1-9
更新にかなり間が空いてしまったので、申し訳程度の連続投稿です。しかし圧倒的寝不足の中書いた文章なので、色々おかしいところがあると思います。まー後々確認して修正していきますので、もしおかしいと感じた文面があれば遠慮なくコメント等でお知らせください。ただちに直します。
てゆーか眠い…
そして、だからこそ、この出会いは運命だったのだと思う。
そうでなければ、僕たち2人は互いに別の人生を歩んでいたのであろうから。
目を覚ますと、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいて、それが朝の訪れを知らせていた。傍らで小さくなって眠っている少女を見、僕は起こさないようにそっとベッドを抜け、部屋を後にした。
今朝はベーコンエッグにしようかと冷蔵庫を漁り、ベーコンを切らしていたことに気付く。フィアを家族の元へ届けた後に買いに行こうと考え、ベーコンの変わりにウインナーを取り出してフライパンの上に開けた。卵を割ってフライパンの上に垂らし、油の弾ける音と香ばしい匂いに気分を乗せながら、僕はオーブントースターに6つ程パンをセットした。
いつもならもう少し簡単に済ませる朝食であるが、お客さんがいるとなればそうはいかない。たとえ彼女が年端もいかない少女であったとしても、最低限、手を抜いた食事は出せないというものである。オーブントースターから軽快な音が響き、パンが焼けた事を知らせる。僕は焼き終わった一枚目の目玉焼きを皿に移してから、焼けたパンを大皿に移していく。それをテーブルに置いてから、二つ目の卵を割ってフライパンの上に垂らす。焼けたウインナーも先に皿に移し、レタスやプチトマトを盛り付ける。そうしてごく一般の、ありふれた朝食が二人分。あとはフィアを起こすだけだった。
二階に戻って自室を開けると、フィアは既に布団にはおらず──彼女はベランダのある窓から外を眺めていた。朝日を浴びながら。
煌めく朝日が艶やかな髪や肌を照らし、それは彼女がまだ子供であることを忘れる程に美しい光景を作りだしていた。街を眺める横顔は無邪気さと共にどこか大人びた雰囲気を醸し出している。薄く照らされた部屋に浮かび上がる白の少女の姿──まるで一枚の絵画であるようだった。
「あ。アラム」
フィアが戸の入口に立っていた僕に気付き、僕の名を呼ぶ。そして僕は、その声でふと我に返った。
「おはようフィア。朝食ができたから降りておいで」
「うん」
フィアは首肯し、トタトタと僕の後に付いてきた。その姿は、やはり先程とは全く異なり、ただ純粋に可愛らしいものであった。
席について二人でパンを頬張る。コップにホットミルクを注いでフィアの前に置くと、すかさず手に取り大きく傾けて飲み始める。その間に僕はフォークを手に取り、フィアの目玉焼きを食べやすいように四つに切り分けた。僕はバターやジャムを塗ったパンを食べながら、フィアが美味しそうに僕の作った朝食を食べる姿を見て、とても嬉しく思った。昨晩の夕食といい、これほど美味しそうに食べて貰えるのは作った者としてはこれほど嬉しいことはない。コーヒーを啜りながら、僕はフィアが全て食べ終わるまでその姿を眺め続けていた。
今日は大学が休みである。ゆっくりと朝の支度をしつつ、フィアの支度も僕が手伝った。彼女が来ていた白のワンピースは昨日の内に洗濯してあったのだが、既に乾いているようだったのでそれを着せた。この後は、フィアを家族の元へ帰してあげる為に警察へ出向く予定だった。たったひと晩の事であったが、この事は僕にとってかけがえのない思い出となった。きっと、娘ができたらこんなふうなのだろう。
しかし、今、少し気になっていることがある。未だに警察から、フィアの家族についての知らせの電話が届いていないのである。最初はすぐに知らせが来るだろうと思っていたのだが、結局、今になっても何の音沙汰もないのである。そしてこれは、僕に言い知れぬ不安を与えていた。
そしてこの不安は、後に起こる事態への予兆であった事を僕は知る。