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酒盛り4回目

今日は店内でライトと会うことになった。


ライトに会うのメッッッチャ気まずいよぉー。しかし、気になるのはどうやって"異世界とここの世界を移動してるのか"だが、絶対話してくれないでしょ!かなり言うの渋ってたよ?流石に言わないよ?とか思いながら、いつもの居酒屋に着く。その後、ライトを探していると。


 「おーい!ここだよ!」


ライトの声である。急いで声のした方へ向かう。


 「やっと来たかいっくん。」

 「やっとってことは遅れたか?」

 「集合時刻の5分前だよ。」

 「遅れてないやん。まぁ元気でよかったよ。あの雰囲気のまま酒呑むかと思ったぞ。」

 「いやいや、元気だけが取り柄だからそれはないよ。んじゃ、あの話説明するけどいい?」

 「…ん?あの話って?」

 「あれ?いっくんが話しても話さなくてもいいって言ってたじゃないか。」

 「あーうん、話してもいいぞ。」


 あれ?先週渋ってましたよね?何でこんなスイスイ話する事になってんの?勢いで「話してもいいぞ」って言っちゃったよ?あの話大変興味深いから

聞きたいなーとは思ってたけど!


 「まず…」


 あぁ、始まった。


 「僕、異世界で王族産まれで、王になる予定だったんだよ。」

 「へ?王ぅ?」

 「うん、第…138…4代目だよ。」

 「王いるって言う設定はアニメとか小説と同じなんだな。」

 「まぁ、日本で言う内閣総理大臣みたいなもんだから。どんな集まりにも代表は必要だよ。」

 「確かに。…あれ?王になる"予定"ってことはまだ王じゃないって事か?」

 「相変わらず変なとこ鋭いねー。そうだよ。親に勘当だ!っていわれてね。」

 「ライト…何やったんだ?どーせやばい事したんだろ。」

 「いやいや、濡れ衣を着させられてね。てか、いっくんの目に僕はどんな風に映ってるんだよ!」

 「すまんって。けど、いつあの話の答えが聞けるんだ?今の話と関係が見えないんだが?」

 「…そこまで言うんだったらもう言うか。前に、僕が異世界に能力あるけど、どんな能力欲しい?って言ったの覚えてる?」

 「あれ、1時間考えたから覚えてるぞ。それがどうかしたか?」

 「僕は異世界出身だから、当然、能力はある。その僕の能力がいっくんの話の答えになるんだ。」

 「…瞬間移動か?」


 こう答えた理由は1時間考えた末に出した結論だったからだ。それ以外、思い浮かんだ能力なかったし。


 「だいぶ惜しいけど違うんだなぁー。僕の能力は"世界移動"。その名の通り、ここで言う異世界とここの世界を好きなだけ移動出来るんだ。」


 この時、俺はその能力にクールダウンがあるのか。や、移動する場所は決められるのか。などなど、聞きたいことは山ほどあったが話を進めるべく、これを聞いた。


 「ほぉ、だから例の薬を手に入れてからここへ帰ることも可能だった…と。しかし、なんでその能力のことを言わなかったんだ?あんなに言うか言わないか悩む事か?」

 「それを説明するにはさっきの話に戻らないといけないね。」

 「あの濡れ衣の話か。」

 「人聞きが悪いけどそうだね。それで、どんな罪を着せられたかというと…」


俺はこの時1番重い罪は何か?と考えたらこの答えが出た。大体の人が同じこと言うだろう。


 「殺人か?」とかね。

 「正解だよ。本当に変なとこ鋭いね。」

 「もう誉めなくていいから。」

 「誉めてないんだけどなぁー?まあいいや。それで、その殺害された人がかなりのお偉いさんでね。王族の権力でも、その人の死亡は隠しきれなかった。そこで、僕に恨みがあるのか知らないけど、誰かが僕が事件を起こした事にした。そしたら、僕が容疑者になっててね。すぐ指名手配されて、異世界に居られなくなってしまったんだ。」

