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8/10

北海道ロケ

ドラマ撮影が終わっても 続いていた レイとの絆

そして 芽衣にはユウリとしての新たな仕事がはじまった

「いってきま~す。」


その朝 リュウがひかりとレイを乗せて迎えに現れ あわただしく空港に向かった。


12月初めの千歳はうっすらと雪に覆われて母に言われて 手袋やらマフラーやらを持ってきて正解だったとユウリは思い知った。


「滑るから気を付けろよ。」


リュウが注意促すそばから


「キャ!」メイクの柴ちゃんが早くも転んでいた。


「大丈夫か。」


リュウが小さな柴ちゃんを引き上げるように立たせると大人と子供ほどの身長差がある。


「すいません リュウさん。」


柴ちゃんが恥ずかしそうに雪を払って荷物を持ち直す。


「ほら ひかり君も雪が融けたところを選んで歩くんだ。」


リュウがひかりに手を差し出す。

「ありがとうリュウさん。」


今日のひかりは朝から女の子になっていて ユウリがデニムパンツなのに比べ 

赤のタータンチェックのミニスカートに黒のブーツといういでたちだ。


(衣装もひかりの持ち込みが多いらしい。)


「ユウリ 俺につかまってろ そんな裏底の靴じゃ おまえも危ないぞ。」


レイがユウリの腕をしっかり握ってくれた。


たしかにうっすらとはいえ まだ朝早い時間の空港の駐車場は 踏跡のない雪が路面を覆っており 

不用意にあるくと転びそうな位ツルツル滑る。


「レイ上手に歩くんだね。」


「俺もリュウも北海道出身だからね。」


なるほど どおりでスタスタ歩くはずである。


高速道路を北上して札幌に向かう。


レイの話によると、北海道の家の屋根は瓦屋根はほとんどなく

「トタン屋根」や「無落雪」という屋根になっているそうで すべてが珍しく すぐ曇る窓を何度もこすって外を眺めた。


「俺とリュウは函館出身なんだ。

札幌からまだ南西に車で4時間あまりかかるかな・・・」


「へえ じゃあもっと暖かいところなんでしょう?」



「海に囲まれた半島のようなところにある町だから 

結構風があって夏でもそんなに暑くはならないんだ。


でも雪はそんなにふらないかな~ とにかく北海道の中では歴史のある異国情緒溢れる街なんだよ。」


「へぇ~ 明日はそっちでもロケあるんでしょ?楽しみ。」


東西に広がった大通公園は

テレビ塔を東端に けっこうな面積を占めて街のど真ん中に位置していた。


雪の降る街でどうして運行できるのか路面電車まである。

レイによると「ササラ電車」とかいう 回転する竹箒をつけた除雪車両が雪を掃除するそうである。


あんまり ユウリが見るもの聞くもの喜ぶので


「じゃあ将来 北海道で一緒に暮らすかい・・・?」


とそっとレイが囁いたのだが


「え?・・・なに」


と周りの景色に夢中だったユウリにはよく聞こえなかった。



札幌のモエレ沼公園と小樽運河などで、撮影をして暗くなった頃 


札幌から南に位置した定山渓温泉というところで宿泊となった。


慣れない寒さの中 外でのロケだったためかなり心身ともの冷え切っている。


食事はほとんど宴会状態になるようなので その前にと柴崎と温泉に入ることにした。


「ねえ 知ってる?レイ君は北海道に来ると亡くなったお母さんを思い出してちょっと感傷的になるのよ。」


柴崎が湯船につかりながら教えてくれた。


「前はオレプロにいたから 私も2度ほど北海道の仕事は同行してるんだけど 

函館にお墓があるらしくて毎回訪れているようよ。」


「え じゃあレイは家族いないの?」


(母親も亡くなっているなんて聞いてなかった・・・)


(レイのこと甘ったれなんて とんでもない・・・わたしだったら寂しくて、あんなに明るくしてられない なんて強いんだろう。)


