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第一歩
目が覚めるとそこは ーーーー ・・・
古く少々カビ臭い木製の壁
歩くたびに軋む木製の床
今にも折れそうな木製の柱
穴だらけの襖
横にスライド式の木製の扉
所々に大きな蜘蛛の巣
まさに心霊スポットの様
何処だここ?としか言い様がない。
昨夜は仕事を終えた後、地元の小さな祠になんとなく手を合わせ
ーー新しい職場環境に慣れますようにーー
と、お願いした後は真っ直ぐ家に帰って、お父さんが作ってくれたご飯を食べた後はお風呂に入り
自室で寝ていたはず。
・・・きっとこれは夢を見ている
私は夢の中でも ” 夢 ” だと気付く事が出来るのかと
関心をしていた
まわりを探してもスマホが見つからない。
財布も見つからない。
夢だとしても変に声を出すのは少し怖い
扉を開けて外に出るか
声を出して誰かを呼ぶか
いや。
もし外に出て襲われたら?
もし声をかけてオバケが出てきたら?
夢でもハッキリし過ぎていて鮮明すぎて
もう一歩の勇気が中々出てこない。
よし。
外に出よう
決心をして扉を開けた。
そこには ーーーー