表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

~ パーツ ~

拓斗 は ゆっくりと 振り返り


ブルーシートの上の 真紀を見つめた…


頭が陥没し 鼻はへし折れ 天井を見つめたまま 息絶えた 彼女に近づき


「君が悪いんだ … 赤い靴なんて履いて 男を挑発して 俺に誠意を示さなかった… 病んだ君の クダラナイ話しを聴いて可哀想な子だと 心を傾けてやった この俺に!!女ッテノハ 皆 ソウダ … 男ニ誠意ヲ示サセテ 自分ノ望ミガ叶エラレナイ男ダト思ウト 直グニ 他ノ男ニ股ヲ開キヤガル!!汚ラワシイ 売女メッ!!」


拓斗 は ギロリッと 物入れを睨みつけた …


カタッ カタカタカタカタッ!


物入れの 段ボール箱達が 揺れた


フンッ と 拓斗は 鼻で笑った …



拓斗 … ゴ メ ン ナ サ イ …


拓斗 … 愛 シ テ イ タ ノ … 本 当 ヨ …


拓斗 … 拓斗 …



各々の 段ボールの中から 弱々しい 女の声が 聞こえた



「アァ … 俺ダッテ 愛 シ テ イ ル サ … 愛シ イ 女 達 … 」



陶酔した目をして 拓斗は うっとりと 段ボール達を見つめ


ク ス ッ と 笑うと Aの 箱から チェーンソーを取り出した


自作の 吸音ガードを取り付け チェーンソーのスイッチを押す


刃先が 高速で回転するが 音は響かない


拓斗は 真紀の 肩から肩甲骨を チェーンソーで切断した


両肩 を切断し チェーンソーの刃でギザギザになった 真紀の肩を


今度は手ノコで 滑らかに 整えていった …


血だらけの ウェディングドレスを脱がし


残った 頭や躰は 頭 胴体 下半身 と 大雑把に ブツ切りにした


其から バスルームに向かい


バスタブ1/3程に張られた ツンと鼻を付く匂いの液体に 真紀の両腕を浸け


再び 洋室へと戻ると ブツ切りにした 躰から 丁寧に 肉と 心臓 内臓を 取り出し 削ぎ落とした


シンクへ骨を運び 食器用洗剤を使い洗う


新聞紙を拡げ 長さを揃え 真紀の骨を並べた …


其から ブルーシートの上で 真紀に着せたウェディングドレスを ハサミで切り刻んだ


一旦 ゴミ袋に 刻んだドレスと シルクフラワーの花弁を入れ


ブルーシートに着いた血液を バスルームで綺麗に洗い流し


バルコニーの 物干し竿に ザッ と シートを拡げ 洗濯バサミで止めた


部屋に戻り 血飛沫を丁寧に 掃除用洗剤を使い拭き取り


部屋の掃除を終えると


物入れから 重そうな段ボールを 4箱 一つ一つ 丁寧に下ろし開封した


箱を覗き込み


「 はぁ … 美しい … 」


拓斗は 溜め息をついた


段ボールの中から 丁寧に 大きめの瓶を取り出した



「真澄 … 美しい顔だな … 」



次の段ボールからは


女性らしいクビレた腰の剥製の 躰だけを ゆっくりと 取り出し



「はぁ … 今でも夢中だよ … 杏奈 …」



涙ぐみながら 躰を撫でた



次の段ボールからは


美脚のみの剥製を取り出し



「あぁ … 思い出すよ… キンバリー … 君とはしゃいだ 白い砂浜 … 」


頬を 太ももに スリスリと優しく押しあてた


最後の段ボールからは


女性の骨盤から下 ふっくらと丸みを帯びた お尻を取り出し



「はぁ … 和美 … 堪らない … お前は最高だ… 熱い あの夜は 俺だけのものさ … 」


と お尻をギュッと掴んだ


其から 拓斗は 急に鋭い目をして



「何デ 俺ヲ裏切ッタ … 売女ドモ … 」



冷たく 吐き捨てるように言った


元のように 段ボールに全てのパーツを収めると


物入れに押し込み ピシャリと戸を閉めた



「誰モ 帰サナイ … オ前達ト俺ハ永遠ニ離レナイ … ソウダナ … 俺モ 時ヲ止メテイルノカモナ … 売女ドモ!俺ハ オ前達ヲ 愛シテヤル 全テヲダ !! 有リ難ク思エ …ヒャハッハッハ !!」



カタッ カタカタカタカタ ッ!


物入れの 段ボール達が 揺れる



「踊 レ ! 苦 シ メ ! モ ッ ト ダ !!ヒャハッハッハッ! ヒャハッハッハッ!」



薄気味悪い 拓斗の笑い声が 裏野ハイツに 言霊(コダマ)していた …




憎しみなのか 愛なのか


拓斗 自身にも もう 解らなくなっていた


時を止めたい …


そして 全てを自分のものにしたいと言う


欲望に 取り憑かれた


拓斗の 想い …



それは 愛 なのだろうか ?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