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石炭紀紀行(鱗木SF・改)  作者: 夢幻考路 Powered by IV-7
南の寒い大地から(ゴンドワナ採集編Day2)
72/195

知られざる木々 / ―描写を支える科学的背景―  ゴンドワナのコルダイテスに似た植物のこと

冷たい風に、乾いた葉叢が枝を擦る。

見上げれば、先の丸い、さじ状の葉が螺旋をなして茂っていた。

葉の多くは枝の先端付近にまとまっている。

下から見上げると、白い葉の裏側がどんよりとした灰色の空に溶け込んでしまうようだった。

この寒々とした光景にあまりにも不釣り合いではあるのだが、ある種のプロテアに少し似ている、とも思う。身近な園芸植物だと、たとえばユーフォルビアなどにも、枝だけ見れば、ちょっと似たシルエットのものがいる。

「この木、何?」

アリアが枝を一本もぎれば、針葉樹の鼻を抜けるような香りが、ふわりと香る。

現代の地球なら、こういう幅広の葉を見れば「被子植物」と相場が決まっていて、平行脈なら単子葉類、網状脈なら双子葉類を疑え、と学生は教わる。

そして、針葉樹のくせに葉が幅広なナギやイヌマキに出くわして困惑させられたりする。


しかし。

ここは石炭紀。被子植物が木本へと進化する、およそ一億五千万年以上も前の時代なのだ。

この時代では、それがどんなに幅広の葉であっても、どんなに花のような構造を持っているかのように見えても、すべて「裸子植物か、種子植物ですらないかもしれない」という前提を持って挑まねばならない。

そして、そもそも被子植物ですらないのだから、平行脈か網状脈かといった経験則に近い見分け方も、ここではあまり通用しないのである。


「ちょっと、詳しく見てみる」

私はもぎ取られた一本の枝を、しげしげと眺めた。

葉は、螺生。

長さは、7から8㎝くらい。長いもので10㎝。

先は丸く、短い匙状をしている。

無柄で、基部は枝を緩く抱き込んでいる。

枝に残った葉痕はレンズ状……いや、三日月状か。

葉を一枚もぎってみると、思ったより肉厚でジューシーで、少しだけ指が葉の裏に沈み込んだ。

ぱきっ。

ツンとした爽やかな香りが、指にこびりつく。

葉をもぎると、分厚い断面が、枝に三日月型の痕をなした。

葉脈は、平行脈…いや、ほぼ平行脈。

縁辺にかけて、いくらか分岐している。

はっきりとした中肋はない。

表は濃い緑色で、てかてかとしたワックス状の光沢がある。

裏は白っぽい。

葉表は分厚く、筋張った葉脈が硬くワキシーな表面を裏打ちしている。

裏を触れば、ぷかぷかとした葉肉の上に柔らかな毛が密生していた。

ルーペを取り出して拡大すると、葉裏に生えたトリコーム(毛)が、葉脈と平行に並んでいるのがわかった。

この気孔の帯がなんとも美しかったので、私はルーペ越しにカメラを当てて何度かシャッターを切った。

美しかったというだけではない。

これなら、同定に自信を持てそうだ。


視界がぱっと、明るくなった。

冷たい空気に、少し暖かさを感じたので見上げてみると、アリアもリリィも、夢中で観察する私の顔を至近距離から覗き込んでいた。

私が言葉も発さずにじっくりと観察していたので、何かとんでもなく珍しい大発見でもしたのかと思ったのだろうか。


いや…とても珍しい生き物は、私のほうか。

えぇ、もちろん、アリアの構えるカメラのレンズは私に向けられ、バッチリと撮られている。

私はふん、と一つ鼻を鳴らし、少し得意げに顔を上げた。

自信しかない。

「ノエゲラティオプシス(Noeggerathiopsis)、でいいと思う」

「え、いま何て?」

「Noeggerathiopsis、Cordaitesと同じっていう人もいるけど、少なくとも、一般的なCordaitesじゃない。表面からだとこの気孔の配置がポイント。できればクチクラと維管束も見ておきたいけど、それは持ち帰ってから鏡検かな」

