少女としょうじょ
あるところに一人の少女がおりました。
その少女が住む世界は魔物が蔓延り、魔王なんてものが存在するいわゆるファンタジーの世界でした。
魔王を討伐するべく、冒険者たちはいつもせわしなく活動しています。
少女は何をしているかと言うと、なんと冒険者の一人なのです。
年齢は15歳。 まだ若く、親からも強く反対されていましたが、少女の気持ちは揺らぐことがありませんでした。
少女はいつも一人で活動をしています。
普段やる内容は「薬草採取」と「低級モンスター狩り」です。
少女は意志が強く、意地もありました。
今は引退していますが、父親も一人で冒険者をやっており、その姿に憧れ少女も一人で冒険者をすることにしたのです。
さて、今日も依頼を受ける時間がやってまいりました。
今日受けた依頼は「スライムの討伐」です。
ここから数キロ離れた場所に、スライムの大群がいるらしいのです。
少女は張り切ってこの依頼を受けました。もちろん一人でです。
スライムがいくら集まったところで所詮は低級モンスターです。
少女でも、なんなら村の子供でもなんとかなるでしょう。
そうして、少女は依頼を達成すべく、馬車に乗り目的地に向かいました。
目的地に着くまでに依頼の内容を再確認し、抜け目がないようにしています。
スライムと言えど油断はしないほうがいいでしょう。
目的地に着きました。
大群と聞いていましたが、二十匹ほどしかいないように見えます。
しかし、その中の一匹は何と虹色に輝いておりました。
スライムは基本青色なため、虹色のスライムなど聞いたこともありません。
少女は少し考えましたが、依頼を達成すべくスライムに攻撃します。
青色のスライムたちは抵抗することもなく倒されていきます。
その間虹色のスライムはこちらをずっと見ているようでした。
少女が青色のスライムを全て倒し終え、虹色のスライムに向かおうとした時にはもう姿はありませんでした。
虹色のスライムは少女の背後に回り込み、強烈なタックルを食らわせ少女は気絶してしまいました。
それからどのくらい時間が経ったでしょうか......
少女が目を覚ますとそこは自分の家だったのです。
何とか自分の家に帰るくらいの体力は残っていたようです。
次の日少女は親からこっぴどく怒られ、一ヶ月は冒険者を休みなさいと言われてしまいました。
少女は残念ですが、自分が悪いとわかっていたのですんなりと受け入れました。
数日が経過しました。
しょう女は元気に親の家事を手伝っています。
後遺症も特に残っておらず、冒険者に復帰するまでの間、体を動かすことにしたのです。
ですが少し変わったことがあるようです。
しょう女の体の半分は虹色に輝いています。
あの時攻撃されたスライムによる何かでしょうか。
この変化はしょう女にしかわかっていないようでした。
なぜなら、周りの人間から特に何も言われないのです。
きっとすぐに直るでしょう。 しょう女はそう考えました。
さらに数日が経過しました。
しょうじょは全身が虹色に輝いています。
まるで全身が人間光源のようにそれはもうこうこうと輝いています。
これに対しても特に何かを言われることはありませんでした。
そんな周りの反応に不振がりながらも、しょうじょは親の手伝いを一生懸命頑張ります。
さて、一ヶ月が経ちました。
しょうじょは幼馴染と結婚し、冒険者は引退したようです。
どうやら心境の変化があったようですね。
親はもともと冒険者はしてほしくはないと思っていましたし、引退に関しては反対することなく、むしろ喜んでいるようでした。
それに、もう光り輝いてはいないようでした。
見た目は少女そのものです。
きっとこれから幸せな家庭をしょうじょは紡いでいくのでしょうね。
おや? しょうじょの顔が一瞬あの虹色のスライムになったような気がしましたが......
まぁ、気のせいですかね。
めでたし。めでたし。
ベッドから飛び起き、現状を確認する。
体は無事で自分の意志で動くし、違和感もない。
どうやら夢を見ていたようだ。
少しの間呆然としていた。 あまりにも現実味がある夢だったからだ。
だが、よくよく考えれば夢以外ありえない。
ファンタジーの世界で自分がスライムに乗っ取られるなんて意味がわからない。
段々荒かった呼吸も落ち着いてきた。
一度水でも飲もうかと台所に向かった。
コップに水を注ぎ一気に飲み干す。
そういえば今日は学校がある日だった。
時計を見るともう行かなければ間に合わない時間であった。
しょうじょは急いで学校に向かうことにした。