召喚術師【調味料】って冗談ですよね？

趣味なし、特技なし、好きな物事なし。
何もない自分を【無キャラ】と自嘲する青年《サダオ》は、ある日、とある地下アイドルを知ったことで人生が一変する。


彼女に相応しい男になるため、サダオは必死に働き、身体を鍛え、全てを捧げた。
そして一年後、ついに《ライブ兼握手会》に参加する――はずだった。

しかし、会場で古参オタクと揉め、無情にも握手会を前に追放される。
打ちひしがれ、会場の外で膝を抱えるサダオに、一人の女性が手を差し伸べた。

「泣いてるの？ ……ほら、立って」

初めて女性に優しくされ、初めて女性の手を握った瞬間――

『おめでとうございます！ただいま《御宅田サダオ様が全実績を解除》されました！』

謎のアナウンスと共に、サダオは異世界へ転移する。
そこで授かったのは、訳のわからないジョブ――『召喚術師【調味料】』。

「なんじゃこの訳分からんジョブは？！追放じゃ！追放じゃああ！！」

またしても追放されたサダオ。
だが、同時に転移してきた女性が叫ぶ。

「なんで私まで異世界に！？ もう、アンタのせいでめちゃくちゃじゃない！！」

地下アイドルを追いかけたはずが、謎のジョブで異世界に！？
追放されたサダオの新たな人生が今、幕を開ける――！