 「なるほど。それじゃあ、どうやって例の薬を手に入れたんだよ?普通に買ったら店員にライトってことバレてTHE ENDだろ。それと手に入れた理由も教えてくれ。」

 「盗んで能力発動した。理由はいっくんの考えてること本当に厨二病心があるのかなーと思いまして。」

 「ライト君?盗みは普通に犯罪だし、俺に厨二病心はない!」

 「いっくんこの前、男に厨二病心はあるものだって言ってたじゃん。」

 「そのような事実は断じてない。」

 「いや、言ってたじゃ…」

 「断じてない!」

 「……」

 「そんな白い目で見ないでおくれ、ライト。」

 

 話が脱線してしまった。俺のせいだけど。俺は早く教えて欲しいから急かすように言う。


 「それで理由は?さっきの指名手配とかの話と関係あるんだろ?」

 「あぁうん、それじゃあ話すよ。僕が指名手配中で、何週間前もいっくん一緒に居るから、いっくんが共犯って事になってるんだ。」

 「えぇ?!」


 待て待て待て待て、一緒に居るだけで共犯扱いになるんすか?異世界の法律のせいなのか?!いや、それよりもまず…


 「ライトは一緒に居るとその人が共犯扱いになることを言っていたのか?」

 「いや、そんなことは絶対にない。」

 「そうか。ならよかった。」

 「…あれ?」

 「ん?」

 「ありゃりゃ、1つ目の理由無くなっちゃった。」

 「え?無くなっちゃったって、1つ目の理由なんだったんだよ?」

 「あー、わかった言うよ。君が暴言吐きながら帰って、一生会えなくなるかも…と思ってたんだけど…」

 「俺、そんな奴に見えてた?」

 「いやいや、普通そのぐらいするからね?!」


 する…のかなぁ?もう友達みたいな関係値だ。俺は友達に暴言を言ったり、自分から離れる薄情な人間では無くなった。全く、俺の評価はどうなっているんだ?いや、そんなことよりも他の理由を聞いてみよう。


 「他の理由はないのか?また、俺のことじゃないだろうな?」

 「ちょっと、いっくん関係だね。」

 「俺関係ばっかり?!…それじゃあ、2つ目の理由、言ってくれ。」

 「…それは僕が自首するか、冤罪の罪を晴らすかしないと、いっくんの共犯の罪は無くならないこと。この後自首する予定だから、これも無くなったも同然だけどね。」

 「え?お前自首するのかよ?」


 そんな話を聞いたら、自首なんてしなくていいだろ?!何でライトが無実の罪認めなきゃならんのだ?!と言う言葉が出そうになったが、理由は明白だった。

 俺のことを助けようとして自首をしようとしたのだ。

 それなら、こっちも助けようとしないといけないだろう。それが筋ってもんである。だから、こんな提案をした。

 「それじゃあ、二人で本当の犯人見つけよう。そしたら、ライトは罪が無くなって、王にもなれる。俺の罪も無くなるから一石三鳥だろ?」


ライトが声を徐々に荒げてこう言った。


 「何で君がそこまでやるんだよ?君が僕のことを助けなくても、僕が自首すれば済む話じゃないか!」


この言葉は俺の周りに危険を作りたくない、というライトなりの優しさなんだろうが、俺は友達を見殺しには出来かねる。と考えた後、穏やかな声で俺は返す。


 「身体張ろうとしてる友達を止めるのは、そんなにおかしい事なのか?」


 ライトは俺の言葉を聞いて、しばらくしてから微笑する。


 「やっぱり、いっくんには敵わないなぁー。受けたよ、その提案。」

 「俺が考えた最善策だからな。受けて当然だ。」

 「何なのー?そのドヤ顔ー。」

 「してないぞ?!」

 「してたよー。」


 と緊迫した空気は突然なくなり、いつもの雑談になった。日を跨いだぐらいに、2軒目へ行き、作戦名やら、団名(二人だけなんだけどな。)やら決めた。犯人探しは来週するとのことだ。ライトの能力のことや、その他の近辺のこともライトが来週、まとめて聞くらしい。

 ちなみに、今日貰ったお給料は半分ほど消えたのは秘密である。犯人探しより、お金探ししたい。





 作戦名:濡れ衣乾かす前線

 団名:酒盛り団           になった。

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