三つの石像
扉を開け眩しさと共に目を眩ませる程の明るさで差し込んできた日差し
そこには沢山の立派な木々や鮮やかな色をした花
キラキラと輝いている静かに流れる川
今までに見たことの無いくらい自然豊かな所だった
見惚れてしまっていた
ーーー あっ !!
っと我に返り上を見上げたり下を見下したり左右を向いたり、まわりを見渡してみた
どうやらこの廊下は左右に続いてる様。
外に廊下があるなんてアニメやテレビでしか見た事がないので、先程とは違い好奇心が湧いてきた
どうやらこの場所はこの建物の裏側らしい
左から廊下を歩き一周してみることにした
自然に囲まれ、川や木々、花を眺めながらゆっくりと歩き進んでいた
ーーーー 中々広い大きい、この建物。
なんて思いながら進むと、やっと曲がり角を見つけ角を曲がればそこには見た事のあるモノが目に入った
明らかに建物の入り口と理解した
古びた襖に大きな鈴がついた太い捻れた縄
そしてもう一つ、ここは神社らしき建物と言う事
入り口左右に立つ立派な二つの狐の石像が置いてあり、なにやら文字が彫られている
” 鈴狐 ”
と、二つの石像に書いている
鈴狐 ーーー ?
知ってる、見てる、昨日の夜に。
昨晩、お願いをした祠に書かれてるのと同じだ
お願い事を叶えてくれる為に夢に出てきたのか?
そんなことを考えながら上を見上げてみると屋根の上には、とても立派な九尾の狐の石像が飾られていた
先程の二つの石像とは比べ物にならないくらい大きい、そして尻尾が九本
入り口の二つの石像には尻尾は一本しかついていない
会社で言えば、社長とかそういう存在の方なのかな?
入り口の二つの石像に背を向け上を見上げて九尾の狐の石像を眺めて考えていた
「「 おい 」」
?!?!
誰?!
後ろから、低い声と少し鼻声がかった高い声が私を呼ぶ
冷や汗が滲み出てくるのがわかる
夢、夢、夢、普通に普通に。
せめて人間でお願いします
心の中で祈りゆっくりと振り向いた