2人の少女
chapter1 2人の少女
あは、あはははっ!!
あー、楽しい。 こんなに人を壊すのが楽しいなんて!!
私の手はナイフを握ったまま目の前の物体に向けて振り下ろすことを止めない。 血が飛び散って顔に張り付いてくる。
楽しい。 人生でこんなに楽しいことはあるのだろうか。
こうぐちゃぐちゃに掻き回して、だんだん破壊して混ざっていくような感覚...!そう、例えるなら男女が一つになるのと同じような感じ。 他人から見たら常識から外れているんだろうけど、私にとってはこれが普通なんだ。 まぁ、そんなことはもうどうでもいいけど。 私の手はまだ振り下ろすことを止めない、いや止められない、最高に楽しくてしょうがないんだ...あはっ、あはははっははっ!!
...どのくらいやってたんだろ。
いま目の前にあるのは、もはや生き物だったのかと疑うほどヒトの形を失ったものだ。いや、もうヒトじゃなかったのかもしれないけど。内臓はぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、顔は粉々になっていて、脳みそがあちらこちらに飛び散っている。私の体の至る所がもう血だらけだ。
ちょっとやりすぎたかも。
...あー、気持ち悪くなってきた。 おえっ
「凛ー!もう終わったー??」
そう言いつつアイツは部屋の隅にあるロッカーから出てくる。
「うん、今終わったとこー...おえっ、あー、気持ち悪っ」
「もうっ、凛はいつも正気に戻ると体調崩すんだからちゃんと考えないと!」
あー、いつも口うるさいなコイツは、
「うるさい、ヤってるときは楽しいから仕方ないでしょー」
「うるさいって、人が心配してるのにっ!」
「あー、ハイハイ分かりましたー、次から気をつけるわー」
「ちょ、絶対反省する気ないでしょ!ていうか凛はね...」
コイツはいつもそうだ。世界が異常になっていても何一つ変わってない。人におせっかいばかりかけてる損なヤツ。 今も私について色々言ってるけど、いつも通りありがたく聞き流しておく。 コイツは、この異常な世界でたまたま出会った。いや、助けてあげた、というべきか。 名前は遥。 由来は知らない。 遥はこの異常世界で生きるにはとにかく弱い。刃物なんか扱わせたら...想像するだけで悪寒がっ!! だから私が守らないと、二度とあんな表情をさせないためにも...
「...んっ! 凛っ!」
「はいっ!?」
「どしたの?話聞いてないし、なんかポケーってしてるし。」
しまった、遥のこと考えてて油断してた...! ポーカーフェイスっ...と。
「いや、話聞いてないのはいつものことだし、月綺麗だなとか思ってただけだし?」
「なんか色々ツッコミたいんだけどっ!! まぁ、今それどころじゃないしっ」
「ん、なにがあった?」
「多分あそこのドアから足音がする。 あと50Mくらい。どうする? 戦うか逃げる?」
...ほんと遥のこういうところには適わないなぁ
まぁ、ここは
「逃げますか、シャワー浴びたいし」
「凛はほんとのんきなんだから...はうっ!?」
「息苦しいけど我慢してねー、遥は抱えたほうが移動しやすいし。」
「ちょ、ふひふはぐことあいでしょー!(ちょ、口ふさぐことないでしょー!)」
さて、どこに逃げるか...じゃ、あそこの窓からでも出てテキトーに時間稼ぐか。...遥ちょっと重いな。
chapter2に続く。
はじめまして、風結です。 夜中の変なテンションで書いてみました。楽しんでいただけたでしょうか(=´ー`)? 処女作になるので、色々見苦しいと思いますけど、ってか中二病満載ですけど、暖かい目で見てくれればなぁ、と思います。
では、次回も見てくれる人がいるかわかりませんが、ぼちぼちやっていこうと思います。ではでは~。