ついつい興奮して、早口になってしまっていた。


「コルダイテスだと思ってた……いちおう、大きな括りとしてはコルダイテス類ってことで合ってる?」

「ま、いいんじゃないかな……たぶん」

諸説あるけどね。

私が適当に返事をした時、頭上からくるくると回りながら降ってくるものがあった。

なにかの羽虫かと思ったので、さっと手を伸ばして捕まえる。

しかし残念、タネだった。

薄く、ハート型の羽根がついていた。

ふむ、サマロプシス Samaropsis型か。

このタイプは割といろいろなグループに見られる…。

分類には残念ながら、そこまで役には立たなさそうだ。

しかし、コルダイテス類の種子としては、矛盾するものではない。

「ところで、さっき「っていう人もいる」っていってたけど、いつ頃の話?」

アリアがひゅっと顔を寄せて覗き込んできた。

だれでも知っていることだ。二十一世紀以降、地球は「大暗黒時代」に突入し、学問という学問がほとんど停止してしまっていたという歴史的事実。


「えーっと、十九世紀おわりSeward、二十世紀後半のMeyen、あとは…」

「もう、千年も前じゃない。カジュアルに出てくるの、不思議」


…たしかに。

私が古書堂の埃っぽい端末で読み漁ってきた、遠い過去の偉人たちの名。

そのあたりの時間感覚は、たしかに一般的な現代人とはズレているのかもしれない。

「…そうだね。たしかに…変なのかも」

「今の人のことより、やっぱり興味あるから?」

アリアは間髪を入れなかった。そう、行きの宇宙船でも、似たような話になったと思い出す。

大暗黒時代を生きた人々は、科学において何も残さず、何も生み出さず、歴史の教科書に載るような名は一つもなかった。

だから……私にとって、千年前の彼らのほうが、文字すら残さなかった直近の過去の人々よりも、ずっと身近で確かな存在であるように思えたのは事実だった。


「ヘン…かもね」

私がそう呟いた時、行きの船内での会話の空気を思い出して、少し胸にざらりとしたものを感じた。「ま、ケイらしいってもんよ。」

「あと、違うって直観は、何年たっても、生きてることがあるから…」

正しさに悩みに悩みぬき、わからぬことに対して生きた文字を自力で書き残した人々のほうが、正しさを妄信して、そもそも正しいものがあるという前提の下で付き従い、そうでないものを異端として切り捨てる者どもよりも遥かに信頼できる、と思いながら。そして、わからないがおそらく違うように思われる、という直観…いや直観という表現は根拠のないという意味をはらむから語弊を招くので使うべきではなかった…言い換えるならば、解釈、だろうか?は、尊重されるべきだし、少なくとも同じだからと言って排除されるべきではない、などと思いながら。

「新しくわかったからと言って、正しいとも限らない、昔のほうが正しいこともある、ってことね?」

「そう、彼らは…いなくなったわけじゃないから。ボクたちは、引き継がなきゃいけない」

私はそう、無難に話を合わせた。


…そんな簡単にまとめられても困る、とも思うのだが、しかしそうだからと言ってここで話し込むのもあまりよくはないように思われた。唯一無二の真理などというものを仮定して、それに縛られた教条主義になるべきではないと思っていて、うーむ…まぁ、そのあたりは、いい、か。


「で、この木の、ポイントは?」

私は、改めて見上げて、少し考えこまざるを得なかった。

針葉樹の系譜にあたる、と、この“幅広の”葉をつける植物を前にしていっても、説得力はないだろう。幹断面を示して仮道管の話をするか?

