新たな仲間
シオンは、Dランクダンジョン「霧の洞窟」を攻略するため、日々ギルドで依頼をこなしながら鍛錬を続けていた。毎朝、ギルドに足を運び、リリーナが差し出す依頼書を確認するのが彼の日課となっている。
「今日は何があるかな?」
シオンは、受付のリリーナに尋ねながら、彼女の差し出した依頼書に目を通した。
「今日はフォグバットの討伐依頼がまたありますよ、シオンくん。最近はこの霧の洞窟での活動が増えてますね。Dランクダンジョンも慣れてきたんじゃない?」
リリーナは微笑みながら答える。
「そうだね。シロンと一緒に慣れてきたよ。でも、まだ油断はできないから、慎重にいくつもり」
シオンは慎重な態度を崩さず、リリーナに応えた。
その後、シオンはシロンを連れて霧の洞窟へ向かった。洞窟内では、フォグバットやウッドラット、ミストスピリットといった霧に紛れる敵と戦いながら、依頼を着実にこなしていく。シロンの「感知」スキルは敵の位置を正確に察知し、シオンの攻撃タイミングを的確にサポートしていた。
ある日、フォグバット5匹の討伐依頼を終えた帰り道、洞窟の出口に差し掛かるころ、シロンが小さな唸り声を上げた。
「どうした、シロン?」
シオンは足を止め、霧の中で立ち止まるシロンを見やる。シロンは低い唸り声をあげ、鋭く霧の中を見つめている。
その瞬間、霧の中からひと際大きな影が現れた。普通のフォグバットよりも一回り大きい霧色のコウモリだったが、その姿には異様な迫力があった。
「これまでのフォグバットとは違う…」
シオンはすぐに魔物鑑定のスキルを発動した。
「種別は…レアフォグバットか。普通のフォグバットよりも強力で、さらに高度な霧操作を持つようだな…」
シオンは剣を握りしめ、戦闘態勢に入ろうとしたが、シロンはその場で吠えず、攻撃をためらっているかのようだった。
「シロン…まさか、このフォグバット、テイム可能なのか?」
シオンはふとその可能性に思い至った。レアなモンスターほどテイムの難易度は高いが、成功すれば貴重な仲間を得られることが多い。
「よし、やってみるか」
シオンは深呼吸をし、テイムスキルを発動した。中級まで上げたテイムスキルを駆使して、慎重に霧色のレアフォグバットへと意識を集中させた。
レアフォグバットは一瞬警戒の態度を見せたが、シオンの穏やかなテイムの波動を感じ取ったのか、少しずつその警戒心を解いていく。
「もう少しだ…」
シオンは焦らずにゆっくりと霧の中に手を伸ばす。そして、霧色のレアフォグバットが完全にテイムされると、その瞳に柔らかな光が宿った。
「よし、成功だ!」
シオンは手応えを感じ、テイムが完了したことを確認した。レアフォグバットがシオンの肩に飛び乗り、その大きな羽でバランスを取る。
「お前の名前は…『フォグ』だ」
シオンは新たな仲間に名前を付け、その新たな仲間の力を確かめるために鑑定スキルを発動した。目の前に浮かぶ小さなレアフォグバット、フォグを見つめながら、手を軽く掲げて魔力を集中させる。
「鑑定!」
シオンの視界に、フォグの詳細なステータスが映し出された。
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名前:フォグ
種別:レアフォグバット
レベル:20
HP:600
MP:1000
力:60
敏捷:120
知力:100
スキル:
・霧操作(中級):周囲の霧を自在に操る能力。霧を濃くして敵の視界を奪い、自らや仲間を隠すことができる。特に視覚に頼る敵には絶大な効果を発揮する。
・霧中感知(中級):霧の中で視覚や聴覚に頼らず、敵の位置を正確に把握できる感知能力。視覚的な攻撃や罠に対しても対応が容易になる。
・飛行(初級):霧の中を素早く飛び回る能力。飛行速度を活かして広範囲を探査することができ、敵にとっては捉えにくい存在となる。
・霧の癒し(初級):発生した霧が味方のHPやMPを緩やかに回復させる。特に長期戦での持続力を高め、連戦に備えることができる。
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「なかなか優秀なモンスターだな……これなら、霧の洞窟でも十分に活躍できそうだ。」
シオンは、フォグのスキルを一つ一つ確認しながら、改めてその実力に感心した。特に「霧操作」と「霧中感知」が強力だ。霧を操ることで敵の視界を遮り、さらに感知スキルで相手の動きを捉える。これはまさに霧の洞窟に最適な能力だろう。自分たちの戦略の幅が一気に広がることを感じた。
「今までは敵の位置を探るのが大変だったけど、これでかなり楽になる。シロン、これからはフォグとも協力して進むぞ。」
シロンはその言葉に応えるように小さく吠え、フォグも静かに羽を揺らしてシオンに従う意志を示した。フォグの「霧の癒し」もまた長期戦に役立ち、これまで以上に回復手段が増えるのは大きな利点だった。
「これなら、霧の洞窟も難なく進めそうだな。さあ、行こう。」
シオンは、新たな仲間フォグの力に自信を持ち、シロンと共にギルドへと帰還することにした。
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