表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【白い結婚 -王女ですが婚約者に他に愛する女性がいると言われました-】  作者: ナロー
第3章 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/45

2 三番目の調査報告


 気持ちを切り替えるように、ヴィルヘルムが話題を変えた。


「エドワード、二番目の調査報告を頼む。イワン=エイバーのその後の動向はどうなっている?」


 エイバー王国の元王太子であり、現在は王位継承権を剥奪されてしまっているイワン=エイバー。アンナの元夫でもあり、以前の報告ではベアトリスが処刑されたあとはエイバー王国の僻地に飛ばされて、幽閉同然の生活を送っているとのことではあったが。

 エドワードが答えた。


「イワン=エイバーは依然、エイバー王国の僻地で幽閉同然の生活を送っています。現在のところ、脱出したり反抗するような素振りは見られません」

「そうか。だが油断はするなよ、引き続き監視をするように。何かあればすぐに報告を」

「はっ。心得ております」


 自分をこのような境遇に遭わせたトラルセン王家に復讐してやる……万が一、イワンがそのような逆恨みをしないとも限らないので、あの事件が解決したあともこうして監視を続行しているのだった。

 ヴィルヘルムは口を開く。エドワードに頼んだ最後の調査報告を聞くために。


「三番目の調査報告はどうだ?」


 そのヴィルヘルムの声と心境は、先の二つの調査報告を聞くときよりも緊張していた。彼はこの三番目の報告こそ、真に最重要事項だと考えていたからだった。

 最も注意と警戒をすべき調査対象だと。

 真面目な顔を崩さずにエドワードは答えた。


「……ベアトリス=バルトリスの死体は完全に焼却された後、遺骨すら粉々に砕いてから、超高温の炎魔法にて灰すら残さずに焼滅させました。ベアトリスの肉体は、文字通りこの世から完全に消え去りました」

「……そうか」


 ジルが口を挟む。


「ベアトリスの死体を二度も焼く意味はあったのですか? 最初から炎魔法を使えばよかったのでは?」

「……念の為だよ。確実に焼滅させたと、安心する為のな」

「…………」


 ヴィルヘルムの言葉にジルは押し黙ってしまう。ヴィルヘルムが独り言のようにつぶやいた。


「呪文の詠唱……自身の名前と、行使する魔法の概要を口上すること……。ベアトリス=バルトリスが死の際に言い放ったあの言葉は、その条件を満たしていたかもしれない」


 ヴィルヘルムの脳裏にあのときの光景が蘇る。ベアトリスは自身の名を叫び、この世界の女王に相応しいと宣言していた。

 ジルが彼の言葉に応じる。


「考えすぎでは……? 魔法の呪文には、最後に魔法名を述べる必要があるはずです。ベアトリスは述べていませんでした」


 自身の『名前』によって行使者を特定し、魔法の『概要』によってその魔法をどのように扱うかを定義させ、そして魔法『名称』を告げることで実行する。

 それがほとんどの一般的な呪文詠唱の流れである。


「またあの時のベアトリスには魔力は発せられていませんでした。魔力を封じる枷をしていたからです。よって魔法を行使出来るわけはありません。絶対に」

「…………」


 ジルの断言に、ヴィルヘルムは押し黙る。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