雌胞子嚢穂や雄胞子嚢穂にしたって、あるのは5mはありそうな木の上の方だ。

とりわけ現在の針葉樹に似ているわけでもない。ただ…

「現代の樹木につながるような多様なニッチを、最初に多様化して開拓したグループ、とは言えると思う。多様化していたらしいとはわかっていても、よくわからないことが多い、というやつ」

「どういうこと?」

「どうやら色々いたらしい、とはわかっても、全貌はよくわからない…コルダイテス類、と広くとらえても、高さ数十センチの低木から40mを越える高木までいた」

おそらくあの、湿地に渡してある板材もそれだろう。

しかし…わからない。

過去の世界には、わからないことが多すぎる。

「そもそもこのノエゲラティオプシスNoeggerathiopsisがコルダイテス類かどうかということについても、できれば胞子嚢穂は回収してよく研究しないと、なんともいいにくい…まだ未解明のところが大きすぎる。植物体のサンプリングと再分類が楽しみでならないよ」

森を作る最も一般的な木々ですら、知らないことばかりなのである。

「じゃ、ドローンで花とってく?」

できるんかい。

あとそれは胞子嚢穂で、花じゃ…と言い出しそうになって。やめた。



植物の強靭な根で固められた木立の下は、歩くにはちょうどよかった。

念のため敷かれた木道の板も、ぽくぽくと、歩くたびに心地よい音色を奏でている。

さながら、ちょっとしたハイキングといったところだ。

――もしここが、現代地球のよく整備された自然保護区だったなら、の話だが。


敷かれた板材の上には、時折何かが這っている。

立ったまま見下ろせばほんの黒い点のようだが、白っぽく煤けた板材の上にいるせいで一目でわかった。

落ち葉や、コケに覆われた林床を這いまわっていれば、見つかるまいに。

ここが現在地球のフィールドであれば、数匹は見逃して歩くこともできたかもしれない。

しかし、ここは石炭紀の南米大陸である。

化石記録が希薄で、しかも大暗黒時代を迎える前に研究が追いつかなかった空白地帯。

そしてゲートが開通してからも、訪れた自然科学者もまったくいない。

足元を這う小さなダニやトビムシの一匹一匹ですら、貴重なサンプルであった。

吸虫管が捗る、というものである。

ワレイタムシ類、地上性のダニ、カニムシ、ヤスデ、ザトウムシなどなど。

現代では絶滅してしまった分類群も、ちらほらみあたる。

しかし、概していえば、現代の土壌生態系のコンサバティブさに、驚く方がフェアだろう。

どれも、これより前の時代(デボン紀など)の地層からは既に化石として報告されている系統のものだが、この地域・この石炭紀という時代からはおそらくまだ報告されていないだろう、というものばかりだった。

ほぼ間違いなく、すべて未記載種だ。


「ここから五百メートルくらい歩くと開けて、大きな池と湿地があるわ」

前を歩くリリィの声が耳に入り、ハッとする。


一種見つける。

立ち止まる。

カメラの反射板を展開する。

マクロで撮影する。

ひたすらこれが続いて――私はさっきから、数メートルと進んでいなかったのだ。


「詳しいね」

「小さい頃からよく歩いた道だもの。『今日は』撮影のために貸し切りにしてあるけど、普段ならもう何人かの町の人とすれ違ってる頃ね」

リリィはそう言う。

「あの、沈みかけの危ない木道で?」

そう言いたかったけれど、ぐっと堪えた。

ここまでくると、もうだいぶ事情を察してしまう。

この町は――というよりこの星全体が、基本的にインフラがおんぼろなのだ。


カタカタと木道を歩く音が木梢に跳ね返り、何か這うものを見つければ、さっとしゃがみ込んで撮る。撮影はできればしっかり時間をかけて撮りたいところだけど、同行者を待たせているのでそこそこに。

