弾
とある大学生の物語
自分の鼓動がやけに大きく聞こえる。もう何年も俺達は戦っているようだった。いったい何発の弾をこいつにぶちこんだだろうか。こいつには全く疲れの様子というものがない。弾を打つ音が響くなか、慣れて気にもしなくなった粉塵が辺りを覆う。なんで俺は戦っているんだろうとふと思う。
俺はもとから戦士だったわけではない。元々はただの庶民だった。でも戦うこと自体は昔から好きだった。小さい頃から弾を打つ練習はしていたし何より好きだった。俺の親父もお袋も戦士の家系ではない。親族に戦士のいなかった俺は孤独に戦いを覚えた。この世界では勝つこともあれば負けることもある。何人も戦士が負け続けて死んでいった。
そんなことを考えていると少し離れた場所で凄まじい爆音がした。誰かが敵を倒したに違いない。敵は死ぬときに爆音を出すと言う特徴があった。特に最近のこいつらは死ぬときの断末魔は凄まじい。俺もとどめをさすべく最後の弾を装填する。弾は一発で十分だという誰かのありがたい名言を思い浮かべながら打つ。
冷や汗をかきながら引き金に力を込め最後の弾を
打ち出す…
弾は何千発の弾と同じように敵をかすりもせず、消えていった
俺は
負けたのだ
涙は出なかった
戦士である以上覚悟はしていた
なのにいざ負けるとやはり不安にならざるを得なかった
読みづらい部分が多いとは思いますがよろしくお願いいたします!