「よお ユウリあったまったかい?」


もう宴会場にはスタッフが集まっていて レイが浴衣を着て手招きをしている。


「うん かなり広い浴場だったよ。」


まもなく宴会は始まり 監督やスポンサーの挨拶が終わったあと待ってましたとばかりに 

カニやホタテなのど海産物 更にかぼちゃや ジャガイモなどの北海道ならではの大地の恵みに食事に舌鼓を打つ。


「ひかり君も一緒に温泉入れば良かったのに~残念だなぁ。」


もう早くもリュウが絡んでいる。


ひかりは真っ赤になって返答に困り果てているようではあるが、

リュウの側を離れようという気は全然ないようだった。

潤んだ瞳で時々そっとリュウを見つめている。


「レイは今日あんまり飲まないのね。」


「うん 後でまた風呂に入るからな。」


「そうなの? 男風呂と女風呂は日替わりで場所が交代になるそうだよね。

もう一泊できれば両方入れるのにな~ 明日も早いしね。」


せっかく北海道まで来たのにあんまりゆっくり出来ず残念である。



「何言ってんの おまえも後で一緒に入るんだよ。」

「え?」


(貸切露天風呂予約しちゃった。)


いたずらっぽく レイが囁く。


あいかわらず大胆なヤツとちょっと呆れながら 

そっと浴衣の袖に隠れて絡められる指にうれしさは隠せないユウリだった。


(どうしよう・・・みんなと一緒のこの宿で ふたりっきりで貸切風呂に入るなんて・・・

スリルがありすぎる・・・

それに なんだか恥ずかしいよ・・・

どうして そんなに平気なの? ・・・レイ。)


(先に行ってて 12時まで貸しきっているから。)


リュウや好々爺監督(実際は金城監督であるのをここに来てしったユウリ)につかまったレイは(すぐ行くから~~)と目で訴える。


「えっと あたしも浴衣で行っちゃおうかな・・・」


そっと宴会場を抜け出して 一旦自分の部屋に戻って着替えてから ドキドキしながら廊下を歩く


(誰にも会わないように・・・)


露天風呂は大浴場とは別棟になっていて渡り廊下を通って趣のある純和風の作りになっていた。


貸切露天風呂は二つありレイの予約した「松の湯」に進むと手前の「桐の湯」から人影がぬっと現れた。


「おや 奇遇だね ユウリちゃん。」


意外や出てきた人物はCMで共演したロバート・コナーズであった。


「ロバートさん! こんばんは・・・。北海道へはお仕事ですか?」


思いがけない人物と出くわし、また浴衣姿をジロジロ見つめられたため ちょっと狼狽するユウリ。


「誰?この子」


ロバートの後ろから濡れた髪をアップにまとめた30過ぎの豊満な女性が顔を出した。

「ああ 美弥子 こないだ一緒にCMの仕事した子だよ。」


「可愛いわね。」


んふふ・・と美しく整えられた爪に濡れた唇。


(しかもおっぱいデカ!!)


「ユウリちゃんも泊まっていたんだね。刈谷さんも一緒なのかな?」


「はい でも撮影は一泊だけなんで まだ学校ありますし。」


「ふ~ん ところでここは貸し切り露天風呂なんだけど誰と使うつもりだったの?」


「えっ」


(そうだった ここは一般の大浴場とは別棟だった・・・。)