吸虫管でシュッと採集して、液浸ボトルに放り込む。

アリアが言う。

「普段の調査なら、もう1キロは進んでた」

私は何か揶揄されているような気がして、ひゅっと肩をすくめる。

「でも、楽しい。一歩一歩、みんな未知だって、あらためて気づかされて。恐竜を追ったり追いかけられたりしてると、そういうのをついつい、忘れがちだから」

ふっと見上げたが、表情はよく見えなかった。


木道の板材が、一部腐って、纏めてうち捨てられているところがあった。

「ケイ?さすがにあれは、探すよね」

「ま、そりゃそうだよね、やらないわけには」

土場、とでもいうのだろうか、そこは流石に、木道から少し降りて、何かついていないか探さざるを得ない。

おそるおそる、体重をかけてみる。

しっとりとした落ち葉が、5㎝くらい沈む。

しかし、恐れていたほど深く積もっているわけではない。

腐植層はおおむね、15㎝くらいだろうか。

恐れていたような、「一歩進むだけで埋まってしまうような落ち葉」ではない。

朽ち木は思ったより腐朽が進んでいて、触るとじっとりと水を含み、ふかっと指が沈んだ。

「木は石炭紀でも、ちゃんと腐る。落ち葉はちゃんと土にかえる。この地域とて、みな炭田になったわけではない。」

そう、私は呟いた。

この旅に出る前、地球でAI「アトラス」と口論になりかけた時のことを思い出す。

『石炭紀には木材を分解する白色腐朽菌キノコがまだ進化していなかったため、倒木のリグニンが分解されずに地層に積み重なり、莫大な石炭が堆積した』という、世間に蔓延る有名な仮説だ。

考えるまでもなく、生態学的にありえないことである。

リグニンの植物中での比率は、木材中の重量比で二割から三割。シダや小葉植物では葉だけでもそれ以上の比率に達しうる。もしこれが何千万年もの間、一切分解されずにただひたすら地表に堆積し続けたとすれば、地球規模の炭素循環は瞬く間に崩壊してしまう。

化石証拠に関しても、石炭紀の化石木材における菌類による腐朽の痕跡は割とありふれたものであって――あの仮説はそもそも議論に値しない、というのが私の正直な感想だった。


「ね、今のもう一回言って、撮るから」

アリアが急かしたが、「えー。だって「AIは違うこと言ってます」ってなんか炎上しそうだし、嫌だよ」

と本音を晒してしまった。

「そういうのが嫌なんじゃ、ないの」

「嫌いだよあんなくそAI。でもどっちが正しいか論証のしようがないじゃないか、いくらでも「もしそうでも矛盾しない」ような言い訳立て始めて、自分のみが絶対に正しいと自己弁護にばかりはしる。」

「でも、ここに実例があるでしょ、サーバーも電波もゲートを通ってないんだし」

「これだって、「植民者が現在の菌を持ち込んだ証拠です」とか言うに決まってるよ、あいつら。」

そう言われて、私はしぶしぶ、上記のような話をしたのだった。

勿論、これが現在の菌のどれにも該当しないという証拠をそろえるための標本を採取しながら。


折角なら、ユーラメリカの石炭林でしたかったんだけどな。

ここ、極地のゴンドワナに石炭が堆積するのは、おもにペルム紀の初めからである。

ゴンドワナ氷床が溶け、そこにグロッソプテリス類を中心とした湿地林が成立して、はじめて石炭堆積が始まるのだ。

大規模な石炭堆積を可能にした植物は、リンボク類、グロッソプテリス、そしてヌマスギだ。特殊な通気組織を持った根を発達させている。

この、歩いても沈まない、比較的乾いた林床では。

たとえ石炭紀であっても――石炭はできないのである。


ところで、朽ち木での採集成果は、上々であった。

―描写を支える科学的背景―  ゴンドワナのコルダイテスに似た植物のこと


えぇ、またなんか誰も知らない木を出してきた、と思われていることでしょう…

動植物を出すたびに解説回を設けなければならない事態になっております。

石炭紀に限らず、有名さとフィールドでの出会いやすさは全然関係がないのです。

キャラクターがどういう地形をどう歩いて行ったときに何に遭遇するか、と考えていくと、まったくもって知名度のない動植物に遭遇する可能性が極めて大な場合がありまして、そのような動植物こそ、実際に現地を歩いている感が出るなあと思いながら書いています。


読者にはさぞかし苦痛でしょう!

すみません…

復元図を用意しろ!って?

