精霊との出会い
初投稿
夢を見ていた。突然現れた人(自称神)が、君たちを私の作った世界へ招待しよう!なんて言って両腕を広げて…魔法陣を作りだして俺達をその中に吸い込んで…
「それ、夢じゃないんじゃない?」
「!?」
「ああ、僕は君に敵意は無いよ。」
周りを見回しても誰も居ないのに、声ははっきりと聞こえる。それに、言葉にしてないはずなのに聞かれていた…
「僕は精霊だからね。心の中で思ったこと、頭の中で考えてること全て読めるんだよ。」
…神の次は精霊らしい。なぜ今日はこんな厨二病全開の人とばかり会うんだろう?
「厨二病の意味は分からないけどバカにされてる気がするよ。」
「変な夢を見たから変な幻聴が聞こえるだけだな!決して考えてることを読まれたわけじゃないよな!」
「読んだよ。異世界の住人東堂 光輝君。」
「あー!聞こえなーい!幻聴なんて何も聞こえないー!名前なんて呼ばれてないー!」
「呼んだよ。光輝君の頭の中を覗かせてもらったから色々なことも分かったよ?光輝君の好きな子とかもわかるよ。君、隣の席の席の一条み…」
「ちょっ!?!?!ス、ストップ!!わかった!お前が僕のことをよく知ってて頭の中で考えてることを読めるのもわかったから!それ以上言わないで!」
「やっと信じてくれたみたいだね。光輝君」
ここまで言われたら信じるしかないと思う。
「ところで光輝君、僕を解放してくれないかい?」
解放?突然なにを言ってるんだろう…まあいい、今は自分のこと優先だ。
「そんなことよりここはどこなんだ?森の中みたいだけど」
「そんなことよりって…僕を解放してくれたら教えてあげるよ」
「さっきから解放って言っているが封印でもされているのか?」
精霊を解放というと封印しか思い浮かばない僕は厨二病なのだろうか……
「そうだよ。君の目の前に丸い石があるだろう?それに封印されてるんだ…正確にはその下の魔法陣によって封印されてるんだ。」
確かに目の前に石はあるが、丸いというか…スライムのような形をしている。でもこの石の下に魔法陣があるしこの石で間違い無いんだろう
「…その石だよ。魔法陣から少しずらしてくれ、ほんの少しでもずれれば封印は割るから」
…封印を割るっておかしくない?まぁいいや、この石を動かせばいいんだな。この石を動かせば…
「重っ!こんなもの動かせるわけないだろ!」
何これ、せいぜい5cmくらいしかないのに本気で押してもびくともしない。
「まぁ、そうなるだろうと思ってたよ。今から君に僕が貸せる少ない力を全て貸すから力の限り押してくれ…『魔力譲渡』」
おお!なんか石から白いもやが出てきて俺の右腕にまとわりついて…
「え、腕が黒くなっていってる…」
「魔人に近づいたんだよ。今の君なら封印している石を動かせるよ」
魔人て…まぁ、今は封印解くのが先か。
「じゃあ押すぞ…ふん!」ズズズ…
おお!本当に動いた!
「ありがとう、あとは自力でも封印は解けそうだよ……」
そういうと同時にスライム型の石の表面が割れ始めた!
「あ、封印を割るってそういうことだったのか。」