酒盛り1回目
なんなんだろーねーこの状況。
異世界人とカンパーイした後にビール呑みながら雑談してるって…えぇ?
自分でもおかしいって思うよぉ?
……っと自己紹介がまだでしたな。
俺の名前は佐藤弌正。
28歳でまだ彼女いないが、元々結婚願望ある訳ではないので別にいい。
職業はサラリーマン(ホワイト企業DA☆ZE)。
そして、定時で帰れるため近所の居酒屋で少し お酒を嗜んでいるのが毎週の習慣だ。
6月某日、今日もいつもの居酒屋へ行くと、混んでいた。「相席かもな…」と陰キャの俺は静かに絶望した。
店長の津田さんが「相席でいい?」と言ったので、(嫌だが)頷いた。
そして席へ案内され、そのテーブルの人数は… 1人ッ!団体客の所じゃなくてよかったーとひとまず胸を撫で下ろした。
さっさと注文しようとしたら、「ねぇ」と聞こえ、びっくりしながらもそちらへ視線を飛ばすと、相席してる人が喋っていた。
「おはよ」
「おはよう…ございます…」
…あれぇ?
初対面ですよねぇー?てか「おはよ」ってことは寝てたんかい!ビール10杯くらい呑んでもこんな酔わんぞ!あぁ、変な人と相席になっちゃったよぉ。
この人酒臭いし、さっさと帰りたい。
「あんたのぉ名前はぁー?」
オマケに酔っているからか口調がおぼつかない。 マージで帰りたい。
しかし、ここで返さなきゃ日本人の威厳が廃る。
いや、どこに威厳感じてんだ。とノリツッコミをかましつつ返事する。
「私は佐藤 弌正です。」
「僕はライト ギャネットだよー」
外国人やん名前からして。まぁ、酔って殴って来なきゃ少し仲良くして呑んで帰ろ。
しばらくして奴が質問する。
「出身はぁ?」
「日本ですが…あなたは?」
「僕の出身、イセカイっつったら信じる?」
…は?
イセカイ? そんな国や都市があるってことか?
あぁそうゆうことだよな、普通な、異世界ってことかと思ったよ?ちょっと厨二病心出てきたかと思ったよ?メッッッチャ恥ずいよ?
と思考を巡らせていると奴が言う。
「漢字はー"異なる"の異と"世界"で異世界。」
…厨二病心、おまえが合っていたようだ。
しかし、異世界とはファンタジーや転生系の漫画や小説などでしか聞いたことがない。奴は酔ったから漫画や小説と現実を混同してしまっているのだろうか?てかそうとしか考えられん。
続けて奴が言う。
「んん?その顔信じてないねぇ?」
もちろんさー。逆に何故信じるとでも?
「んじゃ証拠みせるよ。」
そして奴は手を出し、「そのメニュー表見ててね」と言って手を少しずつ上げていく。
そしてメニュー表も宙に浮く…なんだ普通のことじゃ……なーーい!!
あまりに衝撃的すぎて頭が完全に思考停止していた。今日酒呑んでないよな?酔ってないよな?! おいおい、それじゃあ異世界や魔力、魔法だってあることになるッ…!ぐっ…落ち着け俺の厨二病! 「わかってくれたかい?」
その言葉に俺は首を縦に振るしかなかった。
「よーしよし、わかってくれたようで大変満足だよぉー。そこで証拠見せた代わりと言ってはなんだけどー、毎週この曜日で一緒に呑まないかーい?」
俺は二つ返事で了承した。
「よろしくね、いっくん。」
「いっくん?」とつい素っ頓狂な声を出してしまった。
「うん、弌正の"いっ"にくんをつけていっくん。
まあ、いわゆるあだ名だよ。嫌だったらやめるけど?」
「全然嫌じゃないですよ!」
「よかった。後、これからその敬語禁止ね!」
逆に心の声全部タメ口だったからありがたい。
「わかったよ…ギャネット?」
「ライトでいいって。あっ、それと、会計割り勘でいい?」
「ああ、いいぞ。」
…ここからライトとの相席が始まった。 ちなみに、何も注文せずに割り勘したせいで6851円払ったのは秘密である。
初投稿なので「ここ良くないよー」みたいなところがあったら教えて下さい。