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酒盛り6日目

 昨日、俺は魔法が使えるようになった。精神年齢が中学生止まりの俺はサイコーに厨二病心があるので、魔法が使えることにかなりの感動を覚えた。

最近は魔法の扱い方が慣れてきて、料理、洗濯、整理整頓、その他諸々が魔法で同時にこなせる様になってきた。物凄く便利だ。

今日はライトから「ここで待ってて」と言われたので、指定された場所まで飛んでいく。


 「ココだよー!」


 ライトの声だ。先にライトが着いていた様だ。


 「よっと。着地も安定してきたな。」

 「相変わらず魔法が上手いこと。」

 「俺の十八番だ。」

 「それ普通、異世界出身の僕が言うんだけどなぁー?」

 「ライトは魔法使えないでしょ。てか、何でこんなだだっ広い空き地に呼んだんだ?」

 「まあまあ、ゆっくりお酒呑みながら話しましょうよー。」


 地面には敷物が敷かれていて、その上にはクーラーボックスと日本酒があった。かなりお高い日本酒だった。俺には呑む以外選択肢がなかった。


 「それで、本当に何でここなんだ?理由無しって訳じゃ無いだろ?」

 「そろそろ、奴らが来ると思ってね。流石に容疑者が二人揃っているのにつわものを寄越さない訳ないよ。」

 「俺の力試しってことかよ?」

 「…いっくん自身試したいよね?」

 「俺はそんな乗り気になってないぞ?!俺は戦闘狂扱いかよ?!まぁ、どのぐらい護身用に使えるか見てみたかったけど…」

 「それじゃあ作戦会議ー!」


 と言ってから一時間ほど経ってから丁度、酒瓶が空いた頃、


 「来たね。」

 「急だな。やっぱり。」

 「僕はいざとなったら異世界に飛ばすから、安心してねー!」

 「もう遠くに避難してる?!」

 「来たよー!」

 「本当に来たぁー。」


 最初こそ身構えていたが、この前来た奴と同じ立場の奴だった。風魔法でかなり遠くに飛ばしたので、しばらくは戻って来ないだろう。次来たら、ライトに異世界に飛ばして貰おう。


 「ライトォー。終わったぞー。」


 ライトからの返事はない。イタズラかと思ったが、ライトの魔力を魔法で探知してみても居ない。

やはり、もう一人敵が居たのか?けど、ライトは見たら異世界に飛ばせるはず…いや、もう一人の敵が幹部ならアリエール話だ。二度目の戦闘の相手が幹部って終わりですやん。まずは能力の判明が先決だな。


 「やあ、ウチの弟がお世話になっているようだね。」

 「…幹部ってライトの兄者かい。王族に魔法使うのは気が引けるなぁー。」


 ここで、ライトの兄者なのは好都合だ。何故なら、ライトの血筋が全て"移動"に関することだからだ。能力の判明は早く出来そうだ。


 「まず僕からいくよ。」


 俺とライトの兄者との距離は大体、20m程。瞬間移動か、ワープホール、もしくはそれ以外と仮定が出来る。取り敢えず、避けてみよう。と考え後ろに体を傾ける。直後、横から拳が飛んできて、当たってしまう。


 「ぶふぅ!」


 魔力が込められた拳だからか、すごく痛い。しかし、今の攻撃で分かったことがある。ライトの兄者の能力はワープホールか、それに近しいナニカであること。殴られた時に横を見てみたら、体は無く、腕が孤立して俺の方へ向かっていたのだ。

 となれば、対処は簡単。

 まず、全身を魔力でコーティングした後、拳が来たら、コーティングした魔力の6割を爆発させる!残り4割は体を守る!この作戦でライトの兄者の腕を木っ端微塵にしてくれる!許せ、ライト。

 と心の中で謝罪してると、拳が来た。俺は光った後に爆発した…





 ドゴォォォォォンという音と共に僕は後方へ吹っ飛んだ。そんな威力の爆発の中心に居た僕の腕は無くならずとも黒く焦げていた。


 「派手にやったな…この威力は流石に自爆だな。なあ、ライトよ。」


 その時、亜空間に閉じ込めていたライトを出す。


 「これは…」

 「佐藤が自爆したんだ。憎むなら人1人守れない弱い自分を憎め。」

 「……あ…」

 「ふふ、滑稽だな。佐藤が生き返るといいな。そんなこと起こるはずないが…」

 「生き返りました。佐藤です。」

 「後は宜しく頼みますよぉー。いっくん。」


 と言ってライトが消える。


 「おう、任せろ!」

 「は?」


 何故佐藤がいる?!自爆したんじゃ無いのか?!

この威力は全ての魔力を注がないと無理だろ?!


 「魔力回復完了!もう一回やるぞー。」

 「待ってくれ!話せば分かる!」

 「あ。ごめん。もう止められないわ。」


 佐藤の体が徐々に光っていく。

 「クソォォォォーー…」


その後ライトかヒョコっと現れる。


 「終わったー?」

 「おう、気絶してるわ。」

 「コレで騙せるとはね。」

 「ああ、体が発光する魔法。主に洞窟探検に使われるそうだが、爆発魔法によく似てるから作戦通りビビって気絶。ライトはよくこんな作戦を考えつくもんだな。いやはや、疲れたわぁー。」

 「お疲れ様でした。もうお兄ちゃんを異世界に飛ばしたから後はゆっくり呑むよー!」


 と言いながらさっきと違う日本酒をクーラーボックスから取り出す。


 「おー!」



 「「カンパーイ!」」

 「さて、今日も質問コーナーしますよー。では、質問をどうぞ。」

 「ライトの兄弟って何人居るの?」

 「僕含めて26人だね。それと、僕は末っ子だから。」

 「26人…もう驚けないよ。うん…」

 「後、僕以外の兄弟全員、二世界平和連盟の幹部だから。」

 「ライトの親も幹部?」

 「うん。」

 「さっさと、犯人探さないとライトの兄か親に負けますねぇー。」

 「いよいよ、切羽詰まってきたね。」

 「仕事中に来られたら困るから、明日から会社休もうかなぁー。」

 「それなら丁度いいや、僕、明日から異世界に行って犯人探そうと思ってたからいっくんも一緒に来てよ。」

 「…マジで?」

 「別に断ってもいいよ。異世界に行くってことはリスクが高まるし…」

 「行きますっ!」

 「え?でも…」

 「行きますっ!」

 「あ、ありがとう。」


 異世界に行く。コレは全厨二病の病人の夢ではなかろうか。魔力、魔法が使えたら今度は異世界!

同胞よ…私は一歩先に夢を叶えてくるぞ…!

 と決意を固め、日本酒を呑んだ。次にライトに会う時はお高いワインでも持ってこようかな…


 それと、帰る途中に風魔法で飛ばした奴に出会ったので、もう一度飛ばしといてあげた。

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