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ブランシェ到着

 シオンとシロンは、ブランシェへと続く道を進んでいた。森の中はしんと静まり返っており、風が木々を揺らす音だけが聞こえる。しかし、ここは危険な場所だということはシオンも理解していた。森の中には多くの魔物が潜んでおり、いつ襲撃されてもおかしくない。


「シロン、警戒を怠るなよ」


 シオンは注意深く周囲を見渡しながら、シロンに指示を出す。シロンは耳を立て、鋭い目で周囲を見回している。彼らは何度か道中で魔物に遭遇していたが、そのたびにシオンとシロンは力を合わせて危機を乗り越えてきた。


 最初に襲ってきたのは、霧の中を飛び回るフォグバットだ。彼らは視界を奪い、突然襲いかかってくるが、シロンの感知能力とシオンの魔物探知スキルによって、その動きを見破り、的確に対処することができた。


「フォグバットはやっかいだな。でも、慣れればなんとかなる」


 シオンは一息つき、フォグバットの羽を切り落とした。シロンも素早い動きで次々と敵を倒し、道中は順調に進んでいた。


 続いて襲ってきたのは、ウッドラットと呼ばれる森の小型魔物たち。彼らは集団で襲いかかってくるため、一瞬でも油断すると危険な相手だ。しかし、シロンの成長促進スキルによって強化された身体能力で、シオンと息を合わせて次々と敵を倒していく。


「やるじゃないか、シロン。成長してからますます頼もしいな」


 シロンはその言葉に応えるように軽く吠え、尻尾を振って見せた。


 道中、何度かの魔物の襲撃を切り抜けた二人は、ついにブランシェの街の門が見える場所までたどり着いた。石造りの立派な門は、この街が冒険者たちにとって重要な拠点であることを物語っている。


「ようやく到着したな。これで一息つける」


 シオンは街に続く石畳の道を見つめながら、ホッとした表情を浮かべた。街の守衛に近づくと、彼らはシオンとシロンをじっくりと観察したが、特に問題なく通過を許可してくれた。


「おい、坊主。この街は霧の洞窟を目指す冒険者が多い。危険なところだが、お前のような若い冒険者もたまに来るな」


 守衛の一人が話しかけてきたが、シオンは軽く会釈をし、街の中へと足を踏み入れた。


 シオンはブランシェの街に入ると、まずはしばらく滞在できる宿を探すことにした。街はエルバードに比べて少し落ち着いた雰囲気を持っており、霧が立ちこめる風景が特徴的だった。シロンと一緒に歩きながら、シオンは辺りを見渡す。霧に包まれた街並みはどこか幻想的で、静かな活気が漂っている。


 しばらく歩いていると、「霧の宿」という看板が目に留まった。外見はこじんまりとしているが、手入れが行き届いており、花が飾られた入口が落ち着いた雰囲気を醸し出している。シオンはシロンと共に宿に入ることにした。


「いらっしゃいませ。お泊まりでしょうか?」


 カウンターに立っていた女性が優しく声をかけてくる。シオンは頷きながら答えた。


「はい。しばらく滞在できる部屋を探しているんですが、空いていますか?」


「ございますよ。当宿は1泊銀貨5枚でご利用いただけますが、いかがでしょうか?」


 シオンはその価格を聞いて安心した。思ったよりも安く、これならばしばらく滞在しても問題なさそうだと感じた。


「お願いします」


 女性はにっこりと笑い、シオンに宿帳を差し出す。シオンは名前を記入し、銀貨5枚を手渡して鍵を受け取った。


「お部屋は2階になります。何かご不明な点があればいつでもお声がけください」


 部屋に入ると、シンプルだが清潔な空間が広がっていた。ベッドと机があり、十分に休息を取れそうだ。シオンは一息つき、荷物を置くと、シロンに目を向けた。


「さて、街を少し散策してみようか」


 シロンは静かにシオンの言葉に応え、二人は再び街へと出かけた。霧が立ちこめる街の中、商人たちの声や冒険者たちの話し声が絶えず響いている。店が並ぶ通りを歩いていくと、武具や道具、食材など様々なものが売られているのが見える。特に、冒険者向けの道具屋が多く、シオンは興味深げに品物を見て回った。


「この街も、なかなか良さそうだな」


 シロンは時折立ち止まり、周囲の音や気配を感じ取るようにしている。彼の感知スキルが、この街の新しい空気に慣れているようだった。


「次は、ギルドに行って依頼を確認してみるか」

ご愛読ありがとうございます。

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