この世界としろたまとは
お風呂シーンあり。まぁ、エロ要素は無いので。
「しらたま、ここは宿なのか?」
「見ての通り宿だよ?ちゃんと個室にはベッドとトイレがついているしお風呂だってついてるよ」
「お風呂!そこ!これお風呂というより大浴場だろ!50人くらい入れそうだぞ!ここ個室なのに!」
「露天風呂も入れればもう20人くらい入ると思うよ、それにここのお風呂は温泉だよ」
「露天風呂もあるのかよ!」
ここ、宿っていうより高級温泉旅館みたいだぞ。
「この世界を作った神は温泉が好きだったんじゃない?シャンプーなんかも置いてあるくらいだからね」
「え?神が作った?」
神が温泉旅館を?…世界?!?
「そうだよ。説明してなかったっけ?」
「してなかったよ!どういうことですか?」
神がこの異世界を作ったってこと…なのか?
「この世界はね、神になった人間に作られたんだよ。神になる前に異世界転移に憧れてて神になったから自分の理想の異世界を作った。と、僕が転移した時に神は説明してくれたよ」
……初めての情報が多くないですか?
「しらたま、温泉入りながら聞き直してもいいか?」
温泉に入って現実逃避したい気持ちが…
「いいけど僕は元々可愛い女の子だってこと教えたの覚えてるかい?」
「覚えてるよ。信用してないけど」
「いつか元の姿に戻って光輝君に後悔させてあげるよ」
「はいはい楽しみにしてますよ。じゃ、温泉入るか」
「それで、光輝君は何を何を聞き直したいのかな?」
「この世界は元人間の神が理想の異世界として作った、て話としらたまが神に説明してもらったところとしらたまが転移して来たとかいうところ」
「つまりさっきのセリフ全てだね」
「そうなるな」
しらたまも転移者だとか神と話しただとか…
簡単に説明し過ぎだろ、それ重要なところだと思うよ?
「さっき言った通りこの世界…光輝君からすれば異世界は元々人間でこういう世界に憧れた神が作ったんだ。この世界の魔法なんかは神が使いたかったから作ったらしいよ、それにスキルも。スキルは魔法とは別の力だよ。魔力を使うもの、使わないもの、常に発動し続けるもの…色々とあって、魔法との違いは性能の差だね。あと、光輝君のスキルは今は自分に常に発動し続けるものだね」
「なるほど、この世界の街並みが素晴らしいのも温泉が凄いのも魔法があるのもスキルがあるのも全部人間だった神が作ったからと言う事だな」
なるほどな〜、だからこんなに俺がいた世界と似てて言葉が通じるのか〜…てことは、神は元々日本人か?
「うん、そうだね。それじゃあ僕の話をしようか」
おお、ついにしろたまが何者なのかわかるな
「僕はいまから40年くらい前にこの世界にきたんだ。君と同じでいきなり連れて来られたよ…でも、僕はこの世界に着いたときには精霊になっていたんだ」
「最初から精霊だったのか…なんで俺は人間なのにしろたまは精霊だったんだ?」
異世界着いたら精霊になってたのか…大変だったろうな、しろたま…
「何故かはすぐに分かったよ。いや、すぐに神が来て教えてくれたんだ。君が精霊なのは今だけだ。いつか君を人間にしてくれる人間を送るから、ここで封印されててくれ、なんて言われたんだ。」
「つまりしろたまはこの世界に来てから俺に会うまでずっと石の中にいたってことか?」
…可哀想過ぎるだろ。
「いやいや、神はその予定だったみたいだけどさすがに嫌だったからね。少しだけ観光させてくださいって頼んだらあっさり承諾してくれたんだ。だからこの街は来たことあったよ」
なるほど。神って意外と融通きくんだな、てっきり偉そうに私に従え!とかいってる奴だと思い込んでた。
「魔法は元々使えたのか?」
「観光しながら神が魔法を色々教えてくれたよ。あとスキルについても説明してくれた」
「説明って色々な種類があるってやつか?」
さっきのだよな?
「いや、スキルが魔法と段違いの性能なのは神が魔法にリミッターを掛けてるからだって言ってたんだ。スキルはリミッターが無い代わりにある程度しか強く出来ないんだ。魔法は力量次第で強くなるけどね」
「リミッター?何でそんなものを?」
いらなくないか?
「魔法にリミッターが無かったら今頃この世界は壊れてるよ。それぐらいリミッターのない魔法は強いらしいよ」
なるほど…まぁ、魔法が使えない俺には関係のない話か………あれ、クラクラする…
「光輝君、のぼせてるんじゃないかな?お風呂あがったらどうだい?」
「しろたま〜、俺を連れ出して〜…フラフラする…」
だめだ…考える事が多すぎて温泉を味わえなかった……
「僕は元々女の子なのに…せめて前は隠してね?『フロート』」
おお〜、身体が浮いてる…酔いそう…
「ちょ、光輝君!前は隠してよ!」
「ごめん…隠すからそんなにユラユラさせないでくれ〜しろたま…うぷ」
「わっ!光輝君!吐かないでよ!?」
「自分で歩く…しろたま、下ろして…うぷ」
「そうだね、その方がいいね…」
ユラユラは身体をですよ〜