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白物語のシナリオができるまで  作者: 牧田紗矢乃


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4/4

その② 元になる話があるシナリオができるまで

 前回に引き続き、第二弾。

 今度は元ネタにしたい話がある場合のシナリオ制作です。

 このパターンは過去のシナリオで言うと「幽霊の振りをした話」が当てはまります。


「幽霊の振りをした話」は元々タイトルといたずら好きの先輩がいたこと、幽霊の振りをしたら痛い目を見たことの三点だけが決まっていて、2013年の9月末から放置されていた話でした。

 というのも、核心である「痛い目」の具体的な内容が決まっていなかったんですね。

 そんなお話が、白物語のシナリオを書くにあたって、そういえばこんなネタがあったな……と思い出したことで12年の時を経て復活することになったのです。


 そして、今回ご紹介するシナリオも同じように数年の時を経て世に出ることとなったお話です。




 この小説は恐らく、2020年の夏頃に書いたものと思われます。

 当時私は別の小説投稿サイトで「10文字怪談集」というショートショートの連載をしていました。

 その中の一遍「住むと転勤が決まる家」というのが元となって「住めない家」という短編が出来上がったのです。


 どうせなら他の10文字怪談も短編小説化して、以前連載していた怪奇短編集の第二弾にしてみようか。

 なんて考えていたので10文字怪談のナンバリングとしては160番台だったこの短編の公開は後回しになりました。


 その後、「こちら、キッカイ町立図書館フシギ分室・怪奇現象対策課! ~キッカイ町の奇怪な事件簿〜」にてその計画を実行に移したのですが……。

 2年半の連載で10文字怪談17本目というスローペース!


 このままでは「住めない家」の話が世に出るのが先か、私の寿命が尽きるのが先かわからない! ということで今回シナリオ用に編集することを決めました。

 短めのお話ですので、編集前のものをそのまま掲載します。




 入居者がコロコロ変わる部屋、というものは極小数ながら存在する。

 N県にある某アパートにもそのような部屋があった。

 と言っても、そこは心霊物件などではない。なぜかはわからないが、入居すると早い人は数週間、遅い人でも三、四ヶ月のうちに県外への転勤が決まるのだという。

 築年数も五年ほどとまだ浅いその部屋でなにか事件が起こったというわけでもなく、大家にも原因はわからなかった。


 Aさんはその部屋が入居者の入れ替わりが激しい部屋だと知って入居を決めた。

「僕の勤めている会社は他の支店もありませんから、転勤になる心配もないですよ」

 契約の際、Aさんは大家に向かってそう言ったという。

 しかし、Aさんもやはり二ヶ月ほどでその部屋を出ることになってしまった。

 勤めていた会社が突然倒産してしまったのだ。幸いすぐに再就職先が見つかったものの、そこはアパートから片道三時間はかかる距離だった。

 そこでやむなくアパートを引き払いAさんは職場の近くへと引っ越して行った。


 そうなると頭を抱えたのはそのアパートの大家だった。

 あまりに住人の入れ替わりが激しいと色々な噂も立ち新たな借り手が付きにくくなる。

 そこで取った苦肉の策は、大家自身がその部屋に住むことだった。大家はそのアパートを含む複数のアパートを所持しており、それらの家賃収入で生活していた。そのため余程のことがない限りこの部屋に住み続けられる……予定だった。


 転居から間もなく、大家の運転する車が居眠り運転のトラックに追突された。大きな外傷等はなかったものの、念の為に検査入院をすることとなった。そこで、たまたまごく初期の悪性腫瘍が発見された。

 大家は検査のため入院していた病院を退院すると、そのまま県外にある大きな病院へ入院することになったという。




 以上、約730文字のお話です。

 普段のシナリオが1500文字程度ですので、ここから倍の文章量に編集していくことになります。


 ①まず最初にやるのは導入の作成です。

 これはまっさらな状態からの製作過程と同じですね。

 季節に合わせた語り出しから始め、本編の内容に軽く触れる。

 今回はこのような形になりました。



挿絵(By みてみん)



 ②導入ができたら、本編に取り掛かります。

 とりあえず中身に大きな変更は加えず、三人称の固い文体をを一人称の柔らかな語り口調に修正していきます。


 大きな変更は加えず、といいながら、この時点で「アパート」という語句は「マンション」に置き換えられています。

 というのも、「アパート」はこの短編をシナリオ形式に改めるにあたって絶対にキーワードになると思っていた語句なのです。

 しかし、「アパート」というキーワードは以前 (節分の話)のシナリオでもキーワードになっています。


 シナリオをある程度の数書いていくと、キーワードの被りはいずれ発生することなのです。が、今回は「アパート≒マンション」ということで置き換えてもシナリオが破綻することはないと判断しました。

 それに伴い、「大家」より「管理人」の方がしっくりくると思ったのでそこも変更しています。


 ひとまず、文体の変更が終わった文章がこちら。



挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)



 この時点で決まっているキーワードは5つ。

 文章量も普段の2/3程度です。

 ここから先は文章量を増やしつつ、他のキーワードを決める作業になります。


 まず初めはAさんのエピソードの補強から。

「語り手がAさんから聞いた話」が主軸になるシナリオなので、ここのパートで一段ぶんぐらいは欲しいですね。

 あとはオチがあっさりしているので補強したい。

 ということで書き足したものがこちらです。



挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)



 分量的にもいつも通りぐらいになりました。

 あとは当日のコラボ前に再読して誤字脱字がないことを確認して作業完了となります。


 ※ちなみにこのタイミングでいくつかの「部屋」という単語が「三〇五号室」に置き換えられました。

 同じキーワードが頻出するのを抑えたり、フェイクのワードにするためです。


 次回は完結編にしてオマケ編、使用後のシナリオ!

 どうぞお楽しみに!

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