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拾った黒猫が最強の守護神でした ~布団を奪うくせに国まで救います~  作者: モカ


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3/13

最強守護神の黒猫ふく、「整えただけ……」と言い残して帰る

ユキトが王都新聞に載った三日後。

ユキトは、王都の掲示板の前で固まっていた。

「……なんだこれ」

紙が貼られている。


題名。

『守護神ふく様に関する苦情・ご意見まとめ』


「誰だ作ったの」

恐る恐る読む。

----------------

・城壁を修復してくださったのは感謝していますが、途中で昼寝しないでください。


・魔王軍を追い返した後、「整えただけ……」と言って帰るのは何なんですか。


・国宝級の結界を張った直後に、ちゅーるを要求しないでください。


・守護神様が会議中ずっと香箱座りしていて話が入ってきません。


・威厳があるのかないのかわかりません。

----------------


「最後ひどくない?」

『事実だから仕方ない』

足元から声がした。

ふくである。

いつものようにやる気のない顔で座っていた。

「いや、お前、“整えただけ……”って何だよ」

『別に』

「絶対ちょっとカッコつけたろ」

『……』

「目ぇ逸らした!?」

ふくはふいっと顔を背ける。

『あの場の空気がそうだった』

「空気で喋るな」


その時だった。


ドガァァァァン!!


王都の外から爆音が響く。

兵士が叫びながら走ってくる。

「大変です!! 古代魔獣が!!」

「今度は何!?」

『騒がしい』

ふくは欠伸をした。

『行くか』

「軽っ」


 ◇


王都の外。

山のような巨大魔獣が暴れていた。

「終わりだ……」

「勝てるわけが……」

兵士たちが震える。

そこへ。


てちてちてち。


黒猫が歩いてきた。

「……猫?」

『下がっておれ』


次の瞬間。

空気が変わる。

黒い神威が夜空を覆い、巨大魔獣が硬直した。


『……ふむ』

ふくが猫パンチした。


それだけ。

それだけで。

山ほどあった魔獣が、音もなく消滅した。


静寂。


誰も動けない。

風だけが吹く。

そして、ふくは一言。


『整えただけ……』


「言ったぁぁぁ!!」

ユキトのツッコミが山に響いた。

『決まったと思ったのだが』

「なんで急に厨二病みたいになるんだよ!」

『……難しい』

ふくは少しだけしょんぼりした。

その姿を見て。

兵士の一人が、ぼそっと呟く。


「……かわいい」


『うむ』

「褒められ待ちだったの!?」

世界最強の守護神は、

ちょっとだけ得意そうに尻尾を揺らした。

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