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【白い結婚 -王女ですが婚約者に他に愛する女性がいると言われました-】  作者: ナロー
第3章 

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6 睡眠魔法


 医師がそばのメイドに目配せして、メイドが部屋のドアを閉めに向かう。無闇に室外に聞こえないようにするためだが、閉める直前に、ヴィルと同じく駆け急いできたジルとエドワード、専属メイドがやってきたので、彼らを入れてからドアを閉めた。

 室内に集まったヴィル達を見ながら、医師が言う。


「クリスティーナ様は、おそらく何者かからの遠隔の睡眠魔法を受けておられます」

「睡眠魔法……⁉」


 声を発したのはヴィルだ。彼は続けて言った。


「だからクリスは気絶するように眠ったというのか?」

「はい。睡眠魔法といえど侮ってはいけません。これは非常に強力なものであり、放っておけば食事を摂ることも、目を覚ますことすら出来ずに、いずれ栄養失調で死亡してしまうでしょう」

「……っ⁉」


 ヴィルを含めて一同に衝撃が走った。ヴィルが聞く。


「誰がそんなことを⁉」


 しかし医師は首を横に振った。


「私にはそこまでのことは……」


 ヴィルがとっさにエドワードに向く。エドワードはうなずいて、クリスがいるベッドへと近付いて医師に言った。


「探知魔法を使用致します。失礼します」


 医師が少し横にずれて、エドワードはクリスへと右手をかざすと手のひらに探知魔法の小さな魔法陣を展開させた。

 少しの間。探知魔法の陣を消してエドワードは振り返ったが、その顔に陰りの表情を浮かばせて首を横に振った。


「申し訳ありません。どうやら探知を妨害する魔法を使用しているようです。行使者の魔力を探知出来ませんでした」

「……っ⁉」


 ヴィルは拳を握り、そばの壁に近寄るとその拳を横殴りに叩きつけた。


「くそ……っ!」


 大きな衝撃音が響いたが、それでもクリスは安らかな寝顔で眠り続けていた。



 ちくたくと壁に掛かった時計の針が進む音が、やけに室内に大きく聞こえていた。

 トラルセン王宮内、クリスの私室。彼女が眠るベッドのそばに、ヴィルは椅子に座っていた。太ももに肘をついて両手を組み、その手に気難しい顔の顎を乗せている。


「殿下、もうお休みになられてはどうですか?」


 同じくベッドのそばで控えていたクリスの専属メイドが心配そうに声を掛けたが、ヴィルは一言、


「私なら大丈夫だ」


 そう答えるだけだった。時刻は午前零時を回ろうとしていた。クリスが倒れてから数時間、ヴィルはずっとこうして彼女のそばで見守っていた。


 室内には深く眠るクリスも含めて、四人の人間がいた。クリス、ヴィル、クリスの専属メイド、そして王宮仕えの女性医師である。

 眠り続けるクリスの世話をする関係上、専属メイドはヴィルにあまり見ないほうがよろしいのではと進言したが、彼は夫婦だから問題ないと答えるだけだった。



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