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プロローグ2

1週間は長いなぁ〜

「うっ、腐ってるよおー」

 グギュルルル……

「お腹、空いた……」

 路地裏のゴミ袋を漁りながら、15歳の少女エメは、匂いを嗅いでいた。

「うーん。この感じだと、この中にはめぼしい物は無いかな」

 エメはしばらく無言で考えて、「今日もまた、雑草で我慢するしかないのかなあ……」と呟き、溜め息をついた。

 エメが今いる場所は、とある大国のスラム街で、エメ自身はストリートチルドレンである。

 エメは所謂、捨て子であり、小さい頃はスラム街に住む優しいお爺さんに、実の孫娘の様に育てられた。だが、そんなお爺さんも数年前に亡くなっており、それ以来、エメは1人っきりでの生活を余儀なくされている。

「はあ……何処かに、かっこ良くて、爽やかで、凛々しくて優しい男性居ないかなあ……でもなあ、この街には居ないんだよなあ」

 これが、エメが1人っきりで行動している理由である。何せ、このスラム街には、若い男性が居ない上に、エメ以外の女性達は男性と一緒に生活しているのだ。

 それに、女性と一緒に暮らしてないスラム街の男性なんかは、エメをいやらしい目線で見てくるのだから、1人っきりになっても仕方がないだろう。

 しばらく妄想に耽っていると、ふとほのかな香りが漂ってきた。

「なんだろ? この匂い」

 鼻でクンクンと確認してみると、その香りはエメの右側方向から漂っていた。

「私の勘が、食べ物の匂いだと言ってる。行かなきゃ!」

 そう言いつつ、エメは既に匂いのする方向へ歩き始めていた。

 しばらく匂いのする方向へ歩いていると、1人ずつでないと入れない様な大きさの穴の開いた洞窟を見つけた。

「匂いは、この中から漂ってるわね……でも、如何しようかなあ……罠の可能性もあり得るし……」と言いつつ思考に耽っていると、土砂降りの雨が降ってきた。

「はうぅ」

 エメは反射的に、洞窟の中へ入って行った。

 土砂降りなのだから、仕方がないだろう。

「美味しそうな匂いがするなあ……」

 洞窟の中に入ると、更に匂いを感じやすくなっていた。

「この匂い、肉とか野菜とかが混ざった匂いみたい……料理かな? もしも良い人が作ってるなら、食べさせてくれるかもだし、奥に行ってみよっと」

 洞窟の奥へ進んで行くと、人間1人が快適に過ごせるぐらいに広い空間が広がっていた。そして、その空間の中央には、鍋が地面に置かれていた。

「美味しそうな匂いは、この鍋からみたいね。どんな料理が入ってるのかなあ……」

 エメは一切、躊躇せずに蓋を開けた。すると突然、地面がまるで魔方陣の様に光りだした。

「へ? 何が、如何なって?」

 その後、エメはその場から、姿を消したのであった。

 エメが姿を消した後にその場に残っていたのは、鍋の蓋と空っぽの鍋だけであった。

プロローグは5まで続きます!

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