ないんです。じゃあ自分で描くしか…となると、今度は筆が止まる。


愚痴はさておき、今回の解説を始めます。


Noeggerathiopsisはゴンドワナから知られるコルダイテス類「に似た植物」です。

グロッソプテリス類がゴンドワナを支配するようになるまで、またなった後も、Noeggerathiopsisは代表的なゴンドワナの木本であったようです。

Noeggerathiopsisがいったいなにものなのかということに関しては、正直意見が分かれています。コルダイテス類に少なくとも見た目はよく似ているのですが、グロッソプテリス類などとの関連を指摘する研究者もいます。

主な違いは葉の構造とされます。叉、Noeggerathiopsisのほうが基部に向けてすぼまり、先端が鈍頭のために概形が匙状になる傾向があるようです。共産する種子はSamaropsisおよびCordaicarpusで、コルダイテス類とよく似た風散布を撮っていたものと考えられます。幹に関して、インドや南アフリカなどから10mを越える直線的な幹が見つかっていますが(Seward, 1898)、これに関しては少なくとも一部はグロッソプテリス類の幹であるようです(Pant, 1999)。

作中では主に、Taylor et al., (2009)を参考に描いています。そのためNoeggerathiopsisの葉をコルダイテス類としては小柄として描写しましたが、ときに極端に長い場合も報告されています。極端なものでは80㎝に及ぶ例すらある(Seward, 1898)ため、そこは注意が必要です(一般的というわけではありません)。Noeggerathiopsisがコルダイテス類なのかどうかという点についてしばしば争点になる理由として、典型的なコルダイテスにみられる円盤を積み重ねたような構造の髄化石(アルティシアArtisia)が共産しないということが挙げられます。(Pant, 1999)

鉱化したNoeggerathiopsisは南極から知られています。(McLoughlin & Drinnan, 1996.)興味深いことに北半球の極地であったアンガラ植物群(シベリア大陸)のRufloriaとの共通点がいくつか指摘されます。どちらもコルダイテスなのか、そもそもコルダイテス類ですらないのか、と議論が続く、謎の多いグループです。

創作メモ

石炭紀の(グロッソプテリス類が出現する前の)南米において、Noeggerathiopsisは頻繁に産出する植物であり、主に間氷期の森林を構成する要素だったようです。種子としてはSamaropsisおよびCordaicarpusがともに産出しがちで、おそらく種子と葉の対応関係にあります。おそらく葉から知られる以上の多様性があったのでしょう。(コルダイテス類という存在自体が、恐ろしく多様なグループを乱暴にまとめてしまっている面があります…コルダイテスといっても灌木なのか高木なのか、葉が5㎝なのか1mなのかすら描写できないのです…泣)

時代および環境の考証的に、モスコビアン初期のゴンドワナ植物群がどのような構成であったのかと考えるのはなかなか難しい作業です。これがしっかり乾燥した、やや丘陵地などであれば初期の謎めいた針葉樹(Buriadiaなど)や謎の裸子植物(“Ginkgophyllum”)などが出せるのですが、これらは乾燥地を示唆する、しかも新しいグループであり、湿地をちょっと歩いて出てくるという展開にはしにくいです。

そして、湿地植生しか出すことが難しい、となると大型木本はNoeggerathiopsisが出せる候補として残るかな、というところです。コルダイテスである!と言い切るのはリスキーなのでやめました。あと、葉をじっくり見て、これはNoeggerathiopsisと言われてたものに相当するよ、と観察する展開のほうが、キャラらしいな、と。

ところで、石炭紀におけるアンガラ植物群とゴンドワナ植物群の類似性は様々な分類群でたびたび指摘されており、一方で詳しく見てみると大きな違いがみられるケースも多々報告されています。これはもしかすると、同時期のユーラメリカの植物群より古風な特徴を残していることに由来するかもしれません。

Taylor, E. L., Taylor, T. N., & Krings, M. (2009). Paleobotany: the biology and evolution of fossil plants. Academic press.

Seward, A. C. (1898). Fossil plants; a text-book for students of botany and geology. Cambridge University Press.

Pant, D. D. (1999). Dominant gymnosperms of the Glossopteris flora. Journal of Palaeosciences, 48(1-3)), 111-125.

McLoughlin, S., & Drinnan, A. N. (1996). Anatomically preserved Permian Noeggerathiopsis leaves from east Antarctica. Review of Palaeobotany and Palynology, 92(3-4), 207-227.

Césari, S. N. (2023). The late Serpukhovian-earliest Moscovian flora from westernmost Gondwana. Review of Palaeobotany and Palynology, 317, 104969.


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