表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【白い結婚 -王女ですが婚約者に他に愛する女性がいると言われました-】  作者: ナロー
第1章 白い結婚

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/45

4 エドワード


 エドワードと名乗った男は礼儀正しく続ける。


「実は大事なお話があって参りました。邪魔が入らないように向こうのお部屋ででも」

「話……?」


 イワンが訝しげに眉をひそめたが、ベアトリスは余裕のある顔で答えた。


「構いません、ここで話してください。皆さんに失礼をして離席する手間を取るくらいなら、いまここでお話とやらを聞きましょう」


 ……どうせ大したことはないのでしょう……。とベアトリスは思った。王子であるイワンやこの国の公爵家である自分には、かねてより多くの者が言い寄ってきていたのだ。どうせこのエドワードという男もその一人なのだと内心で嘲笑していた。


 そしてこのエドワードが自分達に取り入ろうと様々な甘言を弄してきたところを、ばっさりと断って笑い物にしてやろうという魂胆だった。他の者への見せしめという意味も含んでおり、これでもう鬱陶しく言い寄ってくる者も減るだろうと考えていた。

 そんな思惑をベアトリスがするなか、エドワードが口を開いて言った。


「ならばお話致しましょう。ベアトリス妃殿下、貴女をアンナ妃殿下殺害の容疑で逮捕及び連行しに来ました」

「「ッ⁉」」


 ベアトリスとイワン、のみならず周囲で話を聞いていた取り巻き達が驚愕に満ちた表情を浮かべた。彼らには構わずにエドワードが続けていく。


「私、エドワード=アルファロはトラルセン王家直属の探偵であり、王立警察と同様の権限を持たされています。ベアトリス=エイバー、貴女がアンナ妃殿下を殺害したという証拠は既に揃えています。ご同行願えますね?」

「な、何を馬鹿なことを⁉ 貴方、ワタクシにそんなこと言って、後でどうなるか分かっているのでしょうね⁉」

「逮捕した貴女から自白を聞く。分かりきったことです」

「ッ!」


 ベアトリスの顔が怒りで紅潮していく。隣でうろたえているイワンがおろおろとしたように口を開いた。


「べ、べティ、どういうことだい? こいつが言っていることは嘘だよね?」

「おろおろしてみっともない姿を晒さないでください! ただでさえ貴方は権力しか取り柄がない能天気な馬鹿王子なんですから!」

「ッ⁉」

「そもそもこんな得体の知れない奴の言うことに惑わされるんじゃありません! あの邪魔なクソ女を巧妙に毒殺したなどと、はなから嘘に決まっているでしょう!」

「……………………え?」


 イワンを含めて、その場にいたベアトリスの取り巻き達が呆気に取られた。時間が凍りついたように、沈黙と静寂が場を支配する。

 ベアトリス自身も気が付いて、


「…………あ」


 声を漏らしたときには、全てが遅すぎた。

 エドワードが自分の胸元に右手を置いて、言う。


「もはや言うまでもないことかもしれませんが、とりあえず言っておきましょうか。ベアトリス=エイバー、何故、貴女はアンナ妃殿下が毒殺されたと知っているのですか? 私は毒で殺されたとは一言も言ってはいませんよ?」

「…………ッ」


 言い逃れできないことを悟ったベアトリスが、顔色を真っ青に染めて膝から床に崩れ落ちていった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