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酒盛り5回目(前編)

 「ふぁぁぁぁーー」と俺は大きめの欠伸をした。

何てったって今、深夜1時ぃぃ!良い子も、悪い子も寝ている時間である。こう言う俺も通常、10時ぐらいに寝ているので、缶コーヒーを飲みまくってやっとここまで来たのだ。ライトに会ったら殴ってやろうかな?…嘘だが。とか考えながらいつもの店へ歩いていると、「わっっ!」と前から突然ライトが現れた。


 「うわぁあああぁぁ!!」と俺は情けない声を出しながら尻餅をつく。そこで、ライトが言う。


 「あはは!そこまで驚く?!やっぱり、いっくんは面白いねぇー!」


とか、ライトが言ってる間にズボンについた土を払いながら立つ。

 「…何でアンタはそんなことで笑えるんだ?ただ28のサラリーマンが驚いただけだぞ?」

 「そこがいい味出してるところなんだよ。まだ、いっくんには早かったか…」

 「何故だろう、すごくバカにされてるような気がする。」


と居酒屋に行く途中でも雑談をする。…あれ?急に暑くなった?…気のせいだな。元から暑いのだ、もっと暑くなったら体が溶ける。さて、今日は犯人探しをする予定だが、多分10人以上候補が上がるだろう。どんな人間でも探せばそのぐらい恨みがあるものだ。ライトの場合、王族という立ち位置だから、恨みは抱かれやすいと思われる。

 

 「着いたー。」

 「もういつもの居酒屋に着いたのか?かなり早く着いたような気がし…た…何処ここ?!」

 「オキナワです。」

 「さっきまで北海道に居た気がしたんですけど?いつ空の旅したんだ?」

 「まあまあ、そこら辺は中で話しましょー!最後にはプレゼントがあるよー!」

 「ちょっとぉぉーー!」と言いながら居酒屋へ引き摺られる。さっきの違和感は沖縄に一瞬で連れて行かれたためか!考えると周りが見えなくなる俺の習性が裏目に出た!くそぉぉ…!


居酒屋にて…


 「さて、最初に聞きたいことは何かな?」

 「何で沖縄にいるん?何千kmをどう移動したんだよ?」

 「僕の能力のオマケみたいなもんだよ。知っている場所ならどこへでも行けるよ。」

 「えぇー。瞬間移動がオマケかよ。てか、沖縄来た事あるのかよ?!」

 「たまたま異世界から"世界移動"発動させたらここだったんだ。」

 「異世界から"世界移動"する時は知らない場所でも発動出来るんだな。けど、発動したところが地中だったらどうするんだ?」

 「それは心配ない。僕が住んでいた星と地球は同じ形なんだ。ここで言う"並行世界パラレルワールド"って奴?けど運命までは同じじゃないよ。」

 「なんか知っちゃいけない物まで知った気がするぜ!」

 「さて、あと他に質問あるかい?」

 「ライトの能力にクールダウンはあるのか?」

 「2〜3秒あるかな。能力の回数制限とかは無いよ。」

 「ありがとう。これで俺のライトの能力に関する質問は無くなったかな。」

 「それじゃあ、犯人探しと行きますか。」

 「そうだな。まず、ライトの家族や親しい人間はどのぐらいいる?」

 「ざっと…2500人ぐらい?」

 「多!!」

 「家族が112人、メイドさんと執事さんの人数は辞めた人も合わせると、1000人ぐらい。親戚はかなり多くて1200人強。後、他の貴族で知り合ったのが、131人…だったと思う。」


 よく家族の人数とか、貴族の知り合いの人数とか覚えているもんだ。王族って大変そう。んで、全くの他人や庶民が犯人なのはかなり考えにくいと見ていいだろう。会ってもないのに「俺はお前を恨んでいる!」とか絶対に有り得ない。そもそも、庶民がお偉いさんに会う機会など皆無に等しいはず。なら殺せる物も殺さない。これだけ考えて、2500分の1人…いやはや、これ大変ってレベルじゃねーぞオイ。


 「ぷすぅーーーーーーー…」

 「ガス抜けた?」

 「考えてたらガス抜ける体質なんだ。」

 「どんな体質だよ。」

 「他に手がかりないのか?例えば、こいつが僕に恨みありそうだーとか。」

 「…あまりないね。王になる前だったから5歳から隔離されて、あまり人に会えた事無かったから人に恨まれるようなことはしてないと思うよ。」

 「会えた人ってどのぐらいいるんだ?」

 「家族と、立場が上の親族と、数人のメイドさんと執事さんだけだね。それで、300人ぐらい?」

 「数がおかしいのよ。」


 しかし、今ので分かったことがある。それは、ライトの行動によって恨みを買ったのではなく、その内、王になったりするライトの境遇などで恨みを買ったっていうのが考えられる。念のためこんなことも聞いておく。


 「それで、隔離されている時は、ガラスとか物越しで話していたのか?」

 「うん、全員と面会室で会ってたよ。」


 やはり、境遇などで恨まれたか。ライトに限って素行が悪いとか無いだろうし。ライトが恨まれる事はしてないと言ってたのも頷ける。ファー。頭痛くなってきた。王族のイザコザは面倒臭い。こんな時はビールに限る。ウオォォォォ!!


 「プハァァァーー。ウンメェェェェ!」

 「いっくん?!今ので6杯目だよ?!そろそろ倒れるって?!」

 「ZZzz…」

 「寝たァァァ?!?!」




その後…


 「…ハッ!寝落ちしたか!今の時間は?!」


 急いで腕時計を見る。今の時間は2時。ここは…公園か?ライトが移動させてくれたのだろうか?ビールを呑みまくったせいか、少し頭が痛い。しばらくボーっとしてよう。とか考えて座ってると、


 「やっと起きたか。」と声を掛けられた。明らかにライトの声では無かった。

 視線をそちらにやると、ブランコに40代後半ぐらいの男が座っていた。


 「貴様は二世界平和連盟から敵視されている人物。すぐ楽にしてやるからじっとしてろよ?」


と言ってブランコから立ち、こちらに歩いてくる。


"ニセカイヘイワレンメイ"?何だそれ?!楽にしてやるって…俺、28歳にしてタヒぬ?!もう少し生きてていいでしょ神様よ?!と色んな思考が巡る。

 そんな時、男が何もないところからナイフを取り出す。俺はそれを能力だと悟り同時に、この男が異世界人である事を悟った。佐藤 弌正、絶体絶命!



 俺ぇー今日が命日なの?嫌なんだが?


                 後編へ続く…

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