霧の洞窟1~2層
「フォグ、頼むよ。霧の中で感知してくれ」
シオンは低い声でフォグに指示を出した。霧の洞窟はその名の通り、深い霧に覆われていて、視界はほとんどない。足元の地面さえはっきりと見えない中、シオンは頼りになるフォグを呼び寄せた。フォグは羽を広げ、空中でゆっくりと羽ばたきながら、周囲の霧の流れを感じ取るように動いた。
「どうだ、何か感知できたか?」
フォグが僅かに羽音を立て、シオンに答える。フォグバットが2体、シオンの背後からゆっくりと接近しているとの報告だ。霧の中での感知スキルは非常に頼もしく、視界が遮られる状況でも敵の動きを捉えることができる。
「なるほど、ありがとう、フォグ。シロン、後ろだ! フォグバットが2体、来てる!」
シオンは背後に気をつけるようシロンに声をかけた。シロンは低く唸り、すぐに体を翻す。ホワイトウルフの鋭い嗅覚と感知能力が、敵の接近を瞬時に察知しているのだろう。背後から迫っていたフォグバットはその時すでに近距離まで接近していたが、シロンの動きは早かった。
「行け、シロン!」
シオンが叫ぶと同時に、シロンは素早く跳びかかり、その鋭い牙でフォグバットを捕らえる。霧の中で微かな叫び声を上げるフォグバットは、シロンの力に抗うことなく、そのまま消滅した。
「素早いな、シロン。もう一体も俺が片付ける!」
シオンはすぐに霧剣を構え、もう一体のフォグバットに向かって一気に突進した。霧剣はその名の通り、斬撃時に霧を発生させ、敵の視界を遮る効果がある。シオンの剣が霧を切り裂き、フォグバットの体を一刀両断にした。
「よし、これで1階層は突破だな。フォグ、シロン、ありがとう。順調だ」
シオンは仲間たちに微笑みかけ、しっかりと息を整えながら次の階層へ進む準備を整えた。
2階層に足を踏み入れると、霧はさらに濃く、視界はほとんどゼロに近い状態になった。さらに、敵の数も増えていることをシオンはすぐに感じ取った。ウッドラットやミストスピリットといった、より強力なモンスターが姿を現し、シオンの周囲を素早く動き回りながら攻撃を仕掛けてくる。
「これは厄介だな……。フォグ、霧を操作して敵の動きを封じてくれ!」
シオンは素早く指示を出す。フォグはすぐに霧操作のスキルを発動し、周囲の霧を自在に操り始めた。霧がゆっくりと動き、まるで生き物のように敵の周囲に集まり始める。その結果、ミストスピリットの動きが遅くなり、シオンに隙を見せた。
「今だ! 霧剣で一気に叩く!」
シオンはその隙を見逃さず、全力で霧剣を振り下ろした。剣が霧を切り裂き、ミストスピリットに深々と突き刺さる。ミストスピリットは力なく霧の中に消え去った。
「うまくいったな……。フォグのおかげだ」
シオンは微笑みながら、フォグに感謝の気持ちを込めて頷いた。フォグのスキルが無ければ、この濃い霧の中で戦うのは至難の業だっただろう。
「次はウッドラットか……シロン、行けるか?」
シオンが尋ねると、シロンは自信に満ちた瞳で彼を見つめ、鋭い動きで敵を捉える準備を整えた。ウッドラットは俊敏で素早い動きが特徴だが、シロンの反応速度と連携スキルによってその動きを完全に封じることができる。
「シロン、今だ! 俺も援護する!」
シオンは霧剣を構え、シロンと連携して攻撃を仕掛ける。シロンがウッドラットを素早く狙い、シオンがその隙を突いてもう一撃を加えることで、ウッドラットは次々と倒されていく。
「よし、これで2階層も突破だな。シロン、フォグ、ありがとな」
シオンは深呼吸をし、仲間たちに向けて感謝の言葉をかける。彼らとの連携は日に日に強くなっており、彼自身の成長も感じていた。
「次は3階層か……少し休んでから進むとしよう」
シオンは3階層への階段へと視線を向け、その先に待ち受ける未知の敵に思いを馳せながら、次なる戦いに備えた。
しばらくの休息を取った後、シオンは仲間たちと共に3階層へ向かう準備を始めた。戦いは続くが、フォグとシロンの力があれば、このダンジョンの最奥にある5階層のボスまでたどり着けると確信している。
「俺たちならやれる。行こう、シロン、フォグ!」
シオンは力強く声を上げ、仲間たちを奮い立たせた。彼らの冒険はまだ始まったばかりだが、その成長は着実に進んでいる。
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