霧の洞窟3層
霧の洞窟の3階層に足を踏み入れたシオンは、周囲の空気がさらに冷たく、霧が一層濃くなったことに気づいた。視界はほぼゼロに近く、すべてが白い霧に包まれていた。だが、シオンは慌てずに仲間たちに指示を出す。
「フォグ、周囲の霧を感知して、敵の位置を確認してくれ」
フォグはシオンの指示に従い、霧中感知のスキルを使って周囲の霧を敏感に感じ取り始めた。しばらくすると、フォグが羽を軽く揺らしながら、敵の存在を示す方向を知らせてくる。
「フォグバットやウォータースプライトがいるみたいだな。感知ありがとう。シロン、気を引き締めていこう」
シロンもまた低く唸り、警戒心を高めていた。この階層の敵は、フォグバットだけではなく、水を操るウォータースプライトや石の体を持つストーンゴーレム(小型)も出現する。敵の攻撃が複雑になってきており、より慎重な対応が必要だ。
「シロン、ウォータースプライトに気をつけてくれ。あいつは遠距離から水魔法を使ってくるからな」
シオンは敵の性質を熟知していた。ウォータースプライトは距離を取って水の弾丸のような攻撃をしてくるが、シロンの素早さとシオンの霧剣で連携すれば問題なく対処できる。
「フォグ、霧を操作して敵の視界を遮ってくれ!」
フォグが再び羽を大きく広げ、周囲の霧を自在に操り始めた。霧操作のスキルにより、フォグバットやウォータースプライトの視界が完全に遮られ、動きが鈍くなっている。
「今だ! シロン、突撃!」
シロンが鋭い動きでウォータースプライトに飛びかかり、敵が魔法を発動する隙を与えずに仕留める。その動きはまるで息を合わせたように完璧だった。
「よし、次はフォグバットだ。俺がやる!」
シオンは霧剣を手にし、フォグバットに向かって突進する。斬撃の瞬間、霧剣が発する霧が敵の視界を奪い、シオンの攻撃が的確にフォグバットを捉えた。敵は反撃する間もなく消滅する。
「やったな。順調だ。この調子で進もう」
さらに進んでいくと、今度はストーンゴーレム(小型)がその重たい体を引きずりながら出現した。シオンはその巨体を見て少し構えたが、すぐに冷静さを取り戻す。
「ストーンゴーレムか。厄介な相手だが、霧剣で動きを封じれば問題ないはずだ」
シロンとフォグを見やりながら、シオンは次の作戦を練る。ストーンゴーレムは体が硬く、力任せでは倒しにくいが、霧剣の特殊な効果を使えば、動きを鈍らせることができる。
「シロン、気をつけて動いてくれ。フォグ、霧をもっと濃くして、ゴーレムの動きを制限しよう」
フォグがシオンの指示に従い、周囲の霧をさらに濃くする。その結果、ストーンゴーレムの視界がほぼゼロになり、動きが鈍くなった。シオンはその隙を見逃さず、霧剣を振りかざしてゴーレムに斬りかかる。
「ここが狙い目だ!」
霧剣の鋭い刃がゴーレムの石の体に深々と食い込み、硬い体を貫くことに成功した。ゴーレムはそのまま力なく倒れ、霧の中に消えていった。
「やったな、これでこの階層も突破だ」
シオンはシロンとフォグに感謝の視線を送りながら、彼らの成長を感じていた。フォグの霧操作スキルとシロンの連携スキルがこの戦いで大きな力となり、彼らのコンビネーションはさらに洗練されている。
「次は4階層か……少し休憩しよう」
シオンはしばらくの休憩を取り、次の戦いに備える。戦いを通じて彼自身の力も確実に高まっていると感じながら、次の階層へと気持ちを切り替えていった。
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