思わず顔を赤らめたが すぐに


「えっとひとりで借りたんですよ。」


「そうなの?もったいない。じゃあ僕らも一緒にさせてほしいなぁ。

ホテルに着くのが遅くなっちゃって予約時間をだいぶ過ぎて使ったから、

あんまりゆっくり入れなかったんだ。」


「な 何言ってるんですか? む 無理に決まってるじゃないですかっ」


おもいきりうろたえて 噛んでしまう。



「ロバートったら 困ってるでしょ。からかっちゃだめよ。

ごめんなさいね お嬢さん。ほらいくわよ。」


ユウリはほっとして「松の湯」に入った。


「本当に可愛いわね あの子。」


「ああ からかいがいがあるな~ あそこまでうろたえてくれると。ふふふ」


そこへレイが渡り廊下をやってきた。


「おや 君はレイくんじゃないか 去年雑誌で一緒に仕事して以来だね。」


「ロバートさんも来てたんですか・・・」


レイが思わず鼻白む。


「あれ さっきユウリちゃんが貸切風呂に入っていったけど 

まさか一緒に入る気じゃないよね?」


「あなたに関係ないでしょ・・・失礼。」


レイは構わず通り過ぎようとすると


「ところで・・・ユウリちゃんのキスは体中が疼いて癖になるよねぇ・・・」


とロバートがレイの耳元にボソッと呟いた。


--------------------


「はぁ~ いい気持ち。」

ユウリはボタン雪の降る中 岩風呂の露天風呂にそっと肩まで浸かった。


湯船に花びらのような雪がひらりひらりと溶け込んでいく。

空を見上げるとゆっくりと絶え間なく雪が降り注いでくる。


「綺麗だな~」


カラカラカラ・・・


「レイ・・・?」


ちゃぷん 


レイはまっすぐユウリの元まで近づくといきなり抱きしめて唇を求めてきた。


しんしんと降り積もる雪の中でふたりの体だけが燃えるように熱くて 上空から見ると周りの雪を溶かして出来上がった泉の中心にいるように見えたかもしれない。


しばらく 激しく唇を吸った後レイがフゥと吐息をついてユウリを開放してくれた。


「・・・ユウリ。ごめん 俺すごくヤキモチ焼きだってもう知ってると思うけど、さっきロバートに会ったんだ。」


パシャ 中央に位置した岩にのぼせた体で 腰掛けて涼むレイ。


「レイ・・・」


「ユウリもおいで 涼しくて気持ちいいよ。」

そう言われても 今は白濁した温泉の中に肩まで使っているから なかなか恥ずかしくて 裸身を晒して 立ち上がる事はできなかった。


「ユウリ 仕事なんだからしかたないけどさ・・・

あんまり他の男に君を触れられたくないんだ。」


「・・・レイ わたし。」


「ユウリ 俺のことだけを見て・・・」


そういって岩から滑り降りるようにユウリに近づき冷えた体を押し付ける。


熱すぎるユウリの体に心地よく重なっていくレイの引き締まった四肢。


「レイの事しか・・・見えないよ。・・・ん。」


ユウリを探るレイの指の動きに合わせて 息づく自分の体に眩暈を覚えながらも、

恋人の背中に腕をまわして 必死に耐えるユウリ。


「のぼせてきたんじゃないのか・・・?ユウリ」


そういうとくらくらして熱いユウリの体は

先程レイが腰掛けていた岩の上にいつのまにかのせられていた。


「すべるから タオルを敷くね・・・」



レイのされるがままに腰の下にタオルを敷かれて 

膝から下をまだ湯船に残したまま上半身を雪降る外気にさらされた。


(気持ちいい・・・)


ピンクにそまったユウリの体を 愛おしそうにレイは眺めると、

水滴を弾くつややかなユウリの太腿の上にそっと頬を乗せる。


「レ レイ・・・ 恥ずかしい。」

構わず レイはユウリの腰を抱きしめ


「好きなんだ・・・ユウリ。誰にも渡さない・・・」


ユラユラ揺れているのは湯船から立ち上がる湯気なのか・・・

それとも自分の体なのか・・・


「あ・・・だめ レイやめて・・・」


「もっと 俺はユウリの体中に キスしたいんだ・・・」


夜空から絶え間なく降りしきる花びらの中を 

ひそやかな水音と二人の息遣いだけがいつまでも続いていた・・・


----------------------


朝早くホテルを出発し道央自動車道で函館に向かう。


「ここから西に行ったところに支笏湖って湖があるんだけど 大きな岩で囲まれた 緑の苔の回廊があるんだ。」


「ああ 苔の洞門だろ?」


リュウとレイは道々さまざまな北海道情報をガイドしてくれて全然周りを退屈させなかった。


「ああ もっと暖かい時期にまたゆっくり来たいね。」


ユウリとひかりにとって、どれもこれも初めて見るものばかりである。

真っ白にどこまでも続く地平線。

なだらかな山々 ときどき「鹿」飛び出し注意の看板が見える。


「エゾシカやキタキツネが飛び出す事があるんだ。


鹿は集団で行動するから一匹見かけたら要注意だよ。


当たればこっちも無事では済まない。」


「そういえば さっきロビーでロバートに会ったな。」

ふいにリュウが言うとレイの顔がにわかに曇りだす。


リュウの助手席に乗っているひかりも身じろいだようだった。

「色気ムンムンの年上っぽい綺麗なお姉さん連れてたけどあれ新しいマネージャーだってさ 

いいなぁ畜生。

今日は雑誌の撮影で道東へいくといってたよ。」


「道東に行くんだ。へぇ~」


明らかにホッとした様子でユウリの腰に手をまわして引き寄せるレイ。


(別にロバートとは何でもないんだったら・・・)

ユウリがそっと囁く。


「おまえは色っぽいマネージャーはつけないの?レイ」


「俺は和久ちゃんで十分だよ。

荷物運んでくれたり、スケジュールの打ち合わせする位で


あんまりべったりリュウみたいにくっついてはいないな。」


「そういえば レイのマネージャーさんって見たことないね。」


「そう? 一応撮影の時は一緒に来るけどね。 

影の薄い奴だからな~ ほらやせててメガネしてて色白で・・・ 

今日は柴ちゃんと一緒のワゴンに乗ってるんだけど。」


「たしかに和久井君は大人しいからな・・・印象は薄いかもしれん。」


(そんな人いただろうか?)


ひかりも振り返り顔を見交わすが二人ともピンと来ない。


「ああ 和久井君は柴ちゃんのことずっと片思いしてるみたいだけど 

全然相手にされてないみたいだな~ かわいそうに。」


「柴ちゃんは彼氏いないんですか?」


「さあな~ あんまり柴ちゃん自分の事はしゃべらない方だからな。

でも可愛いからいないってことはないんじゃないか?


柴ちゃんが22歳で初めてうちの事務所と契約したのがたしか5年まえだから もう27歳か・・。」


「そうだ 俺が高校に入ってすぐにオレプロに入ったのと同じ年だったよな。懐かしいな~」


「へえ レイはじゃあ今21歳なんだ。」


ユウリがそうつぶやくと


「何?ユウリお前・・・俺がいくつくらいだと思ってたわけ?」


と顔をぐっとユウリに近づける。


「・・・えっと19くらいかな?」


とユウリが答えると


「ですよね。僕もそれくらいだと思ってた。」


ひかりも同意する。


「な~に~むかつく!またお仕置きするぞ!」


とレイがユウリのわき腹をくすぐった。


「キャーごめんなさい!」


「こら車内で騒ぐな!レイお前うちの大事な新人女優にお仕置きって 変な事してないだろうなぁ? 

そういえば昨夜途中で抜けてどこいってたんだ~~白状しろ!」


ユウリが昨夜のことを思い出してカッ体を熱くさせた。


気づくとミラー越しににらみつけるリュウの視線が貫くように注がれている。

慌ててスッと目をずらして窓の景色に目を向けた。


「別に温泉に入りなおしてただけだよ。

リュウこそ 昨日はとうとうひかり君と一緒に寝たみたいじゃねえか。」

「・・・そ そんな 他のスタッフと一緒に男部屋で隣に寝てただけですよ。」


ひかりがあわてて訂正する。


「いや 俺が部屋に戻ったときは図々しくもこいつはひかりくんの布団にもぐりこんでたよ。

へんなことしてんのはリュウの方じゃないのか? ああ?」


コホンとひとつ咳をして


「それはだ・・・男部屋でおびえるひかり君を守るためになだめようとしてだな・・・ 俺はひかり君のマネージメントもしてるんだっっ! 当然だろ!」


ユウリも真っ赤になったひかりの肩が少し震えているようで


「ひかりちゃん 大丈夫?」


「ありがと全然平気。」


(そうだろうか?実際リュウのマンションに一緒に寝たときは 本気でひかりは拒否していたのに・・・。

男部屋で しかもリュウと一緒のふとんだなんて・・・あのリュウが何も手を出さないとは考えられない!)


