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酒盛り3日目

 「あぢぃーー。」


 ライトに出会って2週間。もう7月に入っていて、今日の最高気温31度だぞ?!暑すぎるにも程がある!地球温暖化なくなれー。…と考えているにもかかわらず、奴は「涼しいね」とかほざいている。


 「お前は暑くても元気だな。ライト。」

 「僕は元気だけが取り柄だから!」


 はい、ライトです。本当に暑くないのかあんたは?


 「うん、暑くないよー。」

 「心読んだ?!」

 「勘で言ったんだけど、合ってた?」

 「ベストアンサーだが?」


 何この人怖ーい。涼しそうだし、勘で人の心読むし。


 「怖いっていわないでぇー?」

 「絶対勘じゃないだろ。」

 「100パー勘だよー。」


 と会話しながらいつもの居酒屋へ。こんな暑い日の冷えたビールは特段美味い。


 「あぁーーーッッ!キンキンに冷えてやがる!

ありがてえ!」

 「え?カ●ジ?」

 「俺今日50メートルの鉄骨渡るんだ。」

 「僕の友達カ●ジだった?!それと、今日あと2時間で終わるけど?」

 「大丈夫。鉄骨の上で走るから。」

 「うん、佐●やん。」

 

 この会話今の子供分かんのか?てかなんでこっちの世界のこと分かるんだよ。

とか心の中でほざきながらビール3杯目をゴクゴク。さぁーて今日はどんなことを聞こうかなぁー。と考えていると、先にライトが質問をする。


 「いっくんの給料いくら?」


 …前々から分かっていたことだが、コイツ距離感バグっている。近いんだよ!距離感!もっとソーシャルディスタンスしろよ!カ●ジ知ってんのに何で

ソーシャルディスタンス知らないんだよ!?給料は月給34万だよ!文句あんのか?あぁーん?


 「へー34万なんだー。文句はないよ?」

 「…あ。」 


 ビール3杯呑んだからか、コイツ人の心読めるの完全に忘れていた。さっきの怒涛のツッコミラッシュもきいてたの?てか、先週も心の中読んでたとしたら、ノリツッコミとか「うぉーー!落ち着け俺の厨二病心!」も知っている?!ものすごく恥ずかしい!過去の俺を殴ってやりたいぜ!と思いながら話題を変えるため、話をふる。


 「ラ、ライトはここに来てから仕事とかしてんのか?ほら、この前一番困ったことはお金がないことだっていっていたじゃないかー。」

 「急に早口になったねー。まぁアルバイトとかはしてるよ。」

 「早口になったのライトのせいだからねぇ?」

 「後、心読めるの薬のおかげだから。」

 「え?違法薬物?」

 「向こうの世界では合法だったからここでも大丈夫でしょ。」

 「異世界の薬かい。びっくりしたわ。」

 「うん、薬期限は1日だけだから、先週は心読んでないよ。だから安心してネ。」

 「もうその薬使うなよ?」

 「一気に10人くらいの声聞こえるからもう使わないねー。」

 「よくそこから俺の声分かるな。」

 「厨二病心持ってるの、ここでいっくんぐらいしかいないからねー。」

 「なんだと?!男は少なからず厨二病心を持っているはずだ!」

 「その思想アンタだけだよ。僕持ってないし。」

 「ゑゑ?!」


 とか会話している間に酔いが覚め、あることに気がついた。


 「いつその薬手に入れた?」

 「3日ぐらい前だねー。」

 「どうやって異世界に戻ってこっちの世界に帰って来れたんだ?」



 と言うとライトは少し固まってから「しまった…」みたいな顔をしながら俯いて黙ってしまった。手に入れたのが俺に会う前だったら、薬を手に入れた後にたまたまこっちの世界に移動…と言うのもまだ納得出来る。

 しかし、俺と会ったあとなら、異世界とこの世界を行き来出来ると言うことになる。答えが言えないのは言いづらい理由があるのか他の理由か…


 「まぁ無理に聞こうとは思ってない。よかったら来週か再来週とかにいってくれればいいし、本当に嫌だったら話さなくてもいいんだ。すまんな、こんなこと聞いちまって。」


 すると、ライトは俯いたまま「いっくんは悪くないよ。」と言う。そして、俺はこう返した。


 「明日には元気になってろよ。元気だけが取り柄、だろ?」


…これも言っておくか。


 「後、2万円置いてくからな。言うか言わないか一人で呑みながら考えな。」

 「受け取れないって2万円なんて!」

 「昨日が給料日だったからだって。普通渡さんわ。それじゃ、また来週ー。」


 …と言っていっくんは帰ってしまった。机の上にはさっき言っていた2万円があった。僕はいつの間にか独り言を喋っていた、

 

 「嘘吐いちゃって。また僕が心読めること忘れちゃってるよ。」


いっくんは帰り際、こんな事を考えていた。


「財布の中あと1万しかねぇわ。あと1週間耐えられるかなぁ?まあ、ライトが元気になるぐらい呑んでくれたらいいか。」と。


 僕はこんな事を考えてくれる優しいいっくんといるだけで楽しいのだ。そして、そんないっくんに秘密はなくしたい。


「言っちゃうか。」僕はまた独り言を喋っていた。

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― 新着の感想 ―
異世界と現実世界行き来できる可能性があるんですね、  ていうか心読める薬ほし〜  投稿頑張ってください
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