層ビル群の奥には、それらより、ひと回りも大きな大木が多数見える。
鮮やかな緑が風に吹かれて、この空間を彩っている。
改めて、周りを見渡してみると、様々な異なる光景がそこにはあった。
一面に広がる黄色の砂漠や噴煙を撒き散らす火山、波立つ大海原…
ここは現実の世界なのだろうか…否、ここは現実世界ではない。
その名を「アーバンネイチャー」というこの世界は、VR技術を利用した「CR」と新技術が作り出している仮想世界だ。
アーバンネイチャーとは、都会を意味する「アーバン」と自然を意味する「ネイチャー」から来ており、この光景を体現するような名前だ。
ここでは、現在進行形でおよそ百万人のユーザーが仮想世界での生活を堪能している。
おや、また新しいユーザーがログインしたようだ。
この世界の成り行きが大変楽しみな今日このごろである…
『トニーの日記』
著 (株)Tonny 代表取締役 トニー・ジョンソン