実際血はつながっていなくてもレイとリュウはたしかに兄弟なのだと溜息をついたユウリだった。


函館についたのはお昼頃だったため 金森倉庫というレンガづくりの建物が並ぶところで食事をすることとなった。


「本当におしゃれな街ね レイ。」


「だろ?」


赤レンガと石畳 クラシカルな街路灯 ガラス細工やオルゴールが並ぶ店先 港に並ぶ船。

なんだか異国の街を訪れているようだった。


和久井というレイのマネージャーは気をつけてみてみると25~6歳のたしかに目立たない男だった。


そういえばいままでもレイの側で見かけていたかもしれないがリュウやレイの存在が強すぎて

製作スタッフと区別がつかなかったのかもしれない。


「じゃ レイ君 こっちが今日の衣装が入ってるんで・・・

帰りはまたあっちへ寄るんですか?」


「ああ 和久ちゃんは先にみんなと帰ってていいよ。

明日の昼の便で帰るから。」


「レイはもう一泊するの?」


「ああ ユウリは学校だもんな。」


そういうとちょっと寂しそうに笑ってレイは衣装を持ってワゴンに戻っていった。


(お母さんのお墓参りにいくつもりなのね・・・)


*********************


愛を確かめ合った ひばりと恭介はふたりきりで旅をすることになった。


実際に見えなくても恭介の説明と肌に感じる空気の冷たさとすがすがしさで

十分それを感じることができる ひばり


恭介:ひばり 寒くないか?


ひばり:大丈夫よ 兄さん


恭介はひばりの顔をそっとはさんでキスをして


恭介:兄さんとはもう呼ぶなといってるだろう。


ひばり:恭介・・・まだ慣れなくて ごめんなさい。


ひばりの手の平を開かせて そっと冷たくやわらかい塊をのせる。


ひばり:雪ね 恭介。


恭介:ああ 気温が低いからすぐには溶けないだろう。


二人で泊まったペンションでは思わぬ人物とであった。


由美:ひばりさん? まあお兄さんも旅行ですか?


ひばり:その声は佐竹さん?


恭介:ああ 看護士の佐竹さんですね。いつもお世話になっています。


由美:楽しそうね ひばりさん

あまり外に出ないといっていたから心配していたけど 旅行に連れ出してくれるなんて 優しいお兄さんね。


由美はひばりが通う眼科の看護士で たまにひばりにナイトのように連れ添う恭介のことも良く知っていた。


ひばり:佐竹さんも旅行なんですか?


由美:ええ 北海道が好きで時々ひとりで来てるのよ。


恭介:意外だな 恋人と一緒じゃないんですか?そんなに可愛いのに。


由美:そんな・・・

来院する度に目で追って憧れていた恭介にそう言われて 顔を赤らめる。


*********************


「ひかりちゃん 初々しくていいねえ。OKよ~」


順調に撮影は進んで ひかりも周りの空気にだいぶ馴染んできたようだった。

最後の撮影のため またワゴンに乗って移動となる。

最後はユウリとひかりだけのシーンのためレイはここでお別れとなった。



「ユウリ また連絡するから。」


名残惜しそうに手を振るレイ。


「またね レイ。」


とたんにしょんぼりしてしまうユウリに


「さびしい?ユウリちゃん。」

とひかりが声をかけた。


「まあね・・・でも大丈夫だよ。」


本当は強がりだ。いま離れると今度はいつ会えるのか・・・




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