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石炭紀紀行(鱗木SF・改)  作者: 夢幻考路 Powered by IV-7
海洋編(2)航海調査へむけて
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戦果

金切り音が耳の底に染み付いて、耳鳴りなのか騒音なのか、もうよくわからなかった。アリアはそのウェーブのかかった髪を抑えながら、時々何か唇を動かしたけれど――騒音と、座席に突き上げる振動のせいで、何を言っているのかはよくわからなかった。

「なに!?」と聞いても、また唇を動かした後に、

「いいの!いいから!」

――そのくらいしか聞き取れない。

聞こえないことを前提に、何か思い思いのことを言ってる、ということだったりして。ただ、何かすごく嬉しそうだということは、十分伝わった。

線路の先に、駅が見えてくる。

おどろいたことに、石造りだ。白っぽい石灰岩を組んで作られていて、小さな石蔵のようだ。駅のホームもまた、小さいながらも、それなりによく整備されている。

そんなホームに、大きく手を振る人影があった。

ひまわりのような鮮やかな黄色のスカーフが、海風にはためき、黒髪がオリーブ色の肌に揺れている。

「おかえりなさい!戦果は、どう?」

リリィは満面に笑みを浮かべながら、私とアリアの顔を覗き込む。

背後に広がる海よりも、きらきらした瞳で。

「けっこう、大収穫」

私は大きなコンテナを引っ張り出しながら言うと、アリアは「ケイったら、磯ごと持ち帰りそうな勢いだもの!しまいには駅の足ふきマットだって持ち帰ろうとしだして!」

するとリリィはきょとんとしながら、

「足ふきマット・・・?それって、あの・・・?」

「い、いや、何の植物が使われてるのかなーって気になっただけで、えーっと…」

「ちょっと掛け合ってみるわ。どこの製品だったかしら…あれよね?うろこぎの穂先を開いて干したやつ。」

「えっ、本当にいいの?」

「そりゃもう!どんどん無茶言っちゃって!」

トロッコに野積みされたコンテナは、触るともう、人肌よりは暖かかった。

活かしての輸送は――きびしそうだ。

現場で撮影して、液浸標本にして運ぶという選択は、正解だった。


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