放言低論
【あらすじ】
アブラムシを見て思った放言です。
家庭菜園の野菜でアブラムシが増え始めた。
一匹の大きいメスを中心に、クローンがその周囲に群がるように増殖し、コロニーを作っている。
あいつらの目的は今のところ自分のクローンを増やすことだけ。
餌となる植物の汁を吸い尽くして枯れるまで増殖する。
葉の裏にベッタリ、アブラムシだらけになって気持ち悪い。
洗っても洗っても見えないところから続々でてきて食欲が失せる。
なぜ自分の食い物がなくなるまで食い尽くすのか?餌となる植物が枯れてしまえば自分たちも飢え死にするのに。
初夏には交尾相手を求めて羽を生やすらしいが。
なぜそれまでは食い尽くして自分を増やしつくすのか?
答えはきっと一匹でも生き残ればラッキーという戦略。
それならもっと散らばればいいのに、コロニーで割とジッとしてる。
何なん?
「餌はすぐ食いたいし。」
「遠出するのめんどくさいし。」
「でも誰か一人でも生き残ってほしいし、群れてた方が敵に襲われたとき他人がやられてる間に逃げるチャンスがあるし。」
わかるけど。
単純な機構は生き物みんな共通。
目指すところは同じ。
テントウムシはアブラムシを食ってくれるが食い尽くさずに少し残すので駆除にはならない。
アブラムシよりちょっと高等?なのか餌がなくなるまで食い尽くさない。
ので結局テントウムシが飛んで行ったらまた大増殖する。
テントウムシも人間の思い通りにはならない。
単純に増えるヤツには、いろいろ考えるヤツが負ける。
じゃあ複雑なやつが生き残るためには単純なやつの機構を複雑なやつが真似するのか?
普通に考えて複雑なやつには無駄が多い。
考える必要のないことまで考える。
人間は複雑だからゲノムサイズが大きいか?というとそうでもない。
人間は3.2Gbp(3,200,000,000個の塩基対がある)で、ハイギョは43Gbpなので、ハイギョの方が人間より10倍以上塩基対を持ってるので、全部使えば人間より複雑。
でもハイギョは形質が発現していない部分が多いので、人間より単純に見える。
厳しい環境に置かれたときに、その未発現の形質が発現し人間より生き残るかもしれない。
大腸菌は4.6Mbpで人間の1/1000ぐらいのゲノムサイズしかないが、人間よりはるか昔からずっと生き延びてる。
こっちは早い変異で厳しい環境に適応し生き延びてる。
結論は『厳しい環境を生き延びるためには複雑さは必要ない。』
大腸菌みたいに素早く切り替えてチャンスを増やしてどれかが上手くいけば素早く増える戦略もあれば、
ハイギョみたいに既存の未使用の機能を呼び覚まして使い始める戦略もあるだろう。
複雑さで困っているなら、少し眠らせてしまう部分を作ればいいのでは?
単純であろうとすることはさほど悪いことではない。
だけど、自分のようにどうも早い変化への対応が苦手な場合はどうすればいい?
それなら、やっぱりまぁ黙ってジッと死ぬ時を待つか、
嫌なら何とかして早く対応するしかないのかな。