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石炭紀紀行(鱗木SF・改)  作者: 夢幻考路 Powered by IV-7
凍てつく地でも、採集を。
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夜明け

明け方の赤紫色の空が、空をかすめ、ゆく雲が青紫の帯となって、横切っていく。


寝袋にくるまる。


ライトトラップは、ただ静まり返っていた。

日付の変わる22時45分に集まった虫を全て回収してからというものの、新規の来客はまるでなかった。


低温ゆえか。


もし、これが熱帯域であれば、明け方のピークに沸き、数刻の仮眠をとるなど許されざる失態であったであろう。


先ほど捕獲したMegarachneが封をしたバケツの中でガサガサと騒いでいるのがやけに耳についた。


寝る時にパッと眠れるというのはなんと素晴らしい才能だろう、アリアは5秒とたたず、すっかり寝静まっている。


眉毛に霜がおりそうなくらいに凍てつく空気、赤みを帯びつつある、紫色の雲。そこに、煙突みたいに、吐息が白く立ち消えていく。


のであろうか、である。思われる。

私の頭の中では、そんな文言がくるくると巡って、ただ目をつぶっていた。あと、話し過ぎて喉の奥がちょっと、痛くなった。

それでも、全く眠らないよりは遥かにマシである。


日がすっかりのぼった頃、物音がした。

目を開けるとライトトラップはすっかり片付けられていて、アリアは出発の準備を整えていた。


寝袋を出ると、つんとした寒さと共に、日の照りつけがシャワシャワと、肌を痺れさせるような感覚である。

さっと荷物をまとめると、今日の、ひとつめの観察へと向かう。


この町に滞在するのは、今日が最終日だ。

飛行機で、ひとっ飛びして、次に向かうのは熱帯の海である。


ただその前に、ロドリゲス氏の鱗木農園を取材して、かけておいた大量のトラップを回収せねばなるまい。――両立、できるのか?

そんな疑念が、ふと浮かんだ。

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