Eランク昇格
シオンは冒険を続け、少しずつ力をつけていった。スライム討伐や薬草採取の依頼を着実にこなし、ギルドからの信頼も厚くなってきた。そしてついに、Eランク昇格を目前にしたシオンは、自分の成長を実感するために「ステータス」を確認することにした。
「ステータス」
透明なパネルが目の前に現れ、自分の現在の状況が表示される。
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名前: シオン
年齢: 10歳
職業: テイマー(初心者)
レベル: 9
HP: 180/180
MP: 90/90
力: 18
敏捷: 27
知力: 36
スキル: テイムスキル(初級)、魔物探知(初級)
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「少しずつだけど、確実に強くなってるな」
シオンは満足そうにステータスを確認し、成長を感じ取った。そして、次の目標であるEランク昇格を意識して、さらなる鍛錬と依頼遂行を決意した。
次の日、シオンはギルドに向かい、受付のアンナに声をかけた。
「おはよう、アンナ。そろそろEランクに昇格したいんだけど、どうすればいいかな」
アンナはシオンの様子を見て微笑みながら答えた。
「シオン、よくここまで頑張ってきたわね。Eランクに昇格するためには、最後にもう一つ討伐依頼を成功させればいいわ。こちらにちょうどいい依頼があるから、どうかしら?」
アンナがシオンに渡した依頼書には、次のような内容が記されていた。
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依頼内容: ゴブリン討伐
依頼主: エルバード村自治体
討伐対象: 村周辺に現れるゴブリン3体の討伐
報酬: 50銀貨
締切: 1週間以内
備考: ゴブリンは単体であれば大きな脅威ではありませんが、複数で行動することが多いため、注意が必要です。
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「ゴブリン討伐か…確かにEランク昇格にふさわしい相手かもしれないな」
シオンはこの依頼を引き受けることに決め、シロンと共に準備を進めた。これまでの経験を活かし、無理のない範囲で進むことが何よりも重要だ。
「シロン、行こう。このゴブリンを討伐すれば、僕たちはEランクになれる」
シロンもシオンの決意を感じ取り、静かに頷いた。二人は街を出て、ゴブリンのいるとされるエルバード村近郊へと向かった。
エルバード村の近くには小さな森が広がっており、そこにゴブリンが住みついているという情報を得ていた。シオンとシロンは慎重に森の中へと進んでいった。ゴブリンは単体では弱いが、群れを成して攻撃してくると厄介だ。油断は禁物だ。
森の奥へ進むと、複数の足音が聞こえてきた。
「シロン、近いな。あれがゴブリンかもしれない。警戒して進もう」
シロンは鼻をひくひくさせながら、周囲の様子を伺っている。そして、視界の先に3体のゴブリンが現れた。背丈は低いが、鋭い牙と爪を持ち、緑色の肌が不気味に輝いている。
「シロン、僕が前衛で攻撃する。君は後ろから援護してくれ」
シオンは剣を構え、ゴブリンに向かって走り出した。ゴブリンたちはシオンに気づき、威嚇するような叫び声を上げながら接近してくる。
「ここからが勝負だ!」
シオンはゴブリンの一体に狙いを定め、剣を振り下ろした。鋭い一撃がゴブリンに命中し、ゴブリンはひるむ。シロンも遠くから吠え声を上げ、ゴブリンたちの注意を引く。シロンの援護のおかげで、シオンは2体目のゴブリンを迅速に討伐することができた。
「よし、あと1体だ!」
最後のゴブリンもシオンの連続攻撃に圧倒され、ついに討伐された。すべてのゴブリンが倒れ、森の中は静けさを取り戻した。
「やったな、シロン。これで依頼は完了だ。僕たち、Eランク昇格だ」
シロンは満足そうにシオンに寄り添い、二人は無事にゴブリン討伐を終えた。Eランク昇格に向けたこの一歩が、シオンとシロンにとって新たな冒険の始まりを意味している。
「さあ、ギルドに戻って、昇格の手続きをしよう」
シオンとシロンは街へ戻り、ギルドへと向かう。Eランク冒険者としての新しい挑戦が、これから待っている。シオンとシロンはゴブリン討伐を無事に終えた後、静かな森を抜けて街へ戻る途中だった。森の出口が見えたとき、シオンは胸の高鳴りを感じていた。これまでの冒険で少しずつ強くなっている自分を実感し、今回のゴブリン討伐でさらに成長したことを感じていた。
「シロン、今回の討伐で僕たち、かなり強くなった気がするよ」
シロンも満足げにシオンを見上げ、軽く吠えて答えた。シオンはふと思いつき、いつものように「ステータス」と心の中で唱えた。
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名前: シオン
年齢: 10歳
職業: テイマー(初心者)
レベル: 10
HP: 300/300
MP: 200/200
力: 30
敏捷: 40
知力: 50
スキル: テイムスキル(初級)、魔物探知(初級)、鑑定(初級)
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「すごい……一気にステータスが上がったんだな。さらに初級だけど鑑定まで覚えた……」
シオンはステータスの数値が大幅に向上し、新たに鑑定スキルまで覚えていることに驚いた。これまでの苦労が報われた瞬間だった。ゴブリン討伐の成功でレベルが10まで上がり、冒険者としての基礎力も確実に高まっている。
「シロン、僕たちついにレベル10だ。これで次のステージに進めるね」
シロンも大きく頷き、嬉しそうに尻尾を振った。シオンはシロンの成長も期待しながら、街のギルドに向かって歩を進めた。
ギルドに到着すると、受付のアンナが笑顔で出迎えてくれた。
「おかえりなさい、シオン。ゴブリン討伐、無事に終わったのね」
「うん、無事に3体討伐したよ。それに、レベル10になったんだ」
アンナは驚いた顔を見せたが、すぐに微笑み返した。
「それはおめでとう!じゃあ、さっそくEランク昇格の手続きをしましょう」
アンナの案内でシオンは手続きを終え、ついに正式にEランク冒険者となった。シオンはこれまでの努力が報われたことに満足し、新たな冒険への意欲がさらに高まった。
「これからはEランクの依頼も受けられるんだね」
「ええ、Eランクからはダンジョンにも挑戦できるわよ。エルバードにはEランクダンジョンがあるから、次はそこに挑んでみてはどうかしら」
シオンはアンナの提案に興味を引かれた。ダンジョンは新たな挑戦であり、成長の機会でもある。
「うん、シロンと一緒に次はダンジョンに挑戦してみるよ」
こうして、シオンとシロンは次の目標であるEランクダンジョンに向けて、準備を進めることを決意した。新たな力を手に入れたシオンの冒険は、まだまだ続く